ホトケノザ

仏の座 シソ目/シソ科/オドリコソウ属 発芽/9月中旬~ 花期/11月中旬~5月
学名/Lamium amplexicaule L.

自生種

ホトケノザの一番花 茅ヶ崎市芹沢 2018/09/22

ホトケノザの一番花 茅ヶ崎市芹沢 2018/09/22

田畑や草地、道路沿いなどどこにでも雑草として大量に生えている一年草(越年草)。雰囲気が似る同属のヒメオドリコソウ(姫踊子草)と同じ環境に生え、基本的にはごちゃごちゃに入り乱れて混生することは避けようとしている姿勢は感じられるものの、群落の境界では多少交わる。葉が仏像の台座である蓮華座(れんげざ)のような形状をしているのが特徴。本来は初春の花なのだそうだが、初冬からひっそり咲いており、ヒメオドリコソウと併せて冬を代表する野の花といえる。

荒地に群生したホトケノザ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/03/04

荒地に群生したホトケノザ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/03/04

夏も峠をついに越え、「暑さ寒さも彼岸(9月23日頃)まで」などという言葉が巷(ちまた)で囁(ささや)かれ始めた頃、農地周辺にホトケノザの若葉が出現しはじめる。そろそろ秋の気配が──、なんて言っている最中に冬の植物登場でちょっとぞっとしてしまう。ホトケノザの葉の表面には、近似種であるヒメオドリコソウ同様に、網状脈(もうじょうみゃく)と呼ばれる網の目状に走る細かな葉脈の凹みがある。ただし網状脈は明らかに粗(あら)く、ヒメオドリコソウの方が細か。網状脈なければオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)の仲間の葉だろう。鋸歯はヒメオドリコソウよりも深めにしっかり切れ込む。茎上部の、花が咲いている辺りの葉は無柄(むへい)。

ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ)の若葉 茅ヶ崎市浜之郷 2018/12/18

#ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ)の若葉 茅ヶ崎市浜之郷 2018/12/18

ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ)の若葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/02/01

#ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ)の若葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/02/01

石垣の隙間に生えたホトケノザ 鎌倉市・安養院 2019/01/24

石垣の隙間に生えたホトケノザ 鎌倉市・安養院 2019/01/24

ホトケノザの芽生え 茅ヶ崎市萩園 2018/09/17

ホトケノザの芽生え 茅ヶ崎市萩園 2018/09/17

ホトケノザの芽生え 寒川町田端 2018/10/09

ホトケノザの芽生え 寒川町田端 2018/10/09

ホトケノザの特徴 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

ホトケノザの特徴 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

ホトケノザの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

ホトケノザの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

ホトケノザの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

ホトケノザの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

開花前の若いホトケノザとヒメオドリコソウの葉の違い 茅ヶ崎市浜之郷 2019/12/25

開花前の若いホトケノザとヒメオドリコソウの葉の違い 茅ヶ崎市浜之郷 2019/12/25

毛の生え具合には個体差あるが、およそ、茎はほぼ無毛に感じられ、葉などには短毛あり。葉を触るとざらざら(さらさら)した感じ。

ホトケノザの茎 茅ヶ崎市萩園 2018/11/21

ホトケノザの茎 茅ヶ崎市萩園 2018/11/21

希にずば抜けて大きな個体があるが、別種や変種という話は聞いたことがないので同じホトケノザなのだろう。

異様に大きなホトケノザ 寒川町田端 2019/03/05

異様に大きなホトケノザ 寒川町田端 2019/03/05

春、暖かくなってくると傷んで朽ちる。その前に紅葉することも。

ホトケノザの紅葉 寒川町田端 2019/03/05

ホトケノザの紅葉 寒川町田端 2019/03/05

暑さが苦手なはずなのだけれども、春に生え出たと思しき個体が夏に花を咲かせていることがある。気温30℃超のぎらぎらした直射日光を経験しても意外と平然としている。

夏の農地に咲いていたホトケノザ 寒川町田畑 2022/07/12

夏の農地に咲いていたホトケノザ 寒川町田畑 2022/07/12

夏の農地に咲いていたホトケノザ 寒川町田畑 2022/07/12

夏の農地に咲いていたホトケノザ 寒川町田畑 2022/07/12

なお「春の七草」にいうところのホトケノザは、本種ではくコオニタビラコ(小鬼田平子)のことである。

ホトケノザの花

花冠の筒部が長く、しっかり上向きに立ち上がって見える。紫は色濃い。ヒメオドリコソウの花は筒部が短いため葉に埋もれがちに咲き、色もやや薄め。

ホトケノザ 藤沢市遠藤 2016/11/22

ホトケノザ 藤沢市遠藤 2016/11/22

ホトケノザ 鎌倉市関谷・関谷耕地 2017/03/11

ホトケノザ 鎌倉市関谷・関谷耕地 2017/03/11

ホトケノザ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/12/28

ホトケノザ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/12/28

花が真っ白なものが稀にありをシロバナホトケノザ(白花仏の座)という。また通常品と白花の中間種のようなもので、(ほぼ)白花ながら赤紫斑だけしっかり入るものもある。名前が付けられていないようなのでスミレ(菫)に倣(なら)ってオトメホトケノザ(乙女仏の座)と仮称しておく。

ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/11/08

#ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ) 茅ヶ崎市浜之郷 2019/11/08

ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/02/27

#ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/02/27

ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ)とふつうのホトケノザ 茅ヶ崎市浜之郷 2023/12/06

#ホトケノザ(仮称オトメホトケノザ)とふつうのホトケノザ 茅ヶ崎市浜之郷 2023/12/06

ホトケノザは閉鎖花で自家受粉をし自身のクローン種子を周囲にばら撒ける秘術を習得している。日当たり不良など生育環境に不満があると開放花を付けない。

ホトケノザの閉鎖花 茅ヶ崎市浜之郷 2018/04/03

ホトケノザの閉鎖花 茅ヶ崎市浜之郷 2018/04/03

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ヒメオドリコソウ