キンシバイ

金糸梅 キントラノオ目/オトギリソウ科/オトギリソウ属 花期/5月末~6月上旬
学名/Hypericum patulum Thunb.

キンシバイ 鎌倉市・光則寺 2018/06/03

#キンシバイ 鎌倉市・光則寺 2018/06/03

中国原産の半落葉低木。黄色い花弁と豊かな雄蕊が美しい。湘南・鎌倉・三浦半島では公園や一般的な民家の庭で見かけることはまずないものと思われるが、鎌倉の寺境内では意外と多く栽培されている。公園などに植栽されているキンシバイらしきものは専(もっぱ)ら交配された園芸品種のヒペリカム・ヒドコートである。キンバイカ(金梅花)という呼称は誤りで、そのような植物はない(東北地方の一部でオウバイ(黄梅)をキンバイカと呼ぶことはある)。キンバイソウ(金梅草)はキンポウゲ科の、ギンバイソウ(銀梅草)はアジサイ科のそれぞれ別種。ギンシバイ(銀糸梅)も存在せず、正しくはフトモモ科のギンバイカ(銀梅花)。ややこしい。

キンシバイ 鎌倉市・光則寺 2018/06/03

#キンシバイ 鎌倉市・光則寺 2018/06/03

キンシバイの葉 鎌倉市・光則寺 2018/06/03

#キンシバイの葉 鎌倉市・光則寺 2018/06/03

キンシバイの花

枝がしなって、その先端で斜め下を向くように咲く。花弁は平開せず、やや閉じ気味。雌蕊は少し緑色を帯びる。改良品種のヒドコートは一回り大きい真っ黄色な花が上向きにも咲き、花弁はぱっとほぼ平開する。花数もヒドコートの方が格段に多いため、公園などを明るく彩るという目的ではヒドコートが見栄えに優れて文句なく圧勝。但し派手さでは分(ぶ)が悪いキンシバイの方が本来の姿であるし、鎌倉の梅雨入り間近な寺境内にそっと花を添える意味ではむしろ趣(おもむき)が感じられよう。

キンシバイ 鎌倉市・大巧寺 2018/06/03

#キンシバイ 鎌倉市・大巧寺 2018/06/03

キンシバイ 鎌倉市・光則寺 2018/06/03

#キンシバイ 鎌倉市・光則寺 2018/06/03

花弁の間に隙間があって雄蕊がもっとずっと長かったらビヨウヤナギ(未央柳)かもしれない。


#瑞泉寺、#大巧寺(コボウズオトギリも)、#北鎌倉古民家ミュージアム、#東慶寺、#円覚寺黄梅院、#光則寺(多い)

参考資料

『日本植物方言集成』 八坂書房編集・発行(2001)

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