蛸の足 ユキノシタ目/タコノアシ科/タコノアシ属 花期/8月~9月 結実期/10月中旬~下旬
学名/Penthorum chinense Pursh
自生種稀少保護
環境省レッドリスト2018「準絶滅危惧(NT)」
タコノアシ 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27
湿地に生える多年草。草丈は生育環境にもよるが1m程度。湘南・鎌倉・三浦半島では湿地そのものが少なくなっているためタコノアシもどこででも見られるというわけではなくなっているものの、自生地ではそれなりの数が確認でき、絶滅間近の切羽詰まった危機的状況というほどではないか。とはいえ、役所管理の施設や公園内では「植物を大切にしましょう」などと看板を立てておきながら平然と刈払ってしまうことがあることには毎度興醒めするばかりである。
タコノアシ、紫花はツルマメ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/09/12
タコノアシ 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27
タコノアシ 鎌倉広町緑地 2017/09/11
#タコノアシ 横浜市戸塚区・舞岡公園 2020/11/14
葉は主脈がくっきり白くてキョウチクトウ(夾竹桃)やチョウジソウ(丁字草)のように細長いものに細かい鋸歯がある。
タコノアシの葉 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/09/12
タコノアシの花
花序は、先端から、垂れ下がっている蕾、咲いている花、咲き終わった花、実、の順。咲いては実ができ、咲いては実ができ、実の数が増えてゆくことによってタコの足がどんどん長いものになってゆく。
タコノアシ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/09/12
小花は、外側から、緑色の萼片、黄色い葯(やく)を突き出した雄蕊、白色の雌蕊、の順。花弁のように感じられないでもない白いものは雌蕊。
タコノアシ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/09/12
タコノアシ 茅ヶ崎市・清水谷 2017/08/27
タコノアシ 鎌倉広町緑地 2017/09/11
花弁はふつうはないが、ときに白色のものが出現するようだ。
タコノアシの花弁(白色矢印) 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/09/12
タコノアシの実
初秋に、熟しかけた実が赤色に染まってまるで茹でダコの足のような姿になる。それがタコノアシという名前の由来。残念ながら湘南・鎌倉・三浦半島ではあまりきれいな赤色を見かけず、気づくと茶色っぽく(赤茶色に)枯れたようになっていることが多い。せっかく実ができていても、晩夏に行われる無選別な刈払いや台風などの被害にも遭って、きれいな茹でダコ姿を楽しめる機会はさほどないかもしれない。10月中旬(の早め)が見頃か。
赤く染まったタコノアシの実 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/10/16
赤く染まった#タコノアシの実 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18
赤く染まった#タコノアシの実 横浜市戸塚区・舞岡公園 2018/10/18
タコノアシの完熟した実 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/10/16
実の各突起部が蓋。これがぽろっと外れると種子が露出しこぼれ落ちる。
#タコノアシの完熟した実と種子 東京都調布市・神代植物公園 2018/11/10
横浜市戸塚区・#舞岡公園(小谷戸の里)、横浜下戸塚区・境川遊水地公園(俣野遊水地せせらぎ水路)
横須賀市太田和五丁目・小田和川親水施設(1群のみ、種子熟す前に他の雑草共々刈払われてしまう)、#観音崎公園(水の広場、滅失)、鎌倉広町緑地(御所谷入口湿地の二区画目)、引地川親水公園大庭遊水地(木道沿いに多数、通路確保のために刈払われることがある、浸水害後は泥まみれ)、清水谷(湿地の田んぼ近くに少々)
芦名堰(フェンスあり近くで見れない、水質悪し)、#鵠沼蓮池(鵠沼高校(元鵠沼女子高)所有第一蓮池=東側 ※平成25年(2013)なし)