姫沙羅 ツツジ目/ツバキ科/ナツツバキ属 花期/5月下旬~6月中旬 結実期/10月
改良種
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
山地に生える落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。日本固有種。雰囲気は同属のナツツバキ(夏椿)に似るが花は断然小ぶり。名は、花が小さくてかわいらしいシャラノキ(娑羅樹)の意。シャラノキはナツツバキのこと。神奈川県内では箱根に多く分布。湘南・鎌倉・三浦半島では公園や民家の庭に植えられていることがあるのみで自生なし。
#ヒメシャラの葉 鎌倉中央公園 2018/06/02
#ヒメシャラの葉 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/18
幹は赤褐色で、カゴノキ(鹿子の木)やカリン(榠樝)やリョウブ(令法)やプラタナスのように樹皮が剥がれて迷彩柄になる。シラカバ(白樺)、アオギリ(青桐)と併せて、日本三大美幹木に挙げられる。
#ヒメシャラの幹(樹皮) 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/18
#ヒメシャラの幹(樹皮) 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/18
ヒメシャラの花
開花時期はナツツバキよりやや早いかほぼ同時。ヒメシャラには蕾のうちから托葉があるのが見分けの鍵となる。ヒメシャラの方が花は小さい。(本来の)ヒメシャラの花径は1.5~2cm。
#ヒメシャラの托葉(白色矢印)が特徴的な蕾 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/18
#ヒメシャラの托葉(白色矢印) 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/18
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/18
ナツツバキ同様、一日花らしい。花数は十分あるが、どんどん咲いてどんどん散ってゆくので、ぼんやりしているととっくに咲き終わってしまっているなんてこともしばしば。
#ヒメシャラの落花 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/18
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
花弁は五枚。そのうち一枚はやや小さくて丸みを帯びるように変形している。おそらく蕾のときにカバーになっていた外側の一枚なのだろう。故に、花は真正面から見てもきれいな左右対称にはならない。
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市・中央公園 2018/05/22
#ヒメシャラにしては大きすぎる花(花径4cm弱) 茅ヶ崎市・中央公園 2018/06/02
本頁に掲載しているものはすべて選抜種ないし品種改良された園芸種と思われる。花も葉も様子が一定でない。
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/06/07
#ヒメシャラ 茅ヶ崎市萩園 2018/06/07
箱根に自生するヒメシャラは高木で高所に花を咲かせるため、観察のしようがない。
ヒメシャラの実
子房は有毛。無毛であれば近似種のヒコサンヒメシャラ(英彦山姫沙羅)ないしトウゴクヒメシャラ(東国姫沙羅)の疑い。
#ヒメシャラの若い実 茅ヶ崎市・中央公園 2018/06/02
#ヒメシャラの若い実と蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2018/06/07
#ヒメシャラの若い実 茅ヶ崎市萩園 2018/06/07
#ヒメシャラの熟した実 茅ヶ崎市・中央公園 2018/10/15
#光則寺、#鎌倉中央公園(下池休憩舎西側)
#長久保公園、茅ヶ崎市・#中央公園(こどもの広場水飲の南側に3本、明らかに早咲き・花大きい=花径3~4cm)、#高麗山公園(平成28年(2016)中央広場東に植樹、平成29年(2017)ヤブラン平に植樹 ※大磯丘陵は自生地ではない)
箱根町・県道733号ひめしゃら林道(強羅~ポーラ美術館~仙石原、ポーラ美術館駐車場にも)、箱根町・駒ヶ岳国有林ヒメシャラ群落保護林、箱根神社(社殿裏山南斜面、6月下旬~7月上旬、高木のため7月15日頃に落花の方が見やすいか、県指定天然記念物「ひめしゃらの純林」)、箱根神社九頭龍神社本宮(九頭龍の森=入場料500円、人の踏み荒らしなく落花美しいか、7月13日 10:00-11:15 月次祭=午前中のみ入場無料=箱根園(7月~8月 駐車場有料、乗用車1,000円・二輪車400円)ないし箱根湖尻ターミナル(平日無料)から徒歩30分)、#箱根湿生花園(①落葉広葉樹林の植物の休憩所脇にヒコサンヒメシャラ)
参考資料
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)
『神奈川県植物誌2001』 神奈川県植物誌調査会編集 神奈川県立生命の星・地球博物館発行(2001)