浜払子 ツツジ目/サクラソウ科/オカトラノオ属 花期/5月中旬~6月 結実期/6月~8月
学名/Lysimachia mauritiana Lam.
自生種
ハマボッス 三浦市・黒崎の鼻 2017/05/22
日当たりの良い海岸に生える一年草(越年草)。名は、浜辺にある払子(ほっす)のようなもの、の意と思われる。払子というのは、仏教の法会(ほうえ)を行う際に導師(どうし)役の僧侶が手に携えている”はたき”型の持ち物のこと。牧野富太郎博士は果穂(かすい)の形状が払子に見立てられたのではないかと推察されているが、払子はふつう白色の毛を想像するものであるから花の様子に由来するのだろう。砂浜にはなく、林縁から磯の付け根の海水をかぶらない岩場に進出して生えている。競合するのがお嫌いなようで、自分と同等以上の背高な植物がない地点を選んで生えている。草丈は20cm程度。一塊の大株を作ることをはあるが、あまり群生はしない。神奈川県内では、自然の海岸線が残っている三浦半島や真鶴半島でよく見かける普通種。
ハマボッスの春の葉 横須賀市・千代ヶ崎海岸 2017/03/17
ハマボッス 藤沢市・江の島 2019/04/18
開花前のハマボッス 鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区 2017/05/08
ハマボッス 三浦市・黒崎の鼻 2017/05/22
海に面した林縁に生えたハマボッス 三浦市・黒崎の鼻 2017/05/22
海に面した林縁に生えたハマボッス 三浦市・諸磯 2023/05/25
ハマボッス 鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区 2017/05/30
磯に生えたハマボッス 三浦市・諸磯 2023/05/10
磯に生えたハマボッス 三浦市・諸磯 2023/05/10
磯の林縁近くに生えたハマボッス 三浦市・諸磯 2023/05/10
ハマボッスの群落(黄色花はミヤコグサ) 三浦市・城ヶ島 2023/05/10
磯に生えたハマボッス 三浦市・城ヶ島 2023/05/10
ハマボッス 三浦市・城ヶ島 2023/05/10
日陰に生えた異質なハマボッス 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
日陰に生えた異質なハマボッス 三浦市・黒崎の鼻 2017/05/22
葉は互生。花が咲いていないとサイズ感が似ていて雰囲気的に紛らわしいハマナデシコ(浜撫子)は対生である。茎を立ち上げない小型なハマボッスらしき株があったらソナレムグラ(磯馴葎)で、葉は対生、花弁(花冠裂片)は四枚。
ハマボッスの葉 三浦市・城ヶ島 2023/05/10
ハマボッスの葉 横須賀市・観音崎海水浴場 2022/06/13
ハマボッスの茎と葉 三浦市・諸磯 2023/05/25
ハマボッスの花
白花。花弁(花冠裂片)は五枚。
ハマボッス 鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区 2017/05/30
ハマボッス 鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区 2017/05/30
ハマボッス 三浦市・黒崎の鼻 2017/05/22
ハマボッス 三浦市・城ヶ島 2023/05/10
ハマボッス 三浦市・諸磯 2023/05/10
ハマボッス 三浦市・諸磯 2023/05/10
ハマボッスの実
はじめどうということのない緑色をしているが、しっかり膨らんだ頃に赤く染まる。
花期終盤のハマボッス 横須賀市・観音崎海水浴場 2022/06/13
ハマボッスの若い実 横須賀市・観音崎公園 2022/06/13
ハマボッスの実 三浦市・諸磯 2023/06/21
ハマボッスの実 三浦市・諸磯 2023/06/21
ハマボッスの実 三浦市・諸磯 2023/06/21
ハマボッスの完熟間近の実 藤沢市・江の島 2019/07/25
ハマボッスの完熟した実 横須賀市・天神島臨海自然教育園 2022/09/16
ハマボッスの去年の実の残骸 真鶴町・真鶴岬 2022/06/17
観音崎公園、黒崎の鼻、諸磯、城ヶ島
鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区、江の島
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
『牧野 日本植物図鑑』 牧野富太郎著 北隆館発行(1940)