タチバナ

橘 ムクロジ目/ミカン科/ミカン属 花期/4月下旬~5月 結実期/11月中旬~12月(~5月)
学名/Citrus tachibana (Makino) Tanaka

食用稀少

環境省レッドリスト「準絶滅危惧(NT)」

タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2023/12/04

#タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2023/12/04

主に西日本に自生する常緑の小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。野生の柑橘類でミカン(蜜柑)の一種。日本固有種。白い花が美しくオレンジ色の実がかわいらしく葉が常緑で縁起が良いことから、古くより日本人に好まれてきた樹木である。自生北限は静岡県の西伊豆。日蓮宗が「井桁に橘紋(井桁橘紋、いげたにたちばなもん)」を宗紋としているため、日蓮宗の寺境内に植栽されていることがある。樹木としてはミカンの仲間はどれもこれも姿がたいへん似通っており、よほど精通している人でもなければ見分けは困難を通り越して最早無理。秋以降、実がなっていればこれとわかる。

かまくらと三浦半島の古木・名木50選「大蔵寺のタチバナ」 横須賀市平作・大蔵寺 2024/06/24

#かまくらと三浦半島の古木・名木50選「大蔵寺のタチバナ」 横須賀市平作・大蔵寺 2024/06/24

開花中のタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

開花中の#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

開花中のタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

開花中の#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

開花中のタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

開花中の#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

開花中のタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

開花中の#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

実がもうじき熟しそうなタチバナ 鎌倉市・光則寺 2019/11/04

実がもうじき熟しそうな#タチバナ 鎌倉市・光則寺 2019/11/04

実が熟したタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/11/22

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/11/22

実が熟したタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/11/22

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/11/22

実が熟したタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/11/22

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/11/22

実が熟したタチバナ 鎌倉市・常栄寺 2024/12/03

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・常栄寺 2024/12/03

実が熟したタチバナ 鎌倉市・常栄寺 2024/12/03

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・常栄寺 2024/12/03

実が熟したタチバナ 鎌倉市・常栄寺 2024/12/03

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・常栄寺 2024/12/03

タチバナと山門に描かれた日蓮宗紋「井桁に橘紋」 鎌倉市・常栄寺 2024/12/03

#タチバナと山門に描かれた日蓮宗紋「井桁に橘紋」 鎌倉市・常栄寺 2024/12/03

実が熟したタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/03

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/03

実が熟したタチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2023/12/04

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2023/12/04

実が熟したタチバナ 鎌倉市・比企谷幼稚園 2024/12/04

実が熟した#タチバナ 鎌倉市・比企谷幼稚園 2024/12/04

枝には小さな棘(とげ、植物学ではふつう「刺」と表記される)が多いと聞いているが、棘が見当たらない株が多い。

タチバナの初夏の葉 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

#タチバナの初夏の葉 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

タチバナの他、日本国内に自生するミカンの仲間は、山口県萩市にのみ分布するコウライタチバナ(高麗橘)、沖縄県特産のシークヮーサーがある。

クサタチバナ(草橘)などタチバナの名が冠された植物はいろいろあるが、喩(たと)えられただけで、近似種ではぜんぜんない。

タチバナの花

ミカン科にありがちな形の白花。文化勲章の意匠(いしょう、デザイン)になっている。

タチバナの蕾 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

#タチバナの蕾 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

#タチバナ 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/05/03

タチバナ 横須賀市平作・大蔵寺 2017/05/22

#タチバナ 横須賀市平作・大蔵寺 2017/05/22

タチバナの実

普段私たちが冬場にミカンとして食べているウンシュウミカン(温州蜜柑、温州みかん)のようなやや扁平な形状。大きさはキンカンとほぼ同じ。見栄えのするある程度大きな果実で直径3.5cm。それよりやや大きな実も。より小さな実はいくらでもある。皮は薄く、ウンシュウミカン同様に手で剥ける。皮ごとさくさく食べられはするが、僅かながら風味に青臭い癖があるので剥いた方が良いか。但し、甘みが乏しく(ものによってはかなり)すっぱいので(不味くはないのだが)生食には向かない香酸柑橘(こうさんかんきつ)。昭和時代(-1989)に砂糖を振りかけて食べたグレープフルーツくらいにすっぱい。ジンや焼酎(しょうちゅう)に絞って入れたらおいしいかも。晩秋以降に、緑色からオレンジ色に熟す。神奈川県内では収穫されることはなく、カラス(烏)やタイワリンリス(台湾栗鼠)に食い荒らされて終わる。人気が高いようで大体は年末を待たずに売り切れてしまうか。食べられなかった実は(ミカンの仲間に共通して)翌年の初夏頃まで樹上に残る。未熟な緑色のまま越冬する実もあり、春から初夏の間に熟すようである。

タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2023/12/04

#タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2023/12/04

タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2023/12/04

#タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2023/12/04

小雪末候(しょうせつ まっこう)、橘始黄(たちばなはじめてきばむ)──
二十四節気(にじゅうしせっき)の第20、小雪(しょうせつ、新暦11月22日頃~12月6日頃)という季節の終わりには、タチバナの実が黄色く色付くようになりますよ、と。季節感を表す七十二候(しちじゅうにこう)に採用されるほど、かつてはタチバナは人々の生活に馴染み深かった植物なのだろう。なおこの黄ばむものをタチバナの”葉”と説明しているものを時折見かけるのだが、タチバナは常緑の葉が絶ゆることない繁栄の証として好まれており、京都御所の紫宸殿(ししんでん)前に「右近橘(うこんのたちばな)、左近桜(さこんのさくら)」と称して植樹されているくらいで、葉は黄葉しない。葉が秋に黄葉するのを楽しむ植物ではまったくない。この時期に黄色くなってくるものが果実であることは、現物を見たことがある人であれば間違えようのない事実である。

タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/03

#タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/03

タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/11/22

#タチバナの熟した実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/11/22

タチバナの未熟なまま越冬する実 鎌倉市・比企谷幼稚園 2024/12/04

#タチバナの未熟なまま越冬する実 鎌倉市・比企谷幼稚園 2024/12/04

タチバナの未熟なまま越冬する実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/04

#タチバナの未熟なまま越冬する実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/04

タチバナの未熟なまま越冬する実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/04

#タチバナの未熟なまま越冬する実 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/04

キンカンとタチバナの見分け方
キンカン タチバナ
植栽されている場所 民家の庭 日蓮宗の寺境内
実の形状 やや縦長 温州ミカンのようにやや扁平
皮の外観 ぱんぱん 中の房の形がかすかに浮き出てでこぼこ
硬いので手で剥けない 軟らかいので手で剥ける
へた ぽろっと取れる がっちり付いていて剥がすと皮まで剝けてしまう
ほんのり甘い 甘味は弱く、酸味がだいぶ強い

キンカンとタチバナの実の比較 2024/12/05

#キンカンと#タチバナの実の比較 2024/12/05

キンカンとタチバナの実の比較 2024/12/05

#キンカンと#タチバナの実の比較 2024/12/05

へた(果柄(かへい))は皮にがっちりくっ付いているので、取ろうとすると皮まで破けがち。果実がかっさかさになるまで乾燥してしまえばきれいに取れないでもないが。キンカンのへたは、やや強固にくっ付いてはいるがぽろっときれいに除去できる。

タチバナの実がもぎ取られた痕 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/04

#タチバナの実がもぎ取られた痕 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/04

タチバナの実がもぎ取られた痕 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/04

#タチバナの実がもぎ取られた痕 鎌倉市・比企ガ谷・妙本寺 2024/12/04

近似種に、山口県萩市(はぎ-)と韓国・済州島(ちぇじゅとう)にのみ自生するコウライタチバナ(高麗橘)なるものあり。萩市の自生地の一部は国指定天然記念物「笠山コウライタチバナ自生地」。タチバナより実が大きく、直径5cm以上になる。となるとこちらは(キンカンではなく)Sサイズのウンシュウミカンと酷似しており見分けが難しい。タチバナとして市販されていた苗を買ってきて植えたはずが、実がなったらコウライタチバナであることが判明した、ということがちらほらあるとかどうとか。


東京都大田区・#池上本門寺(日蓮宗大本山・霊跡、日蓮大聖人御廟所に、4月27日~29日 千部会(せんぶえ) ※4月28日 立教開宗日、ゴールデンウィーク期間中 植木市)

横須賀市平作(ひらさく)・#大蔵寺(だいぞうじ、日蓮宗系単立、かまくらと三浦半島の古木・名木50選「大蔵寺のタチバナ」、上部傷み、かまくらと三浦半島の古木・名木50選「大蔵寺のイヌマキ」は滅失)、比企ガ谷・#妙本寺(日蓮宗本山・霊跡、祖師堂前に、平成24年(2012)植樹)、#比企谷幼稚園(妙本寺が運営)、#常栄寺(ぼたもち寺、日蓮宗、山門脇他に)、#光則寺(日蓮宗、山門外、土籠(つちろう)登り口前に、本堂前などにコウライタチバナも

龍口寺(日蓮宗本山・霊跡、なし)

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ピラカンサ(タチバナモドキ)