ポテンティラ・アルバ

バラ目/バラ科/キジムシロ属 花期/3月~6月
学名/Potentilla alba L.

外来種改良種稀少

ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/04/13

ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/04/13

園芸栽培されることがある、ヨーロッパの山地を原産とする多年草。ぱっと見は、白花を咲かせる、オヘビイチゴ(雄蛇苺)をだいぶ小型にしたもの、といった感じ。立ち上がらず、地面にぺたっと張り付いた姿。大きさ手ごろで、葉の形も花もかわいらしいと感じるだろう。植物園のロックガーデンに植えられていたり、山野草愛好家が鉢植えにしていたりすることあるも、見かける機会はなかなかないか。ユキシロキンバイ(雪白金梅)の名前で希に流通していることがあるのはおそらく本種ではないかと思われるが、この手の外国産園芸植物の素性を詳(つまび)らかにするのは少々厄介で、詳しくは知らない。キジムシロ属に分類される植物を総称して呼ぶポテンティラ(ポテンチラ)、ないし、英名からホワイト・シンクフォイル(White Cinquefoil、白花を咲かせるキジムシロの仲間の総称)と呼んでお茶を濁しておいた方が正解かも。耐寒性は優れるので冬越しは問題ないようだが、耐暑性に難があり真夏の高温多湿を嫌うとか。

ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/03/30

#ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/03/30

ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/04/13

#ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/04/13

咲き終わったポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/06/10

咲き終わった#ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/06/10

秋のポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/10/30

秋の#ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/10/30

葉はふつう小葉五枚の掌状複葉。

ポテンティラ・アルバの葉 箱根湿生花園 2023/03/30

#ポテンティラ・アルバの葉 箱根湿生花園 2023/03/30

似たようなものがいくつかあり、同一種なのか、その園芸品種なのか、別種なのか、よくわからない。小葉や花弁の様子に違いを感じられたり、そうでもなかったり。

ユキシロキンバイ(雪白金梅、雪白キンバイ)
日光植物園(栃木県日光市、東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園)が「ヨーロッパ」原産の 学名/Potentilla wrangelliana (ポテンティラ・ウランゲリアナ)として展示しているものがある。新しい 学名/Drymocallis glandulosa var. wrangelliana (Fisch. & Avé-Lall.) Ertter および和名「ユキシロキンバイ」を令和5年(2023)に新たに付したようであるが、どうも英文サイトが掲載する情報と葉の形状や原産国が一致しない。正しくはポテンティラ・アルバではないかと思うが、箱根湿生花園が展示していたポテンティラ・アルバとは若干の相違を感じないでもない。

日光植物園公式ウェブサイト「ユキシロキンバイ」の頁のキャプチャ

追記)日光植物園に上記の問い合わせを行ったところ、ポテンティラ・ウランゲリアナではないことを認め、(ポテンティラ・アルバなのか、それとも別のものなのか)正確な学名は再確認するとのお答えを頂いた。(2023/07/03)

シラユキキンバイ(白雪金梅、白雪キンバイ)
ユキシロキンバイの別名とかどうとか。

ウンナンシロキンバイ(雲南白金梅、雲南白キンバイ)
中国雲南省原産とか聞くが、学名わからず正体不明。ポテンティラ・アルバと同じものではないのかとも思うが、この手の植物は似て非なるものがあるのでよくわからない。

ポテンティラ・アルバの花

イチゴ(苺)やヘビイチゴ(蛇苺)とほぼ同形の白花を咲かせる。清楚。

ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/04/13

#ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/04/13

ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/03/30

#ポテンティラ・アルバ 箱根湿生花園 2023/03/30


#箱根湿生花園

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オヘビイチゴ