丸葉菫 キントラノオ目/スミレ科/スミレ属 花期/4月
学名/Viola keiskei Miq.
自生種稀少保護
マルバスミレ(ケマルバスミレ) 藤沢市・遠藤笹窪谷 2018/04/10
林縁の斜面や草地などに生える、スミレの仲間の多年草。神奈川県内広く分布があり特に丹沢方面では多産するようだが、沿岸地域である湘南・鎌倉・三浦半島で見かけるのはかなり希。
マルバスミレ(ケマルバスミレ) 茅ケ崎里山公園 2017/04/17
葉は有毛で、白く細かい毛が生える。かつて、有毛なものはケマルバスミレ(毛丸葉菫)、無毛なものはマルバスミレと呼び分けていたようだが、基本的に有毛なため両者まとめてマルバスミレと呼ぶ方向に変わっているそうな。
マルバスミレ(ケマルバスミレ)の丸みある葉 藤沢市・遠藤笹窪谷 2018/04/10
藤沢市・遠藤笹窪谷(えんどうささくぼやと)のマルバスミレは個体差あるもののふっくらした姿の花が目立った。葉も丸葉と呼ばれて腑に落ちる形状のものも確認できた。
マルバスミレ(ケマルバスミレ) 藤沢市・遠藤笹窪谷 2018/04/10
ふくよか過ぎるマルバスミレ(ケマルバスミレ) 藤沢市・遠藤笹窪谷 2018/04/10
茅ヶ崎市・茅ケ崎里山公園のマルバスミレは花弁が細め。葉もタチツボスミレと大差ないハート形で、丸みは特には感じられない。強いていうなれば葉先が尖らずやや丸みを帯びるものがある(尖っているものもある)という程度。
マルバスミレ(ケマルバスミレ) 茅ケ崎里山公園 2017/04/17
マルバスミレ(ケマルバスミレ)の花
白花。開花初期の雰囲気はタチツボスミレ(立坪菫)の白花品種か何かのように感じられるだろうが、両者は雌蕊の柱頭(ちゅうとう)の形状が異なっており、タチツボスミレはまっすぐ、マルバスミレは(しばしば”カマキリの頭部ような”と表現される)逆三角形。
マルバスミレ(ケマルバスミレ) 茅ケ崎里山公園 2017/04/17
マルバスミレ(ケマルバスミレ) 茅ケ崎里山公園 2017/04/17
側弁基部は無毛、または有毛。
マルバスミレ(ケマルバスミレ) 茅ケ崎里山公園 2017/04/17
マルバスミレ(ケマルバスミレ)の距 茅ケ崎里山公園 2017/04/17
マルバスミレ(ケマルバスミレ)の距 藤沢市・遠藤笹窪谷 2018/04/10
念のため、アメリカスミレサイシン’スノー・プリンセス’でないことは確認したい。
マルバスミレ(ケマルバスミレ)の実
無茎種(むけいしゅ)。なので、実ができる頃になっても開花時期と特に変化ない姿をしている。
#マルバスミレ(ケマルバスミレ)の株本で丸まる未熟な実 茅ヶ崎市浜之郷 2022/06/08
#マルバスミレ(ケマルバスミレ)の株本で丸まる未熟な実 茅ヶ崎市浜之郷 2022/06/08
横浜市保土ケ谷区・陣ケ下渓谷公園(4月上旬)、横浜市戸塚区・舞岡公園
藤沢市・遠藤笹窪谷、茅ケ崎里山公園
大和市・泉の森(4月上旬)
高精細・マルチアングルな画像と
具体的な特徴点(同定のポイント)が出色で、
とても役立ちました:
> 両者には雌蕊の花柱(かちゅう)に明確な違いがあり、タチツボスミレはほぼまっすぐ、マルバスミレの花柱先端には(しばしば”カマキリの頭部ような”と表現される)逆三角形のものが付く。
葉は有毛で、白く細かい毛が生える。かつて、有毛なものはケマルバスミレ(毛丸葉菫)、無毛なものはマルバスミレと呼び分けていたようだが、基本的に有毛なため両者まとめてマルバスミレと呼ぶ方向に変わっているそうな。
那須烏山市(栃木)の里山環境に居を構えて四半世紀…
一昨年から、庭の植栽下(カシワバアジサイ、ユキヤナギ、オオデマリ、イロハモミジ)に「白花種」が自生し初め、しだいに群落化しています。
すでに先行して群落化しているタチツボスミレと生息環境が重なり、容姿も似ているので、てっきり、変種(白花)かと思っていました。
因みに自生した白花種は、葉が有毛で、花梗にも産毛のようなものを確認できます。