陸鹿尾菜 ナデシコ目/ヒユ科/オカヒジキ属 旬/5月中旬~7月 花期/7月下旬~8月 結実期/10月
学名/Salsola komarovii Iljin.
食用自生種稀少保護
オカヒジキの葉 藤沢市辻堂東海岸 2018/07/17
海の砂浜に生える海浜植物で一年草。オカは陸地のこと。名は、陸上に生えている、海藻のヒジキにそっくりなもの、の意。ヒジキは茶色(鉄釜で煮込んではじめて黒く変色する)、オカヒジキは緑色という違いがあるが確かに見た感じはよく似ている。湘南・鎌倉・三浦半島では数を激減させており、また一年草なので生えてくる場所が定まらないこともあって、なかなかお目にはかかれない。食べられるからといって自分勝手に採取してはいけない。
オカヒジキ 横須賀市・観音崎海水浴場 2022/06/13
オカヒジキ 藤沢市辻堂東海岸 2018/07/17
オカヒジキ 藤沢市辻堂西海岸 2018/07/17
オカヒジキ 藤沢市辻堂東海岸 2018/09/24
葉はやや細身な多肉植物といった感じ。”若い葉や茎が食用になる”のは確かだが、スーパーマーケットで野菜として市販されているオカヒジキと野良に生えているオカヒジキはまったく雰囲気が異なるものではある。市販のオカヒジキはひょろひょろしなしなよーれよれ。そんな軟弱なものが海からの強風に晒され続ける砂浜に生えているはずもない。自生のオカヒジキはもっとがっちりした姿である。なお食べておいしいのはよれよれな市販品の方。お好みでさっと1分半程度茹でてから、サラダに、おひたしに、味噌汁に、しゃきしゃきした食感が楽しい。風味に癖はないので好き嫌いなく食べられるだろう。がっちりした姿のものはマツ(松)を噛むようで、硬くて食べられたものでない。
オカヒジキの若葉 藤沢市鵠沼海岸 2018/07/17
オカヒジキの若葉 藤沢市鵠沼海岸 2018/07/17
市販の#オカヒジキ(千葉県・寺島農場「若芽ひじき」、実売価格1パック100円~150円)
市販の#オカヒジキ(千葉県・寺島農場「若芽ひじき」)
オカヒジキの葉 藤沢市辻堂東海岸 2018/07/17
オカヒジキの葉 藤沢市辻堂東海岸 2018/07/17
ちなみに、オカノリ(陸海苔)、オカワカメ(陸若布)、という植物も実在する。オカコンブ(陸昆布)やオカモズク(陸藻付)などと呼ばれるものはまだないようである。
参考)市販の#オカワカメの葉 2021/08/05
ハママツナ(浜松菜)と混同注意。
オカヒジキの花
茎先端に近いところの葉腋(ようえき)に咲く。雄蕊の黄色っぽい葯(やく)らしきものが五個確認できれば花が咲いている状態。花が小さすぎてそれ以上は見えない。
オカヒジキ 藤沢市辻堂西海岸 2018/07/17
オカヒジキの花(矢印) 藤沢市辻堂西海岸 2018/07/17
オカヒジキの花と若い実 藤沢市辻堂西海岸 2018/07/17
オカヒジキの実
葉腋に薄緑色の花みたいのがあったらそれが実。花被片が種子を覆っている。
オカヒジキの未熟な実 横須賀市・観音崎海水浴場 2022/06/13
オカヒジキの未熟な実 横須賀市・観音崎海水浴場 2022/06/13
オカヒジキの未熟な実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04
観音崎海水浴場
藤沢市鵠沼海岸、藤沢市辻堂東海岸、藤沢市辻堂西海岸、神奈川県藤沢土木事務所汐見台庁舎海浜自然生態園(とっくの昔に滅失)