ハクサンボク

白山木 マツムシソウ目/ガマズミ科/ガマズミ属 花期/4月~5月上旬 結実期/9月~10月
学名/Viburnum japonicum (Thunb.) Spreng.

外来種改良種稀少

ハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

#ハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

山口県以西となぜか愛知県に隔離分布する常緑の小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。樹高は6mくらいになるようだが、定期的に刈り込んでしまえば1.5mくらいに収められるため、植栽されることがある。神奈川県内ではほとんど普及していない新しい庭木なのだろう、変わったものを植えているおしゃれ庭園でごく希に見かける程度。ガマズミ(莢蒾)の仲間でぱっと見た感じはよく似ているが、本種の葉は無毛で常緑(ガマズミの葉は有毛で冬に落葉する)。神奈川県内でも新しく野生状態の標本がごく少数採取されているようながら、『神奈川県植物誌2018』は”逸出か自然分布か判然としない”と述べている。神奈川県レッドリスト2020に記載はないので、逸出帰化の疑いが強いのだろう。であれば、国内外来種という扱いになる。名は、石川県の白山に産するものと勘違いされて名付けられた(牧野)とかどうとか。そんな馬鹿な話があるのだろうか。もしかしたら花の様子が冠雪した白山に喩(たと)えられたのかもしれない。

咲き始めたハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

咲き始めたハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

葉は対生。常緑なので厚め。無毛なのが特徴。表面は無毛でつやつやした光沢あり、見た目がきれい。葉裏は皮のようにざらっとはしているがやはり無毛。枝なども無毛である。

ハクサンボクの初夏の若葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

#ハクサンボクの初夏の若葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

ハクサンボクの葉 茅ヶ崎市甘沼・成就院 2023/10/07

#ハクサンボクの葉 茅ヶ崎市甘沼・成就院 2023/10/07

ハクサンボクの葉 茅ヶ崎市甘沼・成就院 2023/10/07

#ハクサンボクの葉 茅ヶ崎市甘沼・成就院 2023/10/07

ハクサンボクの葉裏 茅ヶ崎市甘沼・成就院 2023/10/07

#ハクサンボクの葉裏 茅ヶ崎市甘沼・成就院 2023/10/07

ハクサンボクの真冬の紅葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/01/17

#ハクサンボクの真冬の紅葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/01/17

ハクサンボクの真冬の紅葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/01/17

#ハクサンボクの真冬の紅葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/01/17

樹高が2mにしかならない矮性(わいせい)なものをコハクサンボク(小白山木)と呼び分けることがある。現在は変異の範疇としてハクサンボクに含めてしまう方が有力。伊豆諸島と熱海、神奈川県内の一ヶ所に分布あり。

ハクサンボクの花

ガマズミのような白花を咲かせる。開花はガマズミより一ヶ月早く、見頃は4月中旬遅め。

ハクサンボクの蕾 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

#ハクサンボクの蕾 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

ハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

#ハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

ハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

#ハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

ハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

#ハクサンボク 平塚市・花菜ガーデン 2023/04/14

開花時期はコバノガマズミ(小葉の莢蒾)と重なる。コバノガマズミは葉裏ないし若い枝に毛が生えているので見分けられる。葉の表面に光沢はない。高木ではあるがミズキ(水木)も咲き始めているかもしれない。

ハクサンボクの実

ガマズミのような赤い核果(かくか)が多数できる。令和5年(2023)猛暑の影響なのか成就院と花菜ガーデンは共に実がほとんどならなかった。


横浜市西区・#横浜イングリッシュガーデン

茅ヶ崎市甘沼・#成就院(墓地奥のヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)近く)、#花菜ガーデン(チャペックの家と庭)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

『牧野 日本植物図鑑』 牧野富太郎著 北隆館発行(1940)

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

コハクサンボク

ガマズミ

コバノガマズミ

ゴマギ

ミズキ