福寿草 キンポウゲ目/キンポウゲ科/フクジュソウ属 花期/2月
学名/Adonis ramosa Franch.
有毒改良種
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧II類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧II類」
#フクジュソウ 鎌倉市・長谷寺 2018/02/06 11:53
何もない地面から突然花が顔を出す多年草。花が開くとじきに茎も伸び、もしゃもしゃと葉が繁ってくる。花期早めでは花しかないので見方によってはちょっと寂しげ、遅めでは徒長(とちょう)し葉が多すぎて今度は乱雑な印象、あるいは咲き終わってしおれた花が混じってきてしまう。花は一ヶ月間ほど咲き続けてはくれるものの、好みの姿を維持してくれている期間はあまり長くない。雨が降れば泥跳ねで少し汚れてしまうので、花見は晴れ間が続いているうちに。旧暦の元日(旧正月、現在の1月末~2月上旬)あたりを見計らって咲き始めることから、別名ガンジツソウ(元日草)。新年を祝うのにちょうどよいおめでたい花である。※本頁では、特記ない限り園芸種も含めて(広義の)フクジュソウとして掲載する。
#フクジュソウ(原種) 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/02/08 13:05
フクジュソウの種類
フクジュソウは一般には十把一絡げ(じっぱひとからげ)にしてフクジュソウと呼ぶのが当たり前ながら、じつは平成(1989-)に入ってから四種に細分化された。
なおその四種以外に、人為的に品種改良された園芸種が存在する。
キタミフクジュソウ(北見福寿草)
北海道の東部にのみ分布。
茎一本に花が一つだけぽつりと咲くのが最大の特徴。(他種は一つから多数の花を咲かせる。)
葉裏に毛が目立つ。
フクジュソウ
狭義のフクジュソウ。北海道から本州、四国に分布。
萼片の長さが花弁とほぼ同じ(またはやや短い)。
葉裏は無毛に近い。
茎は中実。
#フクジュソウの長い萼 相模原市緑区鳥屋 2018/03/14
ミチノクフクジュソウ(陸奥福寿草)
名前に反して東北地方のみならず本州から九州にかけて分布。
萼片の長さが花弁の三分の二から半分程度しかないのが大きな特徴。
葉裏は無毛に近い。
茎は中空。
#ミチノクフクジュソウの短い萼 東京都調布市・神代植物公園 2020/02/08
シコクフクジュソウ(四国福寿草)
四国と九州の宮崎県に分布。
萼片の長さが花弁とほぼ同じ(またはやや短い)。
葉裏は無毛。
フクジュカイ(福寿海)
フクジュソウとミチノクフクジュソウを交配させたという園芸種。花が大輪でたくさん咲く、という園芸種の王道を行くため広く流通。
種子ができない。
神奈川県内のホームセンターなどで市販されているもの、公園の花壇や鎌倉の寺境内で栽培されているものは、おそらくフクジュカイや同様の園芸品種ではないか。自生地から持ってきたフクジュソウもあるかしれないが、種子ができるのかどうかという点まで追いかけなければどちらなのか判別できない。※本頁にいうフクジュソウは特筆ない限り、全部ひっくるめての広義のフクジュソウである。
神奈川県内では相模原市内にフクジュソウの自生地が残っている。萼片の長さからしてミチノクフクジュソウのようにも感じられたが、『神奈川県植物誌2018』はいずれも(狭義の)フクジュソウとしている。茎は中実とのこと。相模原市緑区鳥屋(とや)地区にある”宮之前の福寿草”と”道場の福寿草”は一般観光客を受け入れており、花見に観察に最適。
鳥屋 福寿草おさんぽマップ(2018年版) ※画像クリックで拡大(3000×2000ピクセル、1.14MB)
フクジュソウの自生地 相模原市緑区鳥屋・宮之前の福寿草 2018/03/14 13:35
フクジュソウの自生地 相模原市緑区鳥屋・宮之前の福寿草 2018/03/14 13:47
フクジュソウの自生地 相模原市緑区鳥屋・宮之前の福寿草 2018/03/14 13:46
フクジュソウの自生地 相模原市緑区鳥屋・宮之前の福寿草 2018/03/14 11:13
フクジュソウの自生地 相模原市緑区鳥屋・宮之前の福寿草 2018/03/14 11:25
フクジュソウの自生地 相模原市緑区鳥屋・道場の福寿草 2018/03/14 12:03
フクジュソウの自生地 相模原市緑区鳥屋・道場の福寿草 2018/03/14 12:05
フクジュソウの自生地 相模原市緑区鳥屋・道場の福寿草 2018/03/14 12:10
湘南・鎌倉・三浦半島に自生はないが、公園や寺境内あるいは個人宅の庭でよく栽培されておりフクジュソウを見かける機会は結構多い。そのほとんどはホームセンターの園芸コーナーで買ってきたものだろう。寒冷地では雪積もる地面から顔を覗かせるフクジュソウの花が春を告げる風物詩になっているが、神奈川県南部ではそうはならず、雪のない地面にフクジュソウの花、または、フクジュソウ咲いたところに雪が積もって花傷める、のどちらか。
#フクジュソウの花後の葉 横浜市戸塚区・舞岡公園 2019/04/04
フクジュソウの花
花弁は直射日光が当たると開き、日陰になると閉じてしまう。よって花見は晴天の日の昼過ぎが良い。午前中の早めでは花の開きがまだ物足りないことも。曇りの日はだめ。
#フクジュソウの蕾 鎌倉市・大巧寺 2019/02/01
#フクジュソウの蕾 横浜市戸塚区・俣野園 2018/01/25
フクジュソウは毒草。フキノトウのように天ぷらにして食べてはいけない。
#フクジュソウの蕾 横浜市戸塚区・俣野園 2018/01/25
#フクジュソウ 鎌倉市・長谷寺 2018/02/06 11:54
#フクジュソウ 二宮町・せせらぎ公園 2018/02/11 12:37
開花中に徐々に茎が伸びて行き、葉も茂るように。
#フクジュソウ 横浜市戸塚区・俣野園 2018/02/20 16:07
#フクジュソウ 横浜市戸塚区・俣野園 2018/02/20 16:11
日陰になって花弁を閉じた#フクジュソウ 二宮町・せせらぎ公園 2018/02/19 14:20
フクジュソウ(原種) 相模原市緑区鳥屋 2018/03/14 11:35
フクジュソウ(原種) 相模原市緑区鳥屋 2018/03/14 11:17
フクジュソウ(原種)の特徴 相模原市緑区鳥屋 2018/03/14
フクジュソウ(原種)の萼 相模原市緑区鳥屋 2018/03/14
フクジュソウの実
フクジュソウの実 相模原市牧野・綱子集落 2018/03/14
#フクジュソウ(園芸種か)の不稔の実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03
#フクジュソウ(園芸種か)の不稔の実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/27
東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター(原種、ミチノクフクジュソウも)、横浜市戸塚区・#舞岡公園(古民家裏)、横浜市戸塚区・#俣野園(多い)
#浄智寺、#海蔵寺(随所)、#長谷寺(随所に多数)
#浄妙寺(花塚横、散策路=2月中旬~下旬)、#瑞泉寺、#覚園寺(愛染堂前庭、撮影可)、#宝戒寺(拝観受付向かい)、#大巧寺、#円覚寺龍隠庵(参道)、#東慶寺(山門内参道黒塀側、令和4年(2022)6月7日以降境内撮影禁止)、#氷室椿庭園、二宮町・#せせらぎ公園(蓮池の事務所側)
相模原市緑区鳥屋(とや、私有地2地点で一般公開、旧JA津久井郡鳥屋(鳥屋地域センター(トイレ利用可能、月曜・祝翌日定休)南向かい、現在はJA神奈川つくい鳥屋ATMコーナーのみ稼働中)に無料駐車場あり、旧JA津久井郡鳥屋の建物右脇を入る=宮之前の福寿草=2月末~3月初旬・13:30-14:30、道場自治会館の路地を東へ向かう=「道場の福寿草」=3月初旬・正午前後、宮之前~道場間は徒歩15分程度、鳥屋 福寿草 おさんぽマップ、鳥居原ふれあいの館(とりいばら-いえ)ホームページに開花情報あり)
相模原市緑区千木良(ちぎら)・底沢(そこさわ)集落の民家(旧相模湖町、午後のみ日照、個人宅の庭の保護柵内でやや観察不適、公道からやや遠目に)、相模原市緑区牧野(まぎの)・綱子(つなご)集落の私有地(旧藤野町、午前中のみ日照、平成30年(2018)枯草の刈取りされず観察不適、令和6年(2024)アジサイと枯れススキで荒廃・下草刈られたサクラ周辺で1株のみ確認、ほぼ滅失状態、au電波なし)、相模原市緑区牧野・#NPOふじの森のがるでんセンター「福寿草の里」(園芸種を植栽か、イノシシ被害多い、廃業閉園、令和6年(2024)多少の残存株が開花はしている)
いつも楽しく拝見しています。
撮影場所の「俣野園」とは、どこのことでしょうか?俣野別邸庭園あたりですか?