南天 キンポウゲ目/メギ科/ナンテン属 花期/6月~7月上旬 結実期/11月~12月上旬 紅葉/12月~2月
学名/Nandina domestica Thunb.
有毒薬用
#ナンテンの実 箱根町・箱根登山鉄道「塔ノ沢」駅道 2014/11/27
園芸栽培される、中国原産の常緑低木。風景に色味がなくなる冬に赤い実をたくさん付けるため庭木に好まれる。ナンテンを”難が転じる”に掛けて縁起のよい正月飾りに。鬼門の方角(北東)には棘(とげ)のあるヒイラギ(柊)を、裏鬼門(南西)にはナンテンを植えると鬼除けに効果あるとかいうが、そこまで厳密に方角を考えて植えられている気配はないか。フクジュソウ(福寿草)と合わせて栽培すればおめでたい。
#ナンテンの葉 藤沢市・長久保公園 2020/06/09
#ナンテンの葉 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29
精力旺盛でよく育ち、いずれは樹高が2mを超えて民家の手狭な庭では手に負えなくなるので要注意。二十年以上ほったらかせば4mくらいになることも。背が高くなり過ぎたら容赦なく根本のところで切ってしまえば、また新しい芽が出てきてすくすく育つだろう。いや、地下茎も伸ばして増えるため切らずとも既に次々とあちこちから芽が出ているはずである。ナンテンは困惑させられるレベルで増えて増えて仕方ない。なお根っこは幹よりもがっちり太くてかなり硬いため、抜根(ばっこん)するにも難点あり。縁起物だから、赤い実が可愛いから、という安易な理由でナンテンを植えるのは一旦再考されたし。背高によく茂るため、(トイレなどの)窓の目隠しにはうってつけ。
ヒイラギナンテン(柊南天)、ナンテンギリ(南天桐)、ナンテンハギ(南天萩)は別種。
ナンテンの花
花軸(かじく)が円錐状(えんすい-)に伸び白い小花を咲かせる。
#ナンテン 藤沢市・長久保公園 2020/06/09
#ナンテン 鎌倉市・大巧寺 2017/06/14
#ナンテン 鎌倉市・大巧寺 2017/06/14
#ナンテン 鎌倉市・大巧寺 2017/06/14
#ナンテン 横須賀市追浜東町・観音寺前 2017/06/09
#ナンテン 横須賀市追浜東町・観音寺前 2017/06/09
雌蕊先端の柱頭はうっすら赤紫色に染まる。
#ナンテン 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/10
シロミナンテン(白実南天)の柱頭は赤っぽくならないように思われる。
#ナンテン(シロミナンテン) 鎌倉市・青蓮寺 2023/06/07
ナンテンの実
赤い実を神楽鈴(かぐらすず)のように房状に付ける。すべての小花が結実するわけではないため実はややまばらに付くが、加えて鳥に啄(ついば)まれてしまうことも多いようだ。マンリョウ(万両)などに比べて実がなくなるのがやや早い。
#ナンテンの実 箱根町・箱根登山鉄道「塔ノ沢」駅道 2014/11/27
#ナンテンの実 藤沢市・長久保公園 2020/11/26
実は真ん丸で、花柱痕の黒ぽちが棘(とげ)のように尖って残る。
#ナンテンの実 藤沢市・長久保公園 2020/11/26
実が白い園芸品種をシロミナンテンと呼び分けることがある。白実といっても黄ばんだ白(薄い黄色)であって、純白ではない。
#ナンテン(シロミナンテン)の実 鎌倉市・青蓮寺 2023/01/11
ナンテンの実から抽出された成分が喉に効くものとして、常盤薬品が第3類医薬品「南天のど飴」として商品化している。
平成29年(2017)1月、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が気管を拡張し咳(せき)を鎮める働きがある(ナンテン由来の)ヒゲナミンを禁止物質に指定。アスリートは「南天のど飴」を舐めただけでドーピング違反になってしまうようになったと話題になった。
ナンテンの紅葉
寒さが本格的になってくると紅葉する。赤銅色(しゃくどういろ)といった、渋い大人の色に染まって美しい。
#ナンテンの紅葉 厚木市・荻野運動公園野草園 2017/02/18
#ナンテンの紅葉 鎌倉宮 2017/01/15
#ナンテンの紅葉 鎌倉宮 2017/01/15
#ナンテンの紅葉 横浜市戸塚区・俣野園 2017/02/13
#ナンテンの紅葉 横浜市戸塚区・俣野園 2017/02/13
#ナンテンの紅葉 茅ヶ崎市西久保 2022/02/09
ナンテンの矮性(わいせい)園芸品種がオタフクナンテン(お多福南天)として流通している。
#鎌倉宮、#荏柄天神社(社頭)、#青蓮寺(弘法大師像後ろに白実)、鎌倉市大船・#常楽寺