蘇鉄 ソテツ目/ソテツ科/ソテツ属 花期/6月~8月 結実期/12月
学名/Cycas revoluta Thunb.
有毒
#ソテツの雌花 逗子市・大崎公園 2017/07/27
常緑低木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。どう考えても熱帯原産の観葉植物といった、外来種にしか思えない見てくれをしているが、しかしじつは日本国内にだけ生えている在来種。つまり日本固有種。九州の最南端の海沿い辺りに分布があるらしい。神奈川県内には自生はないが、寺境内や公園によく植栽されているので見かける機会はたいへん多い。自然界への逸出はない模様。イチョウ(公孫樹)と共に針葉樹に分類されることがある(異論あり)。
#ソテツ 鎌倉市・薬王寺 2021/11/20
源頼朝が植えたという#ソテツ 横須賀市・東叶神社 2017/12/05
源頼朝が植えたという#ソテツ 横須賀市・東叶神社 2017/12/05
#ソテツ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08
#ソテツ 鎌倉市・薬王寺 2021/11/20
#ソテツ 鎌倉市・旧安保小児科医院 2024/01/17
近年クロマダラソテツシジミ(黒斑蘇鉄小灰蝶)という外来のシジミチョウによる芽や若葉の食害が報告されるようになってきた。
ソテツの花
ジュラ紀、という感じの怪しい造形物が花。雄花序は細長く直立し、雌花序は丸っこい。
#ソテツの雄花 逗子市・大崎公園 2017/07/27
雄花序は縦長の松ぼっくりのよう。各突起の裏側(下側)にある小さなぶつぶつが葯(やく)で、花粉はここにあり。
#ソテツの雄花 逗子市・大崎公園 2017/07/27
#ソテツの雌花 逗子市・大崎公園 2017/07/27
雌花は火炎形。各付け根に丸っこい胚珠(はいしゅ)があり、これが花粉を受け取ると種子になる。この胚珠が子房に包まれておらず露出しているので裸子植物に分類される。
#ソテツの雌花 逗子市・大崎公園 2017/07/27
原始的な植物であるコケ(苔)やシダ(羊歯)が精子を作ることは知られていたが、より進化した植物である種子植物(のうちの裸子植物)でも精子が発見された。明治29年(1896)平瀬作五郎がイチョウから、同年、池野成一郎がソテツでも精子が作られることを、世界で初めて(後進の)日本の植物学者が発見する快挙となった。イチョウやソテツが原始的な植物だと言われる所以(ゆえん)はこれにある。
研究に使われたソテツは鹿児島県立博物館の敷地内に現存しており、「世界で初めて精子が発見されたソテツ」として鹿児島県指定天然記念物になっている。小石川植物園(東京都文京区)にその分株あり。
ソテツの実
火炎形雌花の付け根にオレンジ色に膨らんだものあり、これがソテツの(剝き出しの)種子である。
#ソテツの種子 横須賀市・東叶神社 2017/12/05
#ソテツの種子 逗子市 2017/01/07
東京都文京区・#小石川植物園(鹿児島県指定天然記念物「世界で初めて精子が発見されたソテツ」の分株、精子発見のイチョウも)、横浜市金沢区・#龍華寺(市指定古木名木)
横須賀市東浦賀・#叶神社(東叶神社、社殿前に雌株、源家再興の折に源頼朝が伊豆から移植したという)、鎌倉市大町・#妙法寺(伝日叡上人お手植え、鎌倉ではこれを日本最古のソテツと呼ぶ声がある)、薬王寺
三浦市下宮田・#延寿寺、#大崎公園(雌雄)、#光明寺(総門外に雌株)、#鎌倉海浜公園由比ガ浜地区、鎌倉市腰越・#浄泉寺