御器蔓、合器蔓 ウリ目/ウリ科/ゴキヅル属 花期/7月下旬~11月 結実期/10月中旬~12月
学名/Actinostemma tenerum Griff.
有毒薬用自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「準絶滅危惧」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」
ゴキヅルの実 寒川町・相模川 2020/11/04
川べりなどの浅い水中ないし湿った草地に好んで生える蔓性の一年草で、ウリ科らしく雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。名は、実の形状が御器(合器)のような変わった形状をしていることから。御器とは食器の(特に蓋付きの高級な)お椀(わん)のこと。元は仏教用語らしいが、今でも地方によってはお椀をそう呼んでいるところがある。ちなみにゴキブリ(蜚蠊)の名も御器囓り(ごきかぶり、囓るはかじるの意)に由来しており同じお椀繋がり。茎は細く、全草柔らかい。葉腋(ようえき)から巻き鬚(ひげ)を出して他の草に絡まる。神奈川県内では多摩川や相模川、酒匂川(およびその支流)沿いに点々と分布がある程度。河川周辺の開発で減少した、というわけではなく、昔っから少ない。
#ゴキヅル 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10
ゴキヅルが生えた川べり 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルが生えた川べり 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルが生えた川べり 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルが生えた川べり 寒川町・相模川 2021/07/25
川べりの草地に生えたゴキヅル 寒川町・相模川 2021/07/25
川べりの草地に生えたゴキヅル 寒川町・相模川 2021/07/25
結実期のゴキヅル 寒川町・相模川 2020/11/04
葉は互生。ヤマノイモ(山の芋)のような、ヒルガオ(昼顔)のような形状で、鋸歯がある。
#ゴキヅルの若い株の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/05/16
ゴキヅルの葉 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルの葉 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルの葉 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルの葉 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルの葉 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルの花
葉腋から短い柄(え)を伸ばし、その先に雄花序を付ける。その雄花序の基部から別の柄を出して雌花が一個付く。小花はなんとなく(同じウリ科の)アマチャヅル(甘茶蔓)に似ている。花弁は十枚、あるように見えるが、萼片が五枚に花弁が五枚である。五本の雄蕊が発達していれば雄花、中央の雌蕊が発達していれば雌花、であるが、花径は7mm程度しかない小さな花なのでそのあたりはよくは見えない。花を裏側から見て、実に発達しそうな子房の膨らみがあれば雌花である。雄花の開花は7月下旬から(栽培環境では6月中旬頃から)、雌花の開花は9月中旬から。しっかり秋まで生育できないと、種子を作れず、一年草なので絶えて終わり。
ゴキヅル 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの典型的な花序の形(雌花は既に実になっている) 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの雄花と雌花 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの雄花と雌花 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの雄花 寒川町・相模川 2021/07/25
ゴキヅルの雄花 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの雄花 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの雌花 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの雌花 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの雌花 寒川町・相模川 2021/09/10
ゴキヅルの実
実はカプセルトイ(ガチャガチャ、ガチャポン)のカプセルのような、蓋果(がいか)。はじめ緑色、すこし黄色っぽく変色して熟す。すると実はぱかっと本体と蓋(ふた)に分かれて、中に納まっていた二つの種子が蓋もろともぽろっと落下する仕組み。蔓には本体側のカプセルの半分が残る。
ゴキヅルの実 寒川町・相模川 2020/11/04
ゴキヅルの実 寒川町・相模川 2020/11/04
ゴキヅルの未熟な実 寒川町・相模川 2020/11/04
ゴキヅルの熟した実 寒川町・相模川 2020/11/04
ゴキヅルの熟した実 寒川町・相模川 2020/11/04
ゴキヅルの熟した実 寒川町・相模川 2020/11/04
ゴキヅルの熟して割れた実と中に収まっていた二個の種子 寒川町・相模川 2020/11/04
ゴキヅルの種子 寒川町・相模川 2021/10/11
ゴキヅルの発芽 茅ヶ崎市浜之郷 2021/03/03
#ゴキヅルの発芽 茅ヶ崎市浜之郷 2021/03/22
#ゴキヅルの幼株 茅ヶ崎市浜之郷 2019/04/02
東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター(情報館脇の水草水槽に)
寒川町・相模川
引地川親水公園大庭遊水地(自然ふれあい体験ゾーンにあるという話だが現地で見かけたことなし)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
オキナワスズメウリを育てています。
近所で野生化した苗から種子を取って、育てました。
実がなるのがかなり遅くて、11月末くらいかな.
この植物は見たことがないけれど、近所のカラスウリは、実が赤くなってきれいです。