アキノウナギツカミ

秋の鰻掴 ナデシコ目/タデ科/イヌタデ属 花期/10月中旬~11月上旬 結実期/11月中旬~12月上旬
学名/Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki var. sieboldii

自生種稀少保護

アキノウナギツカミ 寒川町田端・香川公民館主催事業お米を作ろう水田 2018/10/15

アキノウナギツカミ 寒川町田端・香川公民館主催事業お米を作ろう水田 2018/10/15

湿地に生える一年草。茎は細くて長く、地を這い伸びる。その姿はミゾソバ(溝蕎麦)ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)イシミカワ(石実皮)ヤノネグサ(矢の根草)と同じ系統のもの。神奈川県内では普通種といわれているが、湘南・鎌倉・三浦半島でどうも見かけた記憶がほとんどない。もしかしたらよくあるミゾソバやママコノシリヌグイだと思い込んで気に留めなかったか、あるいはじつは数を減らしているのか。特にミゾソバと混生していることが多いので葉の形状の違いを覚えておいてしっかり見分けられるように。

アキノウナギツカミ 藤沢市大庭 2018/10/16

アキノウナギツカミ 藤沢市大庭 2018/10/16

アキノウナギツカミ 寒川町田端・香川公民館主催事業お米を作ろう水田 2018/10/15

アキノウナギツカミ 寒川町田端・香川公民館主催事業お米を作ろう水田 2018/10/15

アキノウナギツカミ 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/10/12

アキノウナギツカミ 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/10/12

アキノウナギツカミの葉 箱根湿生花園 2017/10/01

アキノウナギツカミの葉 箱根湿生花園 2017/10/01

アキノウナギツカミの葉 寒川町田端・香川公民館主催事業お米を作ろう水田 2018/10/15

アキノウナギツカミの葉 寒川町田端・香川公民館主催事業お米を作ろう水田 2018/10/15

アキノウナギツカミの葉裏 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/10/12

アキノウナギツカミの葉裏 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/10/12

茎には逆刺(ぎゃくし、下向きの棘(とげ))があり、指でこすっても痛くない程度によく引っかかる。棘は、すこしざらつく程度のミゾソバと、突き刺さるほどに痛いママコノシリヌグイやイシミカワの中間といった感じ。稀に棘を欠く個体があるらしく、名付けてアキノウナギツカメズ(秋の鰻掴めず)。

アキノウナギツカミの茎の棘 藤沢市大庭 2018/10/16

アキノウナギツカミの茎の棘 藤沢市大庭 2018/10/16

一般に初夏に咲くものをウナギツカミ、初秋に咲くものをアキノウナギツカミと分けているが、同種(変種)とする向きも。県内で初夏咲きのものを見かけることはまずないか。

アキノウナギツカミの花

花一つは、ミゾソバのものより小さく、華やぎという点で劣る。花開いていても蕾と大差ない大きさなので開花しているものを探すのがたいへん。ぽつりぽつりと順に咲いていくようで、満開しない。

アキノウナギツカミの群生 藤沢市大庭 2019/10/10

アキノウナギツカミの群生 藤沢市大庭 2019/10/10

アキノウナギツカミ 藤沢市大庭 2018/10/16

アキノウナギツカミ 藤沢市大庭 2018/10/16

アキノウナギツカミ 藤沢市大庭 2018/10/16

アキノウナギツカミ 藤沢市大庭 2018/10/16

アキノウナギツカミ 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/10/12

アキノウナギツカミ 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2017/10/12

アキノウナギツカミ 寒川町田端・香川公民館主催事業お米を作ろう水田 2018/10/15

アキノウナギツカミ 寒川町田端・香川公民館主催事業お米を作ろう水田 2018/10/15

アキノウナギツカミの実

咲き終わった花弁(のように見える萼片)に包まれていた実は、秋、身近な草花が枯れてくる頃に褐色に熟す。中には三稜形で黒色の種子が一つできる。

アキノウナギツカミの実 茅ヶ崎市行谷 2018/11/24

アキノウナギツカミの実 茅ヶ崎市行谷 2018/11/24

ミゾソバ、アキノウナギツカミ、ヤノネグサの種子の比較

ミゾソバ、アキノウナギツカミ、ヤノネグサの種子の比較


横浜市栄区・横浜自然観察の森(ヘイケボタルの湿地、赤み弱い)

小網代の森(赤み強い)、藤沢市大庭・引地川親水公園南側の田んぼ、茅ヶ崎市行谷・小出川沿いの田んぼ(イネ刈り後)

鎌倉広町緑地(竹ヶ谷の湿地=木道沿いに多からず)、引地川親水公園湿性植物園(多からず)、寒川町田端・西久保橋北の田んぼ(僅少)

箱根湿生花園(同時期)

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

ミゾソバ

オオミゾソバ

ママコノシリヌグイ

ヤノネグサ

イシミカワ

『アキノウナギツカミ』へのコメント

  1. ケンモチナオミ 投稿日:2021/10/30(土) 20:21:33 ID:b13d44dde 返信

    アキノウナギツカミ
    見分けが難しいですねェ
    最近 清川村の川べりで見かけたのは、、、
    何とも自信がない、もう一回 観察してみよう!

    数年のサイクルで希少が更に希少になるかも。
    花の蕾が金平糖みたいで美味しそうです。

    • mirusiru.jp 投稿日:2021/10/30(土) 20:44:44 ID:d3b349a72 返信

      見分けに必要なのは”葉っぱの形状”だけです。
      川べりですとミゾソバ率が高いですが。。
      このシリーズは蕾もかわいいですよねー。

      県の方で休耕田を買い取って湿生植物の保護育成を図ることくらいはしてもらいたいものですけども、そういう話は聞いたためしがないですね。
      平塚市某地区のデンジソウは最近絶えたとかいう噂を小耳に挟んでいます。稲刈りの前に除草剤を撒く地域なので、そりゃあそうなるだろうさって感じです。

      • ケンモチナオミ 投稿日:2021/10/30(土) 22:26:05 ID:b13d44dde 返信

        ミゾソバかな?
        次に観察に行くのが楽しみです。
        平塚市某地区のデンジソウ、、残念です。
        mirusiru.jpさんの過去記事 見て来ました、クローバーみたいで可愛い。

        相模原市の平成21年の外来種の調査でオオオナモミを確認した場所。
        数か所を見て来ましたが 成果なし。
        平成16年の調査から平成21年の調査までの間でも減少は顕著だったのだから
        今は絶えていても不思議はない、、。

        気候の変化、除草剤の散布、草刈り機の普及
        野の草花が ますます淘汰されます。

        • mirusiru.jp 投稿日:2021/10/31(日) 05:35:09 ID:45a5ef26c 返信

          オオオナモミは問題のある外来種ですからなくなってもらった方が良いものですが、昭和の頃には身近な存在だっただけに、いざなくなってしまうと一抹の寂しさを覚える人は多いでしょうね。私もその一人で、去年栽培しちゃいましたが。
          湿り気のある土壌でライバルとなる他の草が茂っていない場所に、オオオナモミが細々と生えていたりします。日陰気味だったりもするので生育はあまり良くありませんけれども。在来種の野草のフリして生き残ろう作戦、なのでしょうか。

          昨日は横浜市磯子区の氷取沢市民の森に咲き残りのノギクを目的に訪れましたが、全域がきれいさっぱり刈り払われてしまっていてびっくり。植栽されたスイセン(外来種)の葉だけ残されていて、ノギクから何から他は一切合切ことごとく丸刈り。溜息出ちゃいますね。
          そうなる前に、川べり、お早めに。。