鰭田牛蒡 フトモモ目/アカバナ科/チョウジタデ属 花期/8月中旬~9月
外来種駆除稀少
ヒレタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/16
水辺に生える北米原産の一年草。日当たりのよい田んぼ(休耕田や湿地)周辺を好むらしい。川べりにも。種子を大量に作り出すため群生しやすい。遠くから黄色い花を見つけた瞬間、なぜこんなところに稀少なミズキンバイ(水金梅)の花が──、と感じたら本種の可能性。別名アメリカミズキンバイ(アメリカ水金梅)。なおヒレタゴボウは低所を這わずヨモギ(蓬)のごとくしっかり茎が立ち上がる。草丈は人の腰あるいはそれ以上に育つそこそこの大型雑草。がっちり太い主たる一本の茎を直立させ、そこから前後左右にバランスよく枝を豊かに生やす。部分的に赤く色付きやすい。うっすら赤みを帯びるのではなく、色濃く(赤紫色っぽく)染まる。名は、葉の基部下に鰭(ひれ)状の隆起があり、タゴボウに似たもの、の意。タゴボウはチョウジタデ(丁子蓼)のこと。神奈川県内では茅ヶ崎市を中心に帰化がひどい。一年草なので毎年同じ地点に生えてくるとは限らない。
田んぼ周辺の雑草に紛れて咲くヒレタゴボウ(肉眼でも黄花以外は明瞭に視認できない) 寒川町田端 2019/08/02
川べりに生えたヒレタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/18
川べりに生えたヒレタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/18
ヒレタゴボウ 茅ヶ崎市堤 2019/10/05
葉は互生で葉柄(ようへい)なし。葉基部の真下の茎に翼(よく)ができるのがヒレタゴボウの大きな特徴。葉柄が茎に流れて合着してしまったような姿である。この翼が鰭の名の由来。茎は無毛。鰭が原因で茎には稜がある状態に。
ヒレタゴボウの葉表 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/16
ヒレタゴボウの主脈が特に強く浮き上がった葉裏 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/16
ヒレタゴボウの鰭 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/18
ヒレタゴボウの花
葉腋(ようえき)に咲く。ぱっと見はミズキンバイのようでかわいらしい。花弁は一枚少なくて四枚。花色はヘビイチゴ(蛇苺)の仲間とも同様の黄色。花径は2cmちょっとで、成人男性の大きな親指先とほぼ同等。なおタゴボウことチョウジタデなら花は小さく花径は1cm未満。花の中心部は花粉にまみれてごちゃごちゃし、蕊がどうなっているのか確認できないような状態になっていることが多い。早朝咲いて午後には散ってしまう一日花と思われる。
ヒレタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/18
ヒレタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/18
ヒレタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/18
ヒレタゴボウ 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/18
ヒレタゴボウの実
ヒレタゴボウの若い実 茅ヶ崎市浜之郷・小出川 2018/08/18
ヒレタゴボウの若い実 茅ヶ崎市行谷 2018/09/22
藤沢市大庭(引地川右岸の田んぼに多い)、寒川町田端(湘南タゲリ米の里北方の田んぼに大量)、茅ヶ崎市堤(妙伝寺北側の田んぼに少ない)、茅ヶ崎市行谷(宝蔵寺南側の田んぼなどに多い)、茅ヶ崎市・小出川(萩園橋下流、中原橋下流などにも多いが川に下りられない)
湘南タゲリ米の里(ビオトープ水田周辺に少々)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
京都府の南部に位置してますがひれたごぼうが最近特に水田に稲刈り前に8月中ごろから10月の繁殖が激しいです。稲に支障なくまた残効性がなく安全性の高い除草剤がありませんか。