沼蔓菊 キク目/キク科/ヌマツルギク属 花期/6月~12月上旬
学名/Acmella oppositifolia (Lam.) R.K.Jansen
外来種駆除稀少
ヌマツルギク 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
沼地を好む北米原産の多年草。侵略的外来種。茎が地面を這い、方々で発根して群落を作る性質がある。蔓植物ではない。日本国内では昭和35年(1960)に福岡県で発見されたのが最初。浅い水中から、べちゃべちゃした湿地、その近辺の陸上に旺盛に繁茂する。ざくざく草刈りをして完璧な後片付けをしないと、切断された茎から発根をしてむしろ増えてしまうらしい。ひとたび田んぼや河川に侵入してしまうと、まるでシマツユクサ(島露草)のようなえげつない迷惑雑草として猛威を振るうことだろう。幸いなことに神奈川県内の野良には定着していないようで、侵略的外来種として問題視する状況にはない。事実上、観音崎公園の特産品。草丈は人の脛(すね、30cm)から膝(ひざ、50cm)くらいなので、現代の民家の狭い庭で栽培するのにちょうど良さそうと感じてしまうサイズ感である。が、生息地を失いつつあり絶滅の危機に瀕している在来の湿生植物にとっては甚大な脅威となるので、こんなものは栽培してはいけない。
浅い池に生えたヌマツルギク 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
陸上に雑草として生えたヌマツルギク 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
ヌマツルギクの葉 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
ヌマツルギクの花
花径1cm余りの、小振りなキク科ならではの頭状花序(とうじょうかじょ)。花色は濃いめの黄色。大きな花ではないが存在感があり、小さくてかわいらしい花。花弁(のように見える舌状花)はやや小さめでちょっとまばらなので、ぱっと見はコバノセンダングサ(小葉の栴檀草)っぽい形状と大きさをしている。筒状花がこんもり盛り上がっているので、ルドベキアやエキナセアの仲間かしらと疑われるかもしれない。
陸上に生えたヌマツルギク 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
浅い池に生えたヌマツルギク 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
ヌマツルギクの総苞 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
花は、株数が増え大きく成長もした秋の方が見応えあるだろう。
観音崎公園(ビオトープ、花の広場とうみの子とりでの間の池)
くりはま花の国?
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
「水田の新帰化雑草ヌマツルギクの生態と防除」 福岡県農林業総合試験場発行(2000)
12月22日に見てきましたが、少し遅かったようで、傷んだ花が多かったけれど、前回見たときより株数が多くなり見ごたえがありました。