ノハナショウブ

野花菖蒲 クサスギカズラ目/アヤメ科/アヤメ属 花期/6月上旬、(箱根)6月~7月上旬
学名/Iris ensata Thunb. var. spontanea (Makino) Nakai ex Makino & Nemoto

稀少

神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IB類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」

ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

#ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

日当たりの良い湿地や湿原に生える多年草。ハナショウブと呼ばれ広く世間に知られているものはすべて園芸品種で、その原種がノハナショウブ。日本在来の野生種である。命名は植物学者牧野富太郎博士。学名が付けられたのはハナショウブが先のようでそちらが基本種(基変種)の扱い。学名としては”ノハナショウブはハナショウブの変種”というおかしな位置付けになってしまっている。神奈川県内では、多摩丘陵と丹沢・箱根に細々と自生地が残っているくらい。宮ヶ瀬周辺のものは絶滅したとかどうとか、多摩丘陵のは絶滅寸前とかいう話あり。湘南・鎌倉・三浦半島に自生なし。公園などにあるしょうぶ園の一角に植えられていても良さそうなものだが、植栽されることはまずない。希少すぎるせいというより、園芸の観点から価値をまったく見出されていない、興味関心を持たれていない。世間一般の知名度が絶望的に低い。園芸店などで山野草や水草として売られていることあるも希。箱根町の国指定天然記念物「箱根仙石原湿原植物群落」(-せんごくはら-)はそもそもノハナショウブの群生地として保護されたもので、観察は隣接地の水田跡地にその復元区が設けられている箱根湿生花園、一択。

湿地に群生するノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/17

湿地に群生する#ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/17

湿地に群生するノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

湿地に群生する#ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

ノハナショウブ(背景は台ヶ岳) 箱根湿生花園 2023/06/10

#ノハナショウブ(背景は台ヶ岳) 箱根湿生花園 2023/06/10

仙石原湿原植生復元区にまばらに多いノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/17

仙石原湿原植生復元区にまばらに多い#ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/17

ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

#ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

葉は主脈(中肋)が一本くっきり隆起して目立つのが、ノハナショウブとハナショウブの大きな特徴。

ノハナショウブの葉 横浜市南区・こども植物園 2021/06/12

#ノハナショウブの葉 横浜市南区・こども植物園 2021/06/12

ノハナショウブの花

見慣れているハナショウブの花に比べれば一回り小さくて端正。観賞用に改良されてきた主張の強い大振りで派手派手なハナショウブに比べれば一般的には見劣りするという評価。ハナショウブ同様、花弁(外花被片)基部の蜜標(みつひょう)は黄色い条(すじ)状。なお白色の条だったらカキツバタ(杜若)、虎柄を思わせる綾目(あやめ)模様ならばアヤメ(文目)である。花の大きさ、花色など、変異あり。似たような風体(ふうてい)のハナショウブもあるため、”これはノハナショウブである”との案内板でも立っていない限りは見分けがつくまい。

ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

#ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

#ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/10

ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/17

#ノハナショウブ 箱根湿生花園 2023/06/17

ノハナショウブの黄色い蜜標 箱根湿生花園 2023/06/10

#ノハナショウブの黄色い蜜標 箱根湿生花園 2023/06/10

花色は紫ないし赤紫。

ノハナショウブ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/06/09

#ノハナショウブ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/06/09

ノハナショウブ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/05

#ノハナショウブ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/06/05

ノハナショウブの方がハナショウブよりやや早咲き。一つの花は三日と持たずしぼんでしまうので、株数多いところでないときれいに咲いている花にはなかなかうまいこと巡り会えないので注意。


東京都文京区・#小石川植物園(分類標本園)、東京都多摩市連光寺・桜ヶ丘公園、東京都日野市・黒川清流公園、川崎市麻生区はるひ野・黒川よこみね特別緑地保全地区(周辺地域開発の際に移植されたものとか、黒川よこみね緑地=解放(イヌタヌキモも)、黒川谷ツ公園=月に三日ないし四日限定で解放)、横浜市南区・#こども植物園(事務所向い湿生植物の池に鉢植え)、横浜市戸塚区・#俣野園(池東側)

#横須賀しょうぶ園(6月上旬に「衣笠しょうぶ祭」として民謡流し踊りなどの出し物開催=当日のみ入園無料・駐車有料)、#フラワーセンター大船植物園(ハナショウブ園(開花時期でさえ水を切らして土は干からびている)に2地点=名札あり、少数・1地点は滅失か、和風庭園にノハナショウブの名札あり=滅失か、令和4年(2022)水切らし過ぎてとうとう全滅か)、#氷室椿庭園(「野花菖蒲」との札は付いている

山北町・三国峠~高指山(たかさすやま)周辺、#箱根湿生花園(④ヌマガヤ草原区、⑥高層湿原区、⑦仙石原湿原区、仙石原湿原植生復元区、多い、青紫花は仙石原産・赤紫花は他所からの植栽らしい、主に6月中旬、カキツバタ・アヤメも)、仙石原湿原(国指定天然記念物「箱根仙石原湿原植物群落」、立入禁止、シカ・イノシシ除けの電気柵に注意)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

『増補版 牧野 日本植物図鑑』 牧野富太郎著 北隆館発行(1956)

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