トウジュロ

唐棕櫚、唐棕梠 ヤシ目/ヤシ科/シュロ属 花期/4月下旬~5月上旬 結実期/10月下旬~3月
学名/Trachycarpus fortunei (Hook.) H.Wendl. ‘Wagnerianus’

外来種改良種

九州北部以北の森林内などのシュロ類=生態系被害防止外来種リスト「総合対策外来種」

トウジュロ 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/09/12

#トウジュロ 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/09/12

園芸栽培される常緑の高木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。露地栽培されている古典的な観葉植物。一般的なシュロ(棕櫚)の別名ワジュロ(和棕櫚)に対して、中国から入って来たものとしてトウジュロと呼ばれる。伝統的にはシュロ(ワジュロ)によく似た別種(学名/Trachycarpus wagnerianus)として扱われてきたが、近頃は種(しゅ)としてはシュロ(ワジュロ)と同一の半矮性(はんわいせい)の品種に位置付けられているようである。正確な素性は不明。中国原産とされるが、日本で見出された園芸植物という話も。シュロ(ワジュロ)よりやや小型で、樹高がシュロ(ワジュロ)ほど異様な高さにならない。と聞いてはいるが、だいぶ背高なものもふつうに見かける。決定的な違いは葉(※後述)。湘南・鎌倉・三浦半島で方々で出くわすのは圧倒的多数がシュロ(ワジュロ)であるが、トウジュロもそう頻繁には見かけないものの昭和(-1989)からある民家の庭などに一本植栽されていることがある。シュロ(ワジュロ)と違って、自然界への逸出は見られない。

トウジュロ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/20

#トウジュロ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/20

トウジュロ、ワジュロ、チャボトウジュロ 東京都文京区・小石川植物園 2019/03/24

#トウジュロ、#ワジュロ、#チャボトウジュロ 東京都文京区・小石川植物園 2019/03/24

トウジュロ(中央の二本) 東京都文京区・小石川植物園 2019/03/24

#トウジュロ(中央の二本) 東京都文京区・小石川植物園 2019/03/24

トウジュロ 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/10/18

#トウジュロ 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/10/18

トウジュロ 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/10/18

#トウジュロ 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/10/18

トウジュロ 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/10/18

#トウジュロ 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/10/18

農家の敷地隅に植えられたトウジュロ 茅ヶ崎市芹沢 2024/01/14

農家の敷地隅に植えられた#トウジュロ 茅ヶ崎市芹沢 2024/01/14

トウジュロ 茅ヶ崎市芹沢 2024/01/14

#トウジュロ 茅ヶ崎市芹沢 2024/01/14

実がなったトウジュロ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/10/02

実がなったトウジュロ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/10/02

葉がシュロ(ワジュロ)より一回り小さい、ということがトウジュロの主だった特徴。葉先がシュロ(ワジュロ)のように折れ曲がって垂れるということはなく、ぴんと一直線に伸びている。従って、シュロ(ワジュロ)とはだいぶ様相の異なる雰囲気を醸し出すことになる。葉がだらりと垂れて鬱蒼とした南国感(熱帯雨林感)が出るのはシュロ(ワジュロ)、小振りにまとまってしゅっと整った姿になるのはトウジュロである。

トウジュロの葉 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/09/12

#トウジュロの葉 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/09/12

トウジュロの葉 東京都文京区・小石川植物園 2023/03/11

#トウジュロの葉 東京都文京区・小石川植物園 2023/03/11

トウジュロの葉 東京都文京区・小石川植物園 2019/03/24

#トウジュロの葉 東京都文京区・小石川植物園 2019/03/24

トウジュロのやや折れた葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/20

#トウジュロのやや折れた葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/20

幹はシュロ(ワジュロ)同様にシュロ皮やシュロ毛と呼ばれる繊維で覆われており、幹全体が毛むくじゃらに見える。となっていなければおかしいはずなのだが、トウジュロは幹上部を除いてシュロ皮が脱落し、樹皮が露出しているものを多く見かける。であれば、ただの矮性品種ではない疑いが強い。幹上部にもシュロ皮がないものはワシントンヤシ(わしんとん椰子)ないしワシントンヤシモドキ(わしんとん椰子擬)か。これらは葉柄(ようへい)に棘(とげ)状の突起が多数ある。

トウジュロの幹を覆う毛 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/20

#トウジュロの幹を覆う毛 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/20

トウジュロの(なぜかシュロ皮がない)幹(樹皮) 東京都文京区・小石川植物園 2019/03/24

#トウジュロの(なぜかシュロ皮がない)幹(樹皮) 東京都文京区・小石川植物園 2019/03/24

トウジュロのシュロ皮のない幹(樹皮) 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/10/18

#トウジュロのシュロ皮のない幹(樹皮) 二宮町・東京大学果樹園跡地 2023/10/18

シュロ(ワジュロ)とトウジュロは雑種を作るらしい。どちらとも判断し難い葉を持つものがある。なお古葉が人為的に片付けられたシュロ(ワジュロ)の葉はトウジュロと同様に折れ曲がらずにぴんと立つ葉だけを頂くものがあって、見分けに困難。※本サイトでは、トウジュロならではのあからさまな特徴が見出せるものないし植物園等でトウジュロとして植栽されているものを除いて、シュロ(ワジュロ)として掲載する。

チャボトウジュロ(矮鶏唐棕櫚)はヨーロッパ原産で、幹が叢生(そうせい)するので明らかに見た目が違う別種。これにいう唐は中国ではなく異国の意。

トウジュロの実

トウジュロの未熟な実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/10/02

トウジュロの未熟な実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/10/02


東京都文京区・#小石川植物園(シュロとチャボトウジュロも)

#大船フラワーセンター、二宮町・#東京大学果樹園跡地(東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場二宮果樹園跡地)

#茅ヶ崎市芹沢(茅ケ崎里山公園北駐車場の東向かい)

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シュロ(ワジュロ)