赤実蒲公英 キク目/キク科/タンポポ属 花期/3月中旬~6月、10~11月
薬用外来種駆除
外来タンポポ種群=外来生物法「要注意外来種」(廃止)
外来性タンポポ種群=生態系被害防止外来種リスト「重点対策外来種」
外来種タンポポ種群=日本生態学会「日本の侵略的外来種ワースト100」
#アカミタンポポ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/23
道端などに生えるヨーロッパ原産の多年草。ぱっと見はほぼセイヨウタンポポ(西洋蒲公英)なので、一般的にはアカミタンポポも含めてセイヨウタンポポと呼ばれてしまっているだろうもの。決定的な違いは種子(のように見える痩果(そうか))が、セイヨウタンポポは黄色っぽいのに対し、アカミタンポポは名前の通り赤っぽい、というただ一点のみ。従って、実ができていないと両者の見分けはできない。湘南・鎌倉・三浦半島にも帰化雑草としてそこいらに生えている、といった話を聞いていたのだが、意識して探してみたらばこれが意外とぜんぜん見当たらない。駅周辺などの都市化が進んだ市街地に比較的多いとか。
植込みに居候していたアカミタンポポ 鎌倉市・カトリック雪ノ下教会 2019/03/31
アカミタンポポ 藤沢市・新林公園周辺 2019/04/18
葉はセイヨウタンポポよりも切れ込みが深くなって荒々しい雰囲気を醸し出す、傾向がある。ただし個体差大きく、見分ける際の手掛かりにはならない。
#アカミタンポポの若葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/06/28
アカミタンポポの葉 鎌倉市・カトリック雪ノ下教会 2019/03/31
他のタンポポ同様に葉は可食。野良に生えているものは地べたに張り付いているせいもあってあまり食欲をそそる状態ではないけれど、栽培して見たらこれが意外とサラダにできそうな薄さと柔らかさ。しかして味は苦い。サラダとして生食すれば、フキノトウ(蕗の薹)ほどではないにせよ、龍角散でも振りかけたような口いっぱいに広がり喉(のど)にも浸透する苦さである。体に良い薬草なのだと念じながら食べよ。天麩羅にするなど油で加熱すれば苦みは和らぐと思われる。
#アカミタンポポの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/24
セイヨウタンポポ同様に在来種であるカントウタンポポ(関東蒲公英)と雑種を作ってしまうらしい(浜口哲一・渡遁幹男・山口奈穂・芹沢俊介「神奈川県平塚市における雑種性帰化タンポポの分布」 - 「神奈川自然誌資料」第21号、2000)。※本頁では雑種を考慮せず、萼片が反って実が赤いものはすべてアカミタンポポとして掲載している。
アカミタンポポの花
花序はセイヨウタンポポよりはすこし小さめな傾向あり。セイヨウタンポポ同様、萼片(学術的には総苞外片と呼ばれるもの)は大きく反り返る。開花は春と秋が主。
#アカミタンポポ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/23
#アカミタンポポ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/30
#アカミタンポポの反った萼片 茅ヶ崎市浜之郷 2019/10/30
アカミタンポポの実
セイヨウタンポポ同様。但し、よくよく観察すれば種子(のように見える痩果)は赤みを帯びている点が最大の特徴。
アカミタンポポの未熟な実(中身が見えるよう一部を除去したもの) 鎌倉市・カトリック雪ノ下教会 2019/03/31
#アカミタンポポの種子 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/02
アカミタンポポの実 藤沢市・新林公園周辺 2019/04/18
アカミタンポポの実 藤沢市・新林公園周辺 2019/04/18
参考)セイヨウタンポポの(赤みがない)黄土色の実 茅ヶ崎市萩園 2019/10/30
カトリック雪ノ下教会、新林公園
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)