梅擬 モチノキ目/モチノキ科/モチノキ属 花期/5月下旬~6月上旬 結実期/9月中旬~12月
学名/Ilex serrata Thunb.
#ウメモドキの実 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2018/10/16
丘陵地や山地の湿地に好んで生えるという落葉低木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。名は、葉がウメ(梅)に似ることから。神奈川県内にも自生があるともいうが、園芸栽培されるためその逸出帰化と識別できず、よくわからない。湘南・鎌倉・三浦半島で目にするのは庭に植栽されたもの。花はさほど目立つものではないので、赤い実がなる雌株を植えるのが普通。枝ぶりはまとまり良く、葉もまんべんなく付いて、姿は整う。
#ウメモドキ 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
#ウメモドキ 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
#ウメモドキの咲き始めの雄株 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
水辺の林縁に植栽された#ウメモドキ 横浜市戸塚区・小雀公園 2021/12/04
実を付けた初冬の#ウメモドキ 横浜市戸塚区・小雀公園 2021/12/04
葉は互生。葉身は10cm程度で、両面に短い毛が多い。鋸歯は細かい。枝葉が無毛ならイヌウメモドキ(犬梅擬)という品種。枝細く葉が小さいコショウバイ(小性梅)と呼ばれる品種は盆栽に好まれる。
#ウメモドキの開花時期の葉 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
#ウメモドキの開花時期の葉 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
#ウメモドキの葉 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
#ウメモドキの葉裏 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
#ウメモドキの結実期の葉 鎌倉市・長谷寺 2018/09/29
#ウメモドキの初冬の黄葉 横浜市戸塚区・小雀公園 2021/12/04
ツルウメモドキ(蔓梅擬)は同様に葉がウメに似る蔓性の植物で、本種とは無関係。ニシキギ目/ニシキギ科なので近縁でもない。クロウメモドキ(黒梅擬)は同様に葉がウメに似る山地に生える低木で、バラ目/クロウメモドキ科なのでやはり近縁種でなし。実が黒色。
ウメモドキの花
葉腋(ようえき)で咲く。花径は4mm弱しかない小さなものであまり目立たないが、よく見るとかわいらしい姿。花弁は四枚ないし五枚(ときに六枚)、基本白色で、程度は個体差あるもうっすら赤紫色(ピンク色)を帯びる。五枚花弁のものは小さなウメの花のように見えないでもない。黄色い葯(やく)が目立つものが(雄株の)雄花、緑色の子房が目立つものが(雌株の)雌花。花数は雄株の方が多い。
#ウメモドキの雄株の蕾 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/05/27
ウメモドキの(雄株の)雄花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
ウメモドキの(雄株の)雄花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
ウメモドキの(雄株の)雄花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
ウメモドキの(雄株の)雄花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
ウメモドキの(雄株の)雄花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
#ウメモドキの(雌株の)雌花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
#ウメモドキの(雌株の)雌花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
#ウメモドキの(雌株の)雌花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
#ウメモドキの(雌株の)雌花 藤沢市・引地川親水公園(大庭スポーツ広場球技場) 2019/06/01
ウメモドキの実
直径5mm程度の小さな、赤色に熟す実がなる。同属のクロガネモチ(黒鉄黐)っぽさを感じる実ではあるが、これといった大きな特徴なし。人の背丈くらいの高さしかない木の枝に、秋に果柄(かへい)が短めな小さな赤い実が付いていたら、だいたいは本種と考えてよいのではないか。葉が残っていれば見分けは付けやすい。赤い実は、冬に葉が落ちてもなお枝に残ることはあるも、正月まで持ってくれる保証がないのは弱点。
#ウメモドキの実 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
#ウメモドキの実 鎌倉市・収玄寺 2019/08/27
#ウメモドキの実 横浜市戸塚区・小雀公園 2021/12/04
#ウメモドキの実 横浜市戸塚区・小雀公園 2021/12/04
#ウメモドキの実の萼 横浜市戸塚区・小雀公園 2021/12/04
実の色が黄色ならキミノウメモドキ(黄実の梅擬)、白色ならシロウメモドキ(白梅擬)、とも呼ばれる品種。見かけた記憶はない。
低木で赤い実がなるものに、ユスラウメ(梅桃)がある。但し、春咲きの、初夏なり。実はもう少し大きめでぷりぷりしており、ジューシーな液果(えきか)。雌雄同株(しゆうどうしゅ)。
横浜市中区・#三溪園、横浜市保土ケ谷区・#横浜市児童遊園地、横浜市戸塚区・#舞岡公園(小谷戸の里に雌雄)、横浜市戸塚区・#俣野別邸庭園(四季の花苑に雌株)、横浜市戸塚区・#小雀公園(花の湿地の品川団地口寄りに雌株)
#長谷寺(清浄池畔に雌株)、#引地川親水公園球技広場(大庭スポーツ広場球技場、大庭遊水地側に雌株2本・雄株4本)
#円覚寺松嶺院(雌株)、#収玄寺(雌株)
#小田原フラワーガーデン(駐車場東側バラ園に大実の園芸品種’大納言’、「オオミウメモドキ」の樹名板あり)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)