タチツボスミレ

立坪菫 キントラノオ目/スミレ科/スミレ属 花期/2月下旬~4月 結実期/5月中旬~下旬 閉鎖花花期・結実期/6月~9月

自生種

タチツボスミレ 平塚市・湘南平 2018/03/31

タチツボスミレ 平塚市・湘南平 2018/03/31

日当たりがある程度ある明るい林内やハイキングコース沿いなどに生える多年草。湘南・鎌倉・三浦半島で最も一般的に見られるスミレの仲間。特に三浦丘陵には多く、社寺境内やハイキングコース沿いでふつうにたくさん目にすることができる。逆に言うと、たくさんあるのはタチツボスミレ。花期も長いので人目にもよく留まるだろう。名前の”立ち”は、花柄(かへい)が長く立ち上がるところないし夏場に茎が立ち上がる様子を示していると思われる。”坪”は庭のことで、人の身近に生えている意。生育環境によるのか、花や葉が異様に小さいものをときどき見かける。市街地にはなし。タチツボスミレが生えている地域はある程度は自然が豊かに残っされていると判断できる、指標になる。

タチツボスミレ 平塚市・湘南平 2017/03/08

タチツボスミレ 平塚市・湘南平 2017/03/08

葉は丸みを帯びたハート形で先端が尖り、鋸歯がある。

タチツボスミレ 葉山町・逗子市・森戸川源流 2018/03/18

タチツボスミレ 葉山町・逗子市・森戸川源流 2018/03/18

※当サイトではスミレ類の見分けはすべてこのタチツボスミレ(の大きさ、色、形状等)を基準にしている。

タチツボスミレの花

花はやや青みがかった薄紫色。少しばかり濃淡に差異あり。側弁の基部に毛は生えない。

タチツボスミレの蕾 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/03/06

タチツボスミレの蕾 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/03/06

タチツボスミレ 平塚市・湘南平 2017/03/08

タチツボスミレ 平塚市・湘南平 2017/03/08

暖冬に釣られて極端に早咲きしたタチツボスミレ 横須賀市秋谷・前田川流域 2017/01/03

暖冬に釣られて極端に早咲きしたタチツボスミレ 横須賀市秋谷・前田川流域 2017/01/03

花が極端に立ち上がったタチツボスミレ 大磯町・高麗山 2016/04/02

花が極端に立ち上がったタチツボスミレ 大磯町・高麗山 2016/04/02

葉と花の様子に加え、花柄の途中の花に近いところに小苞葉がちょろっと一対あること、葉がもしゃもしゃ茂ったところを手で掻き分けてみれば細く切れ込んでけばけばしている托葉があること、の二点も確認したい。

タチツボスミレの花柄に見られる小苞葉 平塚市・湘南平 2017/03/08

タチツボスミレの花柄に見られる小苞葉 平塚市・湘南平 2017/03/08

タチツボスミレの細く切れ込む托葉 平塚市・湘南平 2017/03/08

タチツボスミレの細く切れ込む托葉 平塚市・湘南平 2017/03/08

九州産というタチツボスミレ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/02/08

九州産という#タチツボスミレ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/02/08

九州産というタチツボスミレ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/02/08

九州産という#タチツボスミレ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/02/08

スミレの見分けはややこしいが、白花種のシロバナタチツボスミレはマルバスミレ(丸葉菫)との見分けが問題に。なお紫花のタチツボスミレも蕾のうちは白っぽく見えることがあるので要注意。

タチツボスミレの実

ハイキングコース沿いでハート形の葉の上に鈴を一つ載せていたらば、それはおよそタチツボスミレの実であろう。かわいらしい光景。

タチツボスミレの実 藤沢市・新林公園 2017/05/15

タチツボスミレの実 藤沢市・新林公園 2017/05/15

タチツボスミレの熟してきた実 三浦市・小網代の森 2017/05/23

タチツボスミレの熟してきた実 三浦市・小網代の森 2017/05/23

実は梅雨入り前に熟して炸裂、種子を辺りに散らし飛ばす。

タチツボスミレの炸裂した実(飛ばし損ねた種子が一つ残っている) 三浦市・小網代の森 2017/05/23

タチツボスミレの炸裂した実(飛ばし損ねた種子が一つ残っている) 三浦市・小網代の森 2017/05/23

タチツボスミレの炸裂した実(飛ばし損ねた種子が三つ残っている) 三浦市・小網代の森 2017/05/23

タチツボスミレの炸裂した実(飛ばし損ねた種子が三つ残っている) 三浦市・小網代の森 2017/05/23

タチツボスミレの閉鎖花とその実

スミレの仲間は春と夏では全体的な雰囲気がまったく異なるが、タチツボスミレもまた株を大きく成長させて、閉鎖花を次々と付け、(他者の花粉を受け取ることなく自前で)実を大量に作るようになる。花(開放花)は一輪とて咲かないので人目には留まらないと思うが、夏の間はずっと種子製造機としてフル稼働し続けている。タチツボスミレは有茎種(ゆうけいしゅ)に分類されるスミレで、夏になると茎が伸びてむくむくと立ち上がる姿に変わる。閉鎖花は伸びた茎の上方にある葉腋(ようえき)から出る。地面から直接花茎(かけい)が伸びているように見えていた春の姿とは随分と様子が違っているので、同じタチツボスミレとは最早気づく人はいないかもしれない。

石垣の隙間から生えたタチツボスミレの夏の姿 鎌倉市・円覚寺佛日庵 2019/09/01

石垣の隙間から生えたタチツボスミレの夏の姿 鎌倉市・円覚寺佛日庵 2019/09/01

石垣の隙間から生えたタチツボスミレの夏の姿 鎌倉市・円覚寺佛日庵 2019/09/01

石垣の隙間から生えたタチツボスミレの夏の姿 鎌倉市・円覚寺佛日庵 2019/09/01


横浜市金沢区・金沢自然公園(3月中旬~下旬 なんだろ坂に極薄ピンクないし極薄赤紫色=タチツボスミレとオトメスミレの中間種のよう)、横浜市戸塚区・俣野園(タチツボスミレの他10種程所有)

明王院(白)、荏柄天神社(絵筆塚石段脇)、#大船フラワーセンター(展示品の逸出という九州産のタチツボスミレ=花の薄紫色が極薄・葉に照り、2月中旬)、散在ガ池森林公園、龍口寺(五重塔周辺)

江の島(児玉神社~中津宮広場、江の島龍野ヶ岡自然の森)

参考資料

『スミレ ハンドブック』 山田隆彦著 文一総合出版発行(2010)

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