シキミ

樒 シキミ目/マツブサ科/シキミ属 花期/2月下旬~3月 結実期/8月下旬~9月
学名/Illicium anisatum L.

猛毒自生種稀少保護

シキミ 鎌倉市・貞宗寺 2018/03/13

#シキミ 鎌倉市・貞宗寺 2018/03/13

山地に生える常緑の小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。地方によってはシキビ(樒)とも。真言宗などの仏事に用いられるため寺院で好まれる。樹皮・樹木は焚くと死臭をも隠す強い匂いを放つ香木といい、枝葉は遺体安置の場に設けられる枕飾りや葬儀に用いられ、墓前にも供えられる。神社はサカキ(榊)を神前に供し、寺はシキミを仏前に供える、と対で覚えておきたい。コウバナ(香花、コウハナ、コウゲ)、(特に関西で)葬式に使われる花という意味でハナノキ(花の木)とも。そもそもは土葬された遺体に獣を寄せ付けないために植えられたとかどうとか。神奈川県内では丹沢や箱根などに自生あり。湘南・鎌倉・三浦半島では寺境内や墓地で栽培されているものをちらほら見かけるが、自生もあるとか。

シキミ 鎌倉市植木・龍宝寺 2019/03/09

#シキミ 鎌倉市植木・龍宝寺 2019/03/09

シキミ 鎌倉市植木・龍宝寺 2018/03/13

#シキミ 鎌倉市植木・龍宝寺 2018/03/13

シキミ畑 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/05/26

#シキミ畑 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/05/26

シキミ 鎌倉市・貞宗寺 2018/03/13

#シキミ 鎌倉市・貞宗寺 2018/03/13

シキミ 伊勢原市/秦野市・大山 2019/03/20

シキミ 伊勢原市/秦野市・大山 2019/03/20

シキミ 伊勢原市/秦野市・大山 2019/03/20

シキミ 伊勢原市/秦野市・大山 2019/03/20

葉はサカキ(榊)のように葉脈が目立たないものだが、シキミは枝先に集中して輪生するように付き、縁(ふち)がやや波打つ。その辺に植えられていたとて、クロガネモチ(黒鉄黐)あたりと見誤ってしまうに違いない。

シキミ(栽培)の若い葉 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/05/26

#シキミ(栽培)の若い葉 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/05/26

シキミの葉 鎌倉市・貞宗寺 2018/03/13

#シキミの葉 鎌倉市・貞宗寺 2018/03/13

シキミの葉 小田原市早川 2018/11/02

#シキミの葉 小田原市早川 2018/11/02

ミヤマシキミ(深山樒)は、高山(こうざん)に生えるシキミの仲間。とかいいたくなるが、葉が似ているだけでかすりもしないまったくの別種。

シキミの花

花被片多く、黄白色。葉の緑色に紛れてしまうので遠目では咲いていることに気づかないかもしれない。花径は花の開き具合にもよるが、およそ3cm。

シキミ 鎌倉市・貞宗寺 2018/03/13

#シキミ 鎌倉市・貞宗寺 2018/03/13

シキミ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24

#シキミ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24

シキミ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24

#シキミ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/02/24

シキミ 伊勢原市/秦野市・大山 2019/03/20

シキミ 伊勢原市/秦野市・大山 2019/03/20

シキミ 伊勢原市/秦野市・大山 2019/03/20

シキミ 伊勢原市/秦野市・大山 2019/03/20

シキミ 厚木市・唐沢峠~不動尻 2019/03/20

シキミ 厚木市・唐沢峠~不動尻 2019/03/20

シキミの実

猛毒なので絶対に口にしてはいけない”シヌシヌの実”。この悪”しき実”がシキミという名の由来なのだとか。護摩(ごま)法要などで用いられることから式実なのではないかという気がしてならないけれども。

シキミ(栽培)の若い実 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/05/26

#シキミ(栽培)の若い実 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/05/26

シキミの未熟な実 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/08/26

#シキミの未熟な実 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/08/26

シキミの未熟な実 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/08/26

#シキミの未熟な実 小田原市早川・太閤一夜城と長興山史跡巡りコース 2018/08/26

毒物及び劇物取締法で「しきみの実」が劇物に指定されており、販売等を行うには届け出が必要。

シキミの完熟した実 小田原市早川 2018/11/02

#シキミの完熟した実 小田原市早川 2018/11/02

シキミの完熟した実 小田原市早川 2018/11/02

#シキミの完熟した実 小田原市早川 2018/11/02

近似種である中国原産のトウシキミ(唐樒)、別名ダイウイキョウ(大茴香)は無毒で、実が八角やスターアニスなどと呼ばれる香辛料(香り付け用のスパイス)になり中華料理で使われている。抗インフルエンザ薬のタミフルもトウシキミの実から開発された。なおトウシキミがその辺の露地(ろじ)に植えられていることはなく、あるとするなら植物園の温室の中。身近な場所に落ちている八角のような形状をした実はすべてシキミなので、拾って持ち帰り料理に使っては絶対にいけない。死ぬ。


横浜市南区・#こども植物園

#報国寺(本堂前石段脇北側に若木)、鎌倉市植木・#貞宗寺(墓地内歴代住職塔前)

#光則寺(土籠前)、#極楽寺(裏門内側)、#鎌倉中央公園、鎌倉市植木・#龍宝寺(参道入ってすぐ右手の地蔵堂近くに若木、新井白石之碑裏=早咲き、参道沿い左=花はやや高所)、#大船フラワーセンター(もみじ山、ほぼ日陰、樹名板に「絶滅のおそれのある種」とのシールが貼られているが意図不明)、寒川町・#西善院

伊勢原市/秦野市・大山(大山阿夫利神社下社から本社(山頂)への登山道沿いに多い)、#小田原市早川(入生田駅南方に段々畑)