オナモミ

葈耳 キク目/キク科/オナモミ属 花期/7月中旬~9月 結実期/8月~10月

自生種稀少保護

環境省レッドリスト2018「絶滅危惧II類(VU)」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」

オナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

オナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

中国あたりだろうかアジア大陸原産という一年草。古い時代に日本へ定着したとされ、日本在来種の扱いになる。雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。外来の巨大雑草であるオオオナモミ(大葈耳)イガオナモミ(毬葈耳)に駆逐され、全国的に絶滅目前。両者は花期が遅く、8月上旬に咲いているのはオナモミのみ。神奈川県内では三浦半島のごく限られた場所にだけかろうじて分布が残っているとされる。

横須賀市の天神島臨海自然教育園では十年ほど前まではふつうに成長し群生していたと聞くが、近年極めて生育不良。平成27年(2015)波かぶり滅失。平成28年(2016)背丈30cm程度のひ弱な三本のみ確認(そのうち一本は枯死)。平成29年(2017)8月上旬に二本順調に生育も8月下旬枯死確認。劣勢になった時期は、地球温暖化が揺るぎない問題となり十年に一度の猛烈な台風が毎年のようにやって来るようになった時期とぴったり重なる。台風襲来が大潮の満潮と重なればオナモミが海水に浸かってしまうこともあったといい、致命的な影響が及んだか。平成28年(2016)例から鑑みれば、気温が連日35℃程度になるような猛暑日にも耐えられない性質とかなのではないか。
同園は”オナモミが生えれば、摘み取られないよう保護はする”程度の消極的なスタンスで、人為的な栽培や、神奈川県立自然環境保全センター(厚木市七沢)などへの移植等は一切行っていないという。このままの勢いならば、五年と待つことなく絶滅してしまいそう。
毘沙門海岸や城ヶ島にも分布するはずだが、イガオナモミの楽園となっておりオナモミは見つけられなかった。

オナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

オナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

葉の形状はオオオナモミに似る。

オナモミの葉 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

オナモミの葉 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

オナモミの花

オナモミの仲間の花は雌雄共に花弁はなく色も緑色で目立たない。雄花は、茎頂部などで柄の先に付くぼんぼんのような姿のもの。雌花は葉柄(ようへい)に付き、実の卵のような姿をしている。角(つの)状の突起のあたりに白っぽい雌蕊がにょろっと出る。

オナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

オナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

オナモミの雄花 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

オナモミの雄花 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2017/08/04

オナモミの実

実の地肌には細かい産毛があり、多数ある棘(とげ)は短め。二本の角(つの)に見える部分も短く、内を向く。

虚弱にしか育たなかったオナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2016/09/17

虚弱にしか育たなかったオナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2016/09/17

虚弱にしか育たなかったオナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2016/09/17

虚弱にしか育たなかったオナモミ 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2016/09/17

オナモミの実 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2016/09/17

オナモミの実 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2016/09/17

オナモミの枯れてしまった実 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2016/09/17

オナモミの枯れてしまった実 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2016/09/17


東京都小平市・東京都薬用植物園

天神島臨海自然教育園

毘沙門海岸、城ヶ島

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『オナモミ』へのコメント

  1. ヒキノカサ 投稿日:2017/09/28(木) 09:14:50 ID:a673c8f6b 返信

    はじめまして。

    素人の考えなのですが、
    天神島のオナモミの生育不良は、写真に写っている
    アワダチソウグンバイの害も原因の一つではないかと思います。

    他のサイト様にある2005~2011の天神島のオナモミの画像では、
    アワダチソウグンバイは見られなかったのですが、
    2016の株はかなり被害が目立ってると思うのですがどうでしょうか?

    • mirusiru.jp 投稿日:2017/09/28(木) 14:24:16 ID:1e77a7809 返信

      ヒキノカサさん、こんにちは。

      病害虫に関しては殊更弱い分野なのですが、「写真に写っているアワダチソウグンバイの害」というのは、”葉の表面がほぼ全体にわたって黄色い斑状に変色している様子”と理解してよろしいでしょうか。
      確かに、平成28年(2016)のオナモミの葉は病気なのか害虫なのか枯死寸前で弱っているのか原因はわかりかねますが明らかに傷んでいる状態でした。
      あまりにも弱っていたので触るのを躊躇してしまったのですが、確かに”葉裏に害虫が付着している”かどうかもっとよく確認すればよかったですね。
      葉裏の様子は不明、当時の写真を見返しましたが害虫らしき虫の姿も私の目(なかなかの節穴です)では確認できず、です。
      来年はもう少し早い時期から訪れてまじまじ観察してみようと思います。

      • ヒキノカサ 投稿日:2017/09/29(金) 06:23:27 ID:e7f3380ab 返信

        返信ありがとうございます。

        見返してみましたが、この記事の1枚目の写真の一番左の葉に2匹と、
        二枚目の写真の右側の葉の上下ともに一匹ずつ写っていました。

        こちらの地域では、ヒマワリ、アキノキリンソウ、セイタカアワダチソウ、オオオナモミ、
        ヨモギ、カワラヨモギ、オトコヨモギ、エゾタンポポなどに発生してるのが確認でき、
        特にヒマワリ、アキノキリンソウでの被害が著しく
        ヒマワリは開花期に枯死、アキノキリンソウは開花期にすべての葉が黄変しています。
        (オオオナモミはそこまでの被害ではない。)

        高温で乾燥すると発生しやすいとのことで、
        2016年に、大発生したものと思われます。

        侵入害虫で近年日本に侵入したので、まだ天敵がおらず
        大繁殖してる模様です。

        ただでさえ、オオオナモミ、イガオナモミに駆逐され、絶滅が心配されてる中、
        新たな害虫で致命的な被害を受けるとすれば、
        せめて、人の目が届くところでは、積極的な保護をしてほしいものですね。

        • mirusiru.jp 投稿日:2017/09/29(金) 23:01:19 ID:a7a0ceaee 返信

          確かに、平成29年(2017)の写真にはソレっぽいものが写ってますね!
          なーるほど、葉っぱの色が微妙に黄色っぽくなっている理由がよくわかりました。

          アワダチソウグンバイは、何匹でオナモミ一株を弱らせてしまうのでしょうね。
          天神島ではかつてはオナモミが現代のイガオナモミのごとく元気に群生していたというので、それをほぼ全滅させてしまうだけの威力が(仮に大発生したにせよ)アワダチソウグンバイにあったのかどうなのかは、ちょっと気になるところですね。
          見慣れない妙な虫が大量に発生していればさすがに管理者の方々(草むしり等をされている実務の方々)が気付くはずでしょうし。
          アワダチソウグンバイが付着した(他の)オナオミ類の経過観察をしてみるのもおもしろそうです。

          とりあえず、来年は害虫観察共々、ベニカXファインスプレーでも持参してこっそり駆除を試みてみましょう。
          機会があれば元締めである横須賀市自然・人文博物館の学芸員さんにも本件についてちょっとお話しできればと思います。
          天神島臨海自然教育園の方はオナモミなんかにはまったく興味なさそうなご様子でしたので、(以下自主規制

          貴重な情報をありがとうございました。