三角草 キンポウゲ目/キンポウゲ科/スハマソウ属 花期/2月中旬~3月
学名(ミスミソウ)/Hepatica nobilis Schreb. var. japonica Nakai
〃 (オオミスミソウ)/Hepatica nobilis Schreb. var. japonica form. magna
〃 (スハマソウ)/Hepatica nobilis Schreb. var. japonica Nakai form. variegata (Makino) Kitam.
有毒自生種改良種稀少保護
環境省レッドリスト「準絶滅危惧(NT)」
スハマソウ=神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IB類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」
#ミスミソウ 厚木市・荻野運動公園野草園 2017/02/18
山地のあまり日当たりの良くない明るい林床に生える常緑の多年草。日本固有種。三裂したそれぞれの葉先が尖っているため三角の名が付いた。花が大きく見栄えのするものはオオミスミソウ(大三角草)と呼ばれ、多くの園芸品種はこれが元になっている。ミスミソウは神奈川県内では丹沢辺りに細々と分布があるらしい。湘南・鎌倉・三浦半島に自生しているのは変種スハマソウ(州浜草)で、三裂した葉先があまり尖らず丸っこく見えるという微々たる違いがある(といわれてもただの個体差の範疇にしか見えないだろうが)。いずれも自生のものは愛好家や業者によって盗掘されるため極めて希少な存在となっており、限られた自生地は秘匿されている。鎌倉の寺境内などで栽培されているものは流通している園芸品種だろう。厳格に見分けられるものではない。※本頁では、特記ない限り園芸種を含めた総称として(広義の)ミスミソウとする。
#ミスミソウ(原種とのこと) 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/11
#ミスミソウ 鎌倉市・東慶寺 2019/03/27
#ミスミソウ 箱根町・箱根湿生花園 2018/03/12
#ミスミソウ 箱根町・箱根湿生花園 2018/03/12
#ミスミソウ(原種とのこと)の葉 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/07
#ミスミソウの葉 厚木市・荻野運動公園野草園 2017/02/18
#ミスミソウの斑入りの葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/03/30
#オオミスミソウの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/02/08
#スハマソウの先端が尖らない葉 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/04/08
洲浜紋
ミスミソウ、オオミスミソウ、スハマソウなどスハマソウ属に分類されるものは(園芸種も)全部ひっくるめて俗にユキワリソウ(雪割草)とも呼ばれる。雪解けの季節に雪を掻き分けるようにして花を咲かせるものの意であるが、他にも同様にユキワリソウと呼ばれる植物は様々あるので注意したい。また種名としてのユキワリソウはサクラソウ科の高山植物である。なお名前が紛らわしいユキワリイチゲ(雪割一華)は近似の別種。2月、ホームセンターの園芸コーナーにユキワリソウの名前でポット苗が少量出回るのは、ミスミソウの園芸種だろう。
ミスミソウの花
ミスミソウの花弁は十枚少々で、花径1~1.5cm程度。オオミスミソウは六枚から、変異豊かで、花径は2cmを超えるもの多い。スハマソウは六枚から八枚で、白色。いずれも学術的には、花弁に見えるものは萼片、萼片に見えるものは三枚輪生している総苞葉、とのこと。強い直射日光を嫌う植物であるにも関わらず、暗いと花は閉じてしまう性質あり。従って、開花期間中だけはある程度日差しあると良い。花見は晴天日の正午ちょっと前に。
#ミスミソウ 厚木市・荻野運動公園野草園 2017/02/18
#オオミスミソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2017/02/08
#ミスミソウ 箱根町・箱根湿生花園 2018/03/12
#オオミスミソウ 厚木市・荻野運動公園野草園 2017/02/18
東京都小平市・#東京都薬用植物園(スハマソウ)
#長谷寺(良縁地蔵向かいにユキワリソウとして)、#東慶寺(看門向かい)、#大船フラワーセンター(展示場東向いの花壇にオオミスミソウとして)
#報国寺(拝観受付前)、#覚園寺(少ない)、#氷室椿庭園(旧氷室家住宅前)
相模原市緑区・#城山かたくりの里(有料、ユキワリソウとして多種、カタクリ満開の時期ではやや盛り過ぎ気味)、厚木市・#荻野運動公園野草園(ミスミソウとしているがオオミスミソウ系の園芸種か、12月~2月休園、2月下旬の土曜日および日曜日に特別開園=セツブンソウ・セリバオウレンも)、#箱根湿生花園
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)