カロライナツユクサ

かろらいな露草 ツユクサ目/ツユクサ科/ツユクサ属 花期/7月下旬?~10月 結実期/10月
学名/Commelina caroliniana Walter

外来種駆除

カロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

田んぼ周辺などに生える、インドを原産とする一年草。名は、アメリカ合衆国のサウスカロライナ州に帰化しているものが発見されたことに発する。紛らわしいが、北米原産ではない。生育場所といいぱっと見の姿といい、シマツユクサ(島露草)にそっくり。おそらく、夏の終わりから特に威勢良くもりもり茂ってくる性質も同じではなかろうか。しかして、シマツユクサと混同されることもあった。神奈川県内では、平成20年(2008)に伊勢原市上平間(かみひらま)で採取されていたものが本種であったことがのちに判明したのが最初。と、かなり新しい外来の帰化雑草である。さぞ見つけ出すのに苦労する希少種かと思いきや、令和3年(2021)に平塚市北西部(小田原厚木道路~天徳寺~東海大学湘南キャンパス)の水田地帯を歩いてみたら、あるわあるわ、茅ヶ崎市におけるシマツユクサのごとく、そこかしこで繁茂している始末であった(逆にシマツユクサはなかった)。本種とシマツユクサの違いは、『神奈川県植物誌2018』には苞(ほう)の形状がどうたら花の付き方がどうたらと難解なことが記載されているが、花が咲いていればY字形雄蕊の色で見分けられる。熟した種子の形状も異なる。侵入経路は、ブタ(豚)の飼料に混入して、だろうか。養豚場がちょっと怪しい。シマツユクサ同様に茎は地面を這い、花が咲く枝先が頭をもたげる以外は立ち上がらない。よく分枝(ぶんし)し、節々から根を出して定着する。水中ではなく、シマツユクサ同様に水際を好む。田んぼの畔、水路脇、などで群生する。

不耕作田に生えたカロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

不耕作田に生えたカロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

畑(元は田んぼ)の縁と水路の間に生えたカロライナツユクサ(背景は大山) 平塚市北金目 2021/09/07

畑(元は田んぼ)の縁と水路の間に生えたカロライナツユクサ(背景は大山) 平塚市北金目 2021/09/07

田んぼの畔を埋め尽くしたカロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

田んぼの畔を埋め尽くしたカロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

田んぼ周辺に生えたカロライナツユクサ(小屋は井澤種豚研究所) 平塚市岡崎 2021/09/24

田んぼ周辺に生えたカロライナツユクサ(小屋は井澤種豚研究所) 平塚市岡崎 2021/09/24

カロライナツユクサの葉 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの葉 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの茎 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの茎 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの花

大きさや形状はシマツユクサにほぼ同じ。但しY字形雄蕊の色に違いがあり、カロライナツユクサは白色、シマツユクサのY字形雄蕊は紺色をしている。これに共に黄色の花粉が付着している。花弁色はツユクサに同じ。大々的に咲いてくるのは9月中旬以降か。開花時間は朝から昼前まで。ツユクサの仲間は葉の形状等が似通っているので、花が咲いていないと探す難易度は非常に高くなる。

カロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサのY字形雄蕊の色は白(紺色でない) 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサのY字形雄蕊の色は白(紺色でない) 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサ 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの苞 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの苞 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの苞 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの苞 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの苞の中 平塚市北金目 2021/09/07

カロライナツユクサの苞の中 平塚市北金目 2021/09/07

花が小さいという点ではマルバツユクサ(丸葉露草)も少々紛らわしいが、葉の形状がまったく異なる。

カロライナツユクサの実

苞の中で種子ができる。本種の種子は黒っぽく、表面はうっすら”アミガサタケ(編笠茸)の傘”模様がうっすらないわけではないが凹みはほぼなく平滑に近い。シマツユクサの種子は茶色っぽく、正面は”アミガサタケの傘”状に明瞭に凸凹している。

カロライナツユクサの熟した実 平塚市北金目 2021/09/24 

カロライナツユクサの熟した実 平塚市北金目 2021/09/24 

カロライナツユクサの熟した実 平塚市北金目 2021/09/24 

カロライナツユクサの熟した実 平塚市北金目 2021/09/24 

カロライナツユクサとシマツユクサの種子 2021/09/26

カロライナツユクサとシマツユクサの種子 2021/09/26


平塚市岡崎/片岡/真田/北金目

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

シマツユクサ

マルバツユクサ

ツユクサ