めりけん葎 リンドウ目/アカネ科/オオフタバムグラ属 花期/6月中旬~9月
学名/Diodia virginiana L.
外来種駆除稀少
メリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
帰化雑草として生える、北米原産の一年草または多年草。メリケンはアメリカン(American)が訛(なま)ったもので、葎(むぐら)は蔓植物のように茎を長く伸ばして茂る植物の総称。英名バージニア・ボタンウィード(Virginia buttonweed)。川べりや田んぼの畦といった湿地に好んで茂る、と聞いている。シマツユクサ(島露草)のように、在来の湿生植物にとっては大きな脅威とならないか懸念されるところ。耐塩性が高く、海辺や砂浜にまで進出している。説明はここまでが決まり文句であるが、残念ながら乾燥地にも平気で生える。神奈川県内では、在日米軍基地である相模総合補給廠(-しょう、相模原市中央区)の共同使用区域に新設された運動公園(相模原スポーツ・レクリエーションパーク)周辺のアスファルト道路沿いに点々と生えている。県内で本種はまだ希な部類に入ろうが、今後は市街地への蔓延、JR横浜線沿線への伝播(でんぱ)、境川下流域への拡散は、遅かれ早かれもしかしたらもう既定路線なのかもしれない。湘南・鎌倉辺りでも帰化は確認されている。草姿(そうし)は、およそ放射状に分岐して伸びた茎が地面を這って広がる。競合する他の雑草あらば負けじとそれに寄りかかりつつ立ち上がる。葉の形状も含めて全体的にはツユクサ(露草)の仲間っぽい雰囲気を醸し出しているかも。引っこ抜こうとすると株元でぶちっと切れやすい。土中に根っこが残って、再び生え出てくるのだとか。
アスファルトに生えたメリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/06/25
赤みを帯びたメリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/06/25
舗装路沿いに生えたメリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
舗装路沿いに生えたメリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
舗装路沿いに生えたメリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
歩道沿いに生えたメリケンムグラ 相模原市中央区・在日米陸軍相模総合補給廠 2024/09/02
メリケンムグラの葉 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラの葉 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
近似種に同じく北米原産の帰化雑草オオフタバムグラ(大双葉葎)がある。姿はあまり似ていない。
メリケンムグラの花
葉腋(ようえき)で咲く。花色はきれいな純白。うっすらピンク色を帯びるものもあるとか。花冠は四裂(花弁は四枚)。やや小さく、花径はおよそ1cm。ガガブタ(鏡蓋)のように毛が目立つ。雄蕊四本、雌蕊は一本二裂。花冠筒部(-とうぶ)は細くて長い。一日花で、正午頃にはしおれると思われる。花の観察は午前中の早い内に。
メリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラ 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラの細長い花冠筒部 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラの実
花が咲いた葉腋にできる。先端に突き出た二本の角(つの)は、萼片。
メリケンムグラの未熟な実 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラの未熟な実 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
メリケンムグラの未熟な実 相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク 2023/07/21
江の島、湘南海岸公園
相模原市中央区・在日米陸軍相模総合補給廠(外周道路沿いに多い)、相模原市中央区・相模原スポーツ・レクリエーションパーク(外周園路と車道沿いに点在)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)