紀伊上臈杜鵑草 ユリ目/ユリ科/ホトトギス属 花期/10月~11月上旬
学名/Tricyrtis macranthopsis Masam.
稀少
環境省レッドリスト「絶滅危惧II類(VU)」
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園 2017/10/01
紀伊半島の三重県・奈良県・和歌山県にだけ分布がある、やや大型な多年草(宿根草)。湿りがちな崖や斜面から垂れるように生える。高知県に分布するジョウロウホトトギス、別名トサジョウロウホトトギス(土佐上臈杜鵑草)、あるいは神奈川県の丹沢に分布するサガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑草)、の近似種。黄色花のホトトギスの仲間としては、紀伊半島に広く自生するため個体数が比較的多く、比較的栽培もしやすいようで、園芸栽培用に流通していないでもないので、神奈川県内でも植物園のみならず鎌倉の寺境内に植栽されていることがある。栽培されている黄色いホトトギスを見かけたらまず本種を疑いたい。湘南・鎌倉・三浦半島での花の盛りは10月20日前後か。夏の直射日光と乾燥は苦手。
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園・企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」 2023/10/03
#キイジョウロウホトトギス(ポット植え) 箱根湿生花園・企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」 2023/10/03
#キイジョウロウホトトギス(ポット植え) 箱根湿生花園・企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」 2023/10/03
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園・企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」 2023/10/03
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園・企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」 2023/10/03
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園 2017/10/01
#キイジョウロウホトトギス(周囲の葉はイワタバコ) 鎌倉市・円覚寺龍隠庵 2021/10/08
開花直前の#キイジョウロウホトトギス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/10/22
真夏の直射日光に晒されて傷み放題な#キイジョウロウホトトギス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/10/09
#キイジョウロウホトトギス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/10/09
#キイジョウロウホトトギスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/10/09
葉身(ようしん)基部は、花柄(かへい)のみならず茎までがっつり抱き込む(ジョウロウホトトギスは茎は抱かない)。茎はほぼ無毛(ジョウロウホトトギスは有毛)。
#キイジョウロウホトトギスの葉と茎の特徴 箱根湿生花園・企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」 2023/10/03
#キイジョウロウホトトギスの葉と茎 箱根湿生花園・企画展 2023/10/30
名は、黄色の女郎(じょろう、風俗嬢)ではなく紀伊の上臈(じょうろう、宮中に奉仕した貴婦人)の意。ジョウロウホトトギスは植物学者牧野富太郎博士の命名。”山里の貴婦人”と称えられる。なおサガミジョウロウホトトギスは栽培難易度が高いこともあって、植物園などの大型な企画展にさえ出品されることはないため、本格的な登山をする人が自生地へ赴く以外にお目にかかれる機会なし。
キイジョウロウホトトギスの花
茎途中の各葉腋(ようえき)および茎先端に花が付く。葉の上で咲いてくれるので見栄え良し。神奈川県南部の平地で、見頃はふつう10月初旬と思われる。
#キイジョウロウホトトギスの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/10/22
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園・企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」 2023/10/03
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園・企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」 2023/10/03
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園 2017/10/01
花内側の斑紋は花被片先端には入らない(ジョウロウホトトギスは花被片先端まで斑模様あり)。
#キイジョウロウホトトギス 箱根湿生花園 2017/10/01
大船フラワーセンターに、茎は無毛に近く葉身基部は茎まで抱くのでキイジョウロウホトトギスと思われるが、花被片先端まで斑が入るというジョウロウホトトギスの特徴を有すものが多く植栽されている。両者の交雑種か。
花被片先端まで斑が入る#キイジョウロウホトトギス(交雑種) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/10/22
花被片先端まで斑が入る#キイジョウロウホトトギス(交雑種) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/10/22
花被片先端まで斑が入る#キイジョウロウホトトギス(交雑種) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/10/22
#キイジョウロウホトトギス(交雑種)の茎と葉身基部 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/10/22
東京都文京区・#小石川植物園(シダ園)
#円覚寺龍隠庵(平成24年(2012)頃は良く茂り良く咲いていたが現在はかなり貧弱に)、#円覚寺松嶺院(鉢植え)、#長谷寺(公式サイトは「ジョウロウホトトギス」と称して掲載)、#大船フラワーセンター(アジサイ・ボーダー花壇のハナショウブ園側に一群=交雑種=真夏の直射日光で特に葉焼けひどい・地べた植栽で花が虫食い、花の築山の北西口に二群=西側の一群はキイ・東側の一群の中央部はキイ・東側の一群の左右両端は交雑種、もみじ山に三群=交雑種、10月中旬~下旬、雨後は泥はねで汚い)
厚木市・#荻野運動公園(野草園)、#箱根湿生花園(9月末~10月初旬、令和5年(2023)企画展「ジョウロウホトトギスと秋草展」、八重咲き品種’紀伊牡丹’も)