ヨモギ

蓬 キク目/キク科/ヨモギ属 旬/3月~5月 艾/6月~8月 花期/9月下旬~10月上旬

花粉症食用薬用自生種

ヨモギの葉 茅ヶ崎市東海岸南・湘南海岸砂防林 2018/06/04

ヨモギの葉 茅ヶ崎市東海岸南・湘南海岸砂防林 2018/06/04

どこにでも生えている多年草。カズザキヨモギ(数咲き蓬)という別名がある。草餅(蓬餅)などに使われ日本人にはたいへん馴染み深いヨモギであるが、じつは河川敷や道端など市街地周辺でもそこいらにいくらでも生えている紛れもないありきたりな雑草である。いかんせん現代ではどこもかしこも散歩犬の糞尿がひっかけられて汚染されているためとても利用する気にはなれたものではないけれど、消臭効果なども高く使い道は数知れない。

最低気温が氷点下程度になるとヨモギは枯れるが、その後また冬のうちにすぐ発葉する。食用にされるのは主に春などに見られる柔らかい葉。なお草刈り後はほぼ通年新しい葉がまた生え出てくる模様。

ヨモギの若葉 茅ヶ崎市東海岸南・国道134号線歩道 2019/02/26

ヨモギの若葉 茅ヶ崎市東海岸南・国道134号線歩道 2019/02/26

ヨモギの若葉 茅ヶ崎市西久保 2020/02/27

ヨモギの若葉 茅ヶ崎市西久保 2020/02/27

ヨモギの若葉 茅ヶ崎市西久保 2020/02/27

ヨモギの若葉 茅ヶ崎市西久保 2020/02/27

ヨモギの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/05/22

ヨモギの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/05/22

ヨモギの秋の若葉 茅ヶ崎市堤 2016/08/31

ヨモギの秋の若葉 茅ヶ崎市堤 2016/08/31

ヨモギの虫こぶ

虫こぶまたは虫癭(ちゅうえい)とは、植物に小さな虫の幼虫などが寄生することによってできる不思議なこぶ状の膨らみのこと。


ヨモギハシロケタマフシ

ヨモギの葉裏にできる白色の毛が玉状になる節、の意。雄ネコ(猫)を真後ろから見たときにぶらぶら見える一対のアレにそっくりでとってもかわいらしい。ヨモギシロケフシタマバエの幼虫が寄生している。

ヨモギハシロケタマフシ 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヨモギハシロケタマフシ 鎌倉中央公園 2017/11/16

さすがに見間違えないだろうとは思うが、念のため有毒なクサノオウ(草の王)の葉でないことは確認したい。ヨモギの葉は千切ってにおいを嗅いでみれば、お馴染みの独特の芳香を感じることができる。

ヨモギは真夏になると巨大化し、姿を一変させる。茎の最下部にヨモギらしい形状の葉が傷みながらも残ってはいるものの、茎上部の大多数の葉は切れ込みがまったく入らないヨモギらしからぬものである。巨大になって真夏を越して、花が咲く秋に向かってゆく。なおしっかり根を張るため、大きく成長したヨモギはちょっとやそっとでは引っこ抜けなくなるので要注意。

歩道に生えて巨大化した真夏のヨモギ 鎌倉市上町屋・江ノ電バス「町屋橋」バス停付近 2019/08/18

歩道に生えて巨大化した真夏のヨモギ 鎌倉市上町屋・江ノ電バス「町屋橋」バス停付近 2019/08/18

大きく成長したヨモギの茎上部の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/08/29

大きく成長した#ヨモギの茎上部の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2019/08/29

ヨモギの艾

夏本番到来前の大きく成長したヨモギの葉を完全に乾燥させる。それをすり鉢ですると細かく粉砕されて粉々になるが、繊維質の部分だけはしっかり残ってふわふわの綿状のものが採れる。それが艾(もぐさ)で、お灸に使われる。

艾の原料になる、ヨモギの葉裏に見られる白色のクモ毛 茅ヶ崎市西久保 2018/06/12

艾の原料になる、ヨモギの葉裏に見られる白色のクモ毛 茅ヶ崎市西久保 2018/06/12

艾の原料になる、ヨモギの葉裏に見られる白色のクモ毛 茅ヶ崎市東海岸南・湘南海岸砂防林 2018/06/04

艾の原料になる、ヨモギの葉裏に見られる白色のクモ毛 茅ヶ崎市東海岸南・湘南海岸砂防林 2018/06/04

試しに艾を手作りしてみたが、これがなかなかの面倒。すり鉢ですってヨモギの葉を粉にしそれを捨ててゆくと繊維質の艾だけが残るという手はずなのだが、ヨモギ粉が延々となくならない。ごりごりすっては粉を捨て、ごりごりすっては粉を捨て、一時間かけてようやく出来上がったのが粗悪な艾。漂白剤で白っぽく脱色してやろうかと企みたくなるほど、ヨモギ粉がいつまでも除去できなかった。現代人はミキサー等の文明の利器を活用すべし。粉だけを吹き飛ばせる網目の細かいネットも欲しい。

手作り粗悪艾

手作り粗悪艾

ヨモギの花

真夏になると主茎を異常に徒長させ、その先に花弁のない地味な花穂を付ける。自重に耐えられず傾きときに倒れ、花期は台風の時季に重なるため姿は荒れて汚くなっていることも多い。こうなるともうヨモギらしさを感じられない得体の知れない巨大な目障り雑草でしかない。道路沿いに生えていたヨモギは路肩に大きくはみ出し、自転車や原付バイクの通行を阻害していることも多々。

白い蕾が付いているヨモギ 横須賀市湘南鷹取 2019/09/17

白い蕾が付いているヨモギ 横須賀市湘南鷹取 2019/09/17

ヨモギ 箱根町・湖尻・箱根ビジターセンター 2017/09/09

ヨモギ 箱根町・湖尻・箱根ビジターセンター 2017/09/09

ヨモギ 箱根町・湖尻・箱根ビジターセンター 2017/09/09

ヨモギ 箱根町・湖尻・箱根ビジターセンター 2017/09/09

ヨモギ 箱根町・湖尻・箱根ビジターセンター 2017/09/09

ヨモギ 箱根町・湖尻・箱根ビジターセンター 2017/09/09

歩道にはみ出して繁るヨモギ 箱根町・湖尻・県道75号 2017/09/09

歩道にはみ出して繁るヨモギ 箱根町・湖尻・県道75号 2017/09/09

ヨモギ 鎌倉市七里ガ浜二丁目 2016/09/28

ヨモギ(金属フェンス上のやや白っぽい穂) 鎌倉市七里ガ浜二丁目 2016/09/28

ヨモギ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

ヨモギ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

茎上部の葉はヨモギらしい形状でないため、なおさらヨモギと気づかない。

ヨモギ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

ヨモギ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

ヨモギ 箱根町箱根 2016/10/04

ヨモギ 箱根町箱根 2016/10/04

ヨモギの実

花後には実ができるが、見た目でそれとわかるような物体はないので気づく人はなく、そのまま枯れてゆくだろう。道端でかさかさに枯れている目障りなだけの大型雑草がヨモギである。実を指先で揉んでみればヨモギらしい芳香がする。

ヨモギの実 茅ヶ崎市西久保 2019/01/10

ヨモギの実 茅ヶ崎市西久保 2019/01/10

ヨモギの実 茅ヶ崎市西久保 2019/01/10

ヨモギの実 茅ヶ崎市西久保 2019/01/10

ヨモギの実 茅ヶ崎市西久保 2019/01/10

ヨモギの実 茅ヶ崎市西久保 2019/01/10