きかし草 フトモモ目/ミソハギ科/キカシグサ属 花期/9月中旬~10月上旬
学名/Rotala indica (Willd.) Koehne
自生種
キカシグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/09/22
湿地や水田に生える一年草。湿生植物ないし抽水植物(ちゅうすい-、水底に根を張り水面より上に葉や花を突き出す)である。全体的な姿は、スベリヒユ(滑莧)コスプレをしたオオフサモ(大房藻)、とでもいおうか。湘南・鎌倉・三浦半島ではイネ(稲)刈りがだいたい九月中旬から十月上旬に行われるが、刈り取られた直後、いまだ田んぼが乾いておらずべちゃついている頃にキカシグサが人目に触れる状態となるだろう。田んぼがあればふつうに生えている水田雑草だったらしいが、湘南・鎌倉・三浦半島では湿地や田んぼそのものの減少も相まってキカシグサを見かける機会は減っているのではないか。名前の由来は不明。
キカシグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/09/22
葉はふつう先端が尖らない倒卵形(とうらんけい)。細めな葉だったら近似の別種だろう。
キカシグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/09/22
キカシグサの花
葉腋(ようえき)で咲く。花径は2mmくらいしかない極めて小さなもの。しかも柄(え)がないので葉に隠れがちである。萼や雄蕊の葯(やく)がミソハギ科らしい紅紫色(こうししょく)を帯びてかわいらしい。濃淡は個体差あり。花弁は白っぽく更に小さいものが四枚。小さすぎて細部は肉眼では見えない。
キカシグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/09/22
キカシグサ 茅ヶ崎市行谷 2018/09/22
草姿(そうし)がぜんぜん違うので混同することはあるまいが、花だけを見るとヒメミソハギ(姫禊萩)に似ている。
鎌倉広町緑地(田んぼ)、茅ヶ崎市行谷(小出川沿いの田んぼ、イネ刈り後に)