Diamond lily クサスギカズラ目/ヒガンバナ科/ネリネ属 花期/10月下旬~11月
学名/Nerine sarniensis (L.) Herb.
有毒外来種改良種
#ネリネ(ダイヤモンドリリー) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/11/09
南アフリカ原産の、園芸栽培される球根性の多年草。ヒガンバナ(彼岸花)(ヒガンバナ属に分類される植物(の園芸種)は総称してリコリスという)に近い仲間。ネリネ属に分類される植物(の園芸種)の総称としてネリネと呼ばれる。ネリネの中でも流通している多くはネリネ・サルニエンシスを元に作出された園芸品種で、花弁にラメが入っていてきらきら光るユリ(百合)(英名リリー(Lily))のような花ということでダイヤモンドリリー(日本国内における流通名)と呼ばれる。ネリネといった場合はダイヤモンドリリーでない(ネリネ・ウンデュラータなどの)場合もあるので要注意。ちょっとマゾっ気な性質があるようで、広々とした地植えにはせず、(球根よりも一回りだけ大きい程度の)小さな鉢に一球植えして常にストレスをかけ、用土は水はけ重視で赤玉土と鹿沼土を1:1(またはヤシの実チップ「ベラボン」単用)、腐葉土や堆肥は不使用、元肥(もとひ、もとごえ)として緩効性化成肥料の「マグァンプK(中粒)」を一つまみだけ混ぜ込んで、過湿を嫌うので水やりは最小限にして、日当たりが良い場所で栽培する。真夏の暑さ自体には耐えられるが、球根に水をかけてしまうと大嫌いな高温多湿が原因で球根がたちまち腐ってしまうことがあるため、真夏は基本的には灌水(かんすい)は一切せずに乾燥した状態を保って(休眠させて)夏越しさせること。品種によっては緑色の葉を少々付けた状態で夏に突入してしまうが、水やりをするにしても涼しい日に最小限の最少量のみ、鉢の縁(ふち)にそって根を僅かに湿らせる程度にし(球根は湿らせないようにする)、直射日光を避けて鉢を明るい日陰に移動させる、くらいの慎重さがあった方が良いだろう。植え替えは、休眠が明け始める8月下旬から9月中旬にかけて行うが、但し毎年のように植え替えると花が咲かなくなるため四年に一度に留める。植え替え後半月程度は涼しい日陰に置き、灌水はしない。水やりは、(球根自体が蓄えている水分や養分を使って)茎や葉を伸ばして根がしっかり活動を開始したことを確認してから、少しづつ開始する。休眠明けすぐに水をどばどばかけてしまうと球根が腐りやすい。耐寒性はやや弱いため真冬に霜が当たるようであれば室内へ取り込んでおいた方が安全。球根はホームセンターの園芸コーナーで(夏から初秋にかけて)市販されているので、民家の庭などで見かけることがあるかもしれない。
葉は、花より前から多少生え出るもの、花が咲き終わる頃に生え出てくるもの、二系統ある模様。
#ネリネ(ダイヤモンドリリー)の開花時の葉 鎌倉市・円覚寺松嶺院 2020/10/31
#ネリネ(ダイヤモンドリリー)の開花時の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/11/22
ネリネ(ダイヤモンドリリー)の花
球根一個につき花茎を一本立ち上げて、やや小振りなヒガンバナないしユリといった感じの花を咲かせる。花色は、赤、ピンク、白。花弁の表面が光を乱反射してきらきら輝くのが大きな特徴。昼間よりも、朝ないし夕方の方が光りが見えやすいかも。おっとりのんびりした性格なようで、開花し始めてから満開するまで結構な時間がかかり、また傷み始めるのもゆっくり。まあまあ寒くなってきた時季でもあるので、(特に開花中は午前中だけ日が当たる半日陰で管理をすれば)花持ちは良好。きれいな満開状態を約二週間維持してくれるだろう。咲き始めから最後の小花が萎(しお)れるまでは約一ヶ月。なお小花が二つ三つ開いてきた段階で花茎を根元付近でぽきっと折って切り花として楽しむこともできる。
#ネリネ(ダイヤモンドリリー) 鎌倉市・円覚寺松嶺院 2020/10/31
輝きがよく表れている#ネリネ(ダイヤモンドリリー) 鎌倉市・円覚寺松嶺院 2020/10/31
#ネリネ(ダイヤモンドリリー)の輝き 茅ヶ崎市浜之郷 2020/11/15
ふつう花弁が細く縮れ気味で薄ピンク色だったらネリネ・ウンデュラータ(ネリネ・ウンドゥラータ、ネリネ・ウンズラータ、Nerine undulata)、別名ネリネ・クリスパ(Nerine crispa)、和名ヒメヒガンバナ(姫彼岸花)かもしれない。花期は遅い。春植え球根で、葉は夏に伸長し、初冬に花が咲き、花後は地上部を枯らして冬を乗り切る、という反対のサイクルを持ったネリネ・ボーデニーというものも栽培されることがないでもない。
#円覚寺松嶺院(墓地への階段沿いに地植え)
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