スズメノテッポウ

雀の鉄砲 イネ目/イネ科/スズメノテッポウ属 花期/3月下旬~4月
学名/Alopecurus aequalis Sobol. var. amurensis (Kom.) Ohwi

自生種

田起こし前の田んぼに大群生したスズメノテッポウ 寒川町田端 2020/04/11

田起こし前の田んぼに大群生したスズメノテッポウ 寒川町田端 2020/04/11

やや湿った場所に生える一年草(越年草)。名前のスズメは”小さい”ことを表し、鉄砲は花穂(かすい)の形状から。より大型な近似種にカラスノテッポウ(烏の鉄砲)なるものがある、かと思えばない。カラスノテッポウはカラスビシャク(烏柄杓)の異名。別名スズメノヤリ(雀の槍)、ヤリクサ(槍草)、スズメノマクラ(雀の枕)も花穂の形状から。基本的には、ソメイヨシノ(染井吉野)の見頃がピークを迎えているあたりの時期の、水が引き入れられていない(田起こしもまだされていない)田んぼに雑草として大量に生える。田んぼさえあらば、ありきたりのどうということのないうじゃうじゃ生えてくる水田雑草である。よく群生する。草丈は人の脛(すね)くらい。なお湘南・鎌倉・三浦半島では三月から田起こしをする田んぼが多いので、スズメノテッポウがきれいに群生しているところは少ないかも。

田起こし前の田んぼに大群生したスズメノテッポウ 茅ヶ崎市行谷 2019/04/03

田起こし前の田んぼに大群生したスズメノテッポウ 茅ヶ崎市行谷 2019/04/03

田起こし前の田んぼに大群生したスズメノテッポウ、後方は大山 寒川町田端 2020/04/11

田起こし前の田んぼに大群生したスズメノテッポウ、後方は大山 寒川町田端 2020/04/11

湿地周辺に生えたスズメノテッポウ 鎌倉広町緑地 2017/04/25

湿地周辺に生えたスズメノテッポウ 鎌倉広町緑地 2017/04/25

やや乾き気味な畑などに生える小型なものをノハラスズメノテッポウ(野原雀の鉄砲)と呼び分けることがある。

スズメノテッポウの花

茎から連続する直立した花穂から、雄蕊と雌蕊がにょろっと飛び出てきている姿になる。雄蕊の葯(やく)ははじめ白色、(おそらく花粉放出後に)褐色に変わる。

スズメノテッポウ 寒川町田端・田んぼ 2020/04/11

スズメノテッポウ 寒川町田端・田んぼ 2020/04/11

スズメノテッポウ 茅ヶ崎市行谷 2019/04/03

スズメノテッポウ 茅ヶ崎市行谷 2019/04/03

スズメノテッポウ 茅ヶ崎市行谷 2019/04/03

スズメノテッポウ 茅ヶ崎市行谷 2019/04/03

葯が茶色っぽく変色しないものあらばセトガヤ(瀬戸茅)である可能性。

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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セトガヤ