ヘビイチゴ

蛇苺 バラ目/バラ科/キジムシロ属 花期/4月~6月 結実期/5月~6月

自生種

ヘビイチゴ 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ヘビイチゴ 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ノイチゴ(野苺)と呼ばれるものの代表的なもので、やや湿っぽい場所に生える多年草。近似種いくつかあるものの、湘南・鎌倉・三浦半島では本種が群を抜いて多い。

葉は地面にへばり付くように繁り、花もほとんど立ち上がらない。匍匐茎(ほふくけい)をよく伸ばしよく広がるためグラウンドカバーのように地面を覆う。葉は三出複葉(小葉(しょうよう)が三枚)で、葉柄(ようへい)は長くない。長いならミツバツチグリ(三葉土栗)の可能性を疑いたい。

葉は比較的小さめのものが揃うことが多い。小葉は比較的丸みを帯びることが多い。

ヘビイチゴ 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ヘビイチゴ 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ヘビイチゴの花

黄色いイチゴ花は似通ったものがいくつかあって見分けが難しい。雌蕊部がふっくら丸っこく、副萼片が三裂するならヘビイチゴかヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)。雌蕊部が小さく、副萼片がサツキ(皐月)の葉のような単純な形状だったらミツバツチグリかキジムシロ(雉莚)。

ヘビイチゴ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/04/12

ヘビイチゴ 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/04/12

ヘビイチゴの副萼片 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ヘビイチゴの副萼片 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ヘビイチゴの実

赤く小さなイチゴのようでかわいらしい姿。食べられはするが、甘みがほとんどないのでおいしいものではない。

実(イチゴの場合は偽果(ぎか)という)の表面に付着した一般に”タネ”と呼ばれるぶつぶつ(に見えるが正しくは痩果(そうか)と呼ばれる果実である)の部分に着目。ヘビイチゴのぶつぶつをよく見ると表面がしわしわで、そのため光沢が感じられない。これがヤブヘビイチゴとの決定的な見分けポイントとなる。偽果の地肌(果床(かしょう)という)がやや白っぽいのも特徴ではあるけれど、紛らわしい個体があるので決定打にはならない。

実は雑草に隠れて真夏までこっそり残るものあるが、ふつうは梅雨の時期で終わり。

ヤブヘビイチゴ

藪蛇苺 バラ目/バラ科/キジムシロ属 花期/4月下旬~6月 結実期/5月中旬~6月

自生種

ヘビイチゴにそっくりな多年草。ヘビイチゴより乾燥した場所でも生育できる。

姿は基本的にヘビイチゴと同じ。ただし、ヤブヘビイチゴの方が花はやや立ち上がり気味になる。

葉はヘビイチゴに比べて大きめで、やや細長いと感じるものもある。先端が尖り気味だ、という人もいる。ただし葉はヘビイチゴと大差ないことも多く、見分けのポイントはならない。

ヤブヘビイチゴの花

ヘビイチゴより開花は遅れる。花弁はヘビイチゴよりも丸みを帯びたハート形になる。また平開しきれてなくやや閉じ気味の姿で見かけることが多い。

ヤブヘビイチゴの実

偽果の痩果にしわがなく、瑞々(みずみず)しくつやつやてかてかした光沢ある赤色をしている。これがヘビイチゴとの決定的な違いである。果床も赤い。


広町緑地(丹後ガ谷口)、清水谷(田んぼ周辺)

ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの見分け方


ヘビイチゴ

〔場所〕湿地、田んぼの畔など、湿りがちな場所に好んで生える。

〔葉〕基本的に小振りで、やや丸みを感じる。

〔花弁〕平たい。全開する。

〔花の副萼片〕さほど大きからず、上から見ると花弁に隠れる。

〔痩果〕表面がしわしわでざらざらした感じ。つや消しレッド。

〔果床〕細かいしわがあるためざらざらした感じで、白っぽく色褪せて見える。


ヤブヘビイチゴ

〔場所〕 湿りがちな場所のみならず、林床などの乾燥気味な場所にも生える。

〔葉〕基本的に大きめで、やや細長く感じる。濃い緑色になる傾向。

〔花弁〕やや立体的。わずかに閉じ気味なもの多い。全開しても花弁の立体感が残る。※ヘビイチゴより大きいといわれるが、大差ない。

〔花の副萼片〕大きく、上から見ると花弁からはみ出す。

〔痩果〕しわはない。瑞々(みずみず)しく、つやつやてかてかした光沢レッド。

〔果床〕光沢レッド。


以上の点に留意して総合的に判断するが、中間種のような姿をしているものも多いため、特に実がないときは見分けに窮することも少なくない。葉の大きさや形状、副萼片の大きさだけを頼りにしないこと。

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