スズムシ

鈴虫 昆虫/バッタ目/コオロギ科 孵化/4月下旬~6月 成虫期(鳴く時期)/7月~10月初旬

在来種外来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「要注意種」

スズムシの雄 2017/09/02

スズムシの雄 2017/09/02

「リーン、リーン」と鳴く声が美しいいわゆる”秋の虫”の一種。コオロギ(蟋蟀)の仲間。夜行性。

やや湿った砂混じりの土ある場所を好む。神奈川県内では相模川流域に生息するというが、おそらくは、ススキ(芒)(葉が皮膚を切る)などの雑草が背丈2m程にまで生い茂りノイバラ(野茨)(棘が衣服を傷め皮膚に突き刺さる)まで混じって深い藪を形成しているような河原が住処(すみか)であるためふつう人はそんな場所には近付けず、自生のスズムシを観察することは不可能に近い。もし仮に鳴き声が聞こえたとしても、がさがさと草をかき分けて近づこうものならたちまち鳴くのをやめてしまい、もうスズムシがどこにいるのかなんてわからなくなってしまう。よって、私たちがふつう目にすることができるスズムシは、市販されているもの、ないし、誰かが飼育しているものに限られる。人家近くで鳴いているスズムシあらば誰かが放したものである可能性。

スズムシを飼うにあたっての注意点


スズムシは夜行性なので夜に鳴く。その音は意外と大きく、乳幼児がホイッスルでも吹いているかのよう。そして成虫になったら弱るまでの一ヶ月半の間、雄は毎晩毎晩、夕方から明け方まで(休憩を挟みながら)延々と鳴き続ける。正直、うるさい。”秋の風情”がどうたらとかいう悠長な話ではなく、うるさい。庭先で鳴いているコオロギの音量もたいがいなものだが、スズムシはコオロギよりも高い音色で鳴く(だからこそ美しいと評されるのだが)のでコオロギよりもよく響いて癇(かん)に障(さわ)る。庭先で風鈴がチリンチリン鳴っているだけでもちょっとうるさいな、不快だな、迷惑だなと感じるような人には、スズムシの飼育はとてもじゃないがお薦めできない。

スズムシの卵

スズムシの卵は白色で細長く、長さ3mmくらい。小さなタイ米のような姿をしている。

スズムシの卵(マットを攪拌したため地表に現れたもの) 2016/05/09

スズムシの卵(マットを攪拌したため地表に乱雑に現れたもの) 2016/05/09

卵は、気温が25℃を超えてくる新緑まぶしい時期に一斉に孵(かえ)る。暖かい室内置きであれば早い時期(4月頃)に、逆に北向きの涼しい屋外置きであればかなり遅れた時期となる。孵化(ふか)してからの寿命はおよそ4ヶ月なので、余り早い時期に孵してしまうと秋の気配を感じ始める9月に入る前にスズムシがもう弱り始めてしまう、なんていうことも。目安としては5月下旬ないし6月上旬に孵化できるように、卵は日の当たらない北向きの涼しい屋外に安置しておくとよいかもしれない。

スズムシの幼虫

卵から孵(かえ)ったばかりの幼虫は体が白く、頭から尻までの体長が3mm程、触角を含めれば10mm程である。小さなうちは生まれたてのゴキブリに、大きく育った幼虫はカマドウマ(便所コオロギ)に似ていないでもない。はじめ雌雄の判別はできないが、脱皮を繰り返し成虫となる頃には体形に違いも現れ、雌の尻には卵管が見られるようになる。幼虫のうちは鳴くこともないため飼い易い。翅(はね)がない、または極端に短いものは幼虫である。幼虫・成虫ともに、基本的には地面の上ではなく、垂直面(止まり木)にしがみついているのが好き。

スズムシは雑食。餌はキュウリ(胡瓜)やナス(茄子)を割り箸か何かに刺して与えるイメージが強いだろうが、生野菜は夏場はすぐに腐敗する(べろんべろんに溶けて、臭くなる)ので管理に面倒。”スズムシのエサ”として市販されている配合飼料の方が簡便でよい。小鳥用の”すり餌”に「ちびっこメダカのエサ」(キョーリン)を混ぜたものもよく食べる。水も与える。

スズムシの成虫

孵化後約二ヶ月で成虫になる。

スズムシの雄 2017/09/02

スズムシの雄 2017/09/02

スズムシの雌 2017/09/03

スズムシの雌 2017/09/03

スズムシの雌雄の見分け方 2017/09/02

スズムシの雌雄の見分け方 2017/09/02

翅(はね)を立てて広げ擦(こす)り合わせ、高音で「リーン、リーン」と鳴くのは雄のみ。澄んだきれいな鳴き声が聞けるのは一ヶ月半ちょっとである。尻に長い卵管が突き出る雌は鳴かない。

スズムシの雄 2017/09/02

スズムシの雄 2017/09/02

スズムシの雄 2017/09/02

スズムシの雄 2017/09/02

スズムシの雄 2017/09/03

スズムシの雄 2017/09/03

スズムシは人をあまり恐れず、コオロギのように人の気配を感じて一目散に逃げ出してしまうということはない。飛び跳ねることもあまりしないが、後足は強力なので大ジャンプは可能。触角はたいへん切れてしまいやすいので扱いには注意したい。触覚や脚が欠損しても成長には特に影響しないが容姿を損なう。

日没後、公園内の樹上からスズムシの声が?森の中からスズムシのけたたましい大合唱が?それにしても声が大きい、甲高い大音量が耳をつんざき頭痛さえ引き起こしそうだ、そんな不快な鳴き声あらば主は外来種アオマツムシ(青松虫)かもしれない。鎌倉の大仏坂切通から水道路沿いにかけて、アブラゼミ(油蝉)の大合唱に匹敵するほどの騒音が響いている。


横浜市栄区・本郷ふじやま公園(9月上旬にスズムシ無料進呈・事務所に申し出る)

茅ヶ崎市下町屋・小出川(国道1号線下町屋橋の上流左岸・親水護岸下)、大磯町・東の池

小田原市早川・かながわ西湘農業協同組合早川選果場

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