駿河蘭 クサスギカズラ目/ラン科/シュンラン属 花期/9月中旬~下旬 ⇒(令和5年(2023)地球温暖化以降)10月
学名/Cymbidium ensifolium (L.) Sw.
外来種改良種稀少
環境省レッドリスト2019「絶滅危惧IA類(CR)」

スルガランの花 横須賀市山中町 2025/10/18
主に中国(China)や東南アジアに分布する常緑の多年草。日本では九州に細々と自生がある、野生のランの一種。ラン愛好家の間で流通している鉢植えは中国産のものらしい。名は、駿河国(静岡県)原産と誤認されたとか、駿河でよく栽培されていたからとかいうが、由来は不明。静岡県に分布はない。サガミラン(相模蘭)にそっくりでは全然ないが類似するものとしてお隣の駿河の名が冠されたのだろうか。中国(China)福建省産ということでケンラン(建蘭)などとも。園芸品種はギョクチンラン(玉魫蘭)と呼ばれるらしい。異名は他にも多い。ぱっと見は、花時にもシュンラン(春蘭)のような葉を伴っていて、花の形状やサイズ感はマヤラン(摩耶蘭)のようで、花色は緑色、といった感じのもの。神奈川県内に自生なし。植物園などで公に栽培されてもなし。誰かが投棄したのか、平成31年(2019)横須賀市の丘陵地で野生化しているものに出遭った。神奈川県立生命の星・地球博物館の大西亘学芸員に写真数点を見て頂いたところ、スルガランだと思うとのご回答を頂戴した。大西さんによれば三浦半島で近年しばしばスルガラン発見の報告があるのだという。マヤランなどと交雑するなどの問題が生じなければ良いのだけれど。

開花中のスルガラン 横須賀市山中町 2019/09/17

開花中のスルガラン 横須賀市山中町 2019/09/17

開花中のスルガラン(中央) 横須賀市山中町 2025/10/18

開花中のスルガラン(中央) 横須賀市山中町 2025/10/18

実がなったスルガラン 横須賀市山中町 2025/12/15
葉は、花がなければヤブラン(藪蘭)やキチジョウソウ(吉祥草)あたりと見紛うだろう形状。やや幅広になるものがあり、大きな葉で幅2cm。長さ50cm。質感はシュンランの葉と同様にやや硬い。主脈は明らかに凹み、葉は軽く谷折りになる。

スルガランの葉 横須賀市山中町 2025/10/18

スルガランの葉 横須賀市山中町 2025/12/15

スルガランの葉裏 横須賀市山中町 2025/12/15
スルガランの花
ほぼマヤラン。にしては、花被片の緑色が濃過ぎてシュンランを思い起こさせる色合いをしている、側花弁の先端がマヤランのようには開かない、側萼片がマヤランにしては強めに横に広がっている、唇弁にある赤紫斑がほくろ状に入るためマヤランらしからぬ、といった違和感が得られた。一本の花茎(かけい)に付く花の数は、よく成長した株ではマヤランよりも多くなる。花には甘い香りがあるが、鼻を近づけて嗅がずとも香ってくるほどのものではなし。花は変異が多いとか。

スルガランの花 横須賀市山中町 2019/09/17

スルガランの花 横須賀市山中町 2019/09/17

スルガランの花 横須賀市山中町 2019/09/17

スルガランの花 横須賀市山中町 2019/09/17

スルガランの花のサイズ感 横須賀市山中町 2019/09/17

スルガランの花 横須賀市山中町 2025/10/18

スルガランの花 横須賀市山中町 2025/10/18

スルガランの花 横須賀市山中町 2025/10/18

スルガランの花 横須賀市山中町 2025/10/18

スルガランの花 横須賀市山中町 2025/10/18
カンラン(寒蘭)の開花はもっとしっかり寒さを感じるようになってから。
スルガランの実

スルガランの未熟な実 横須賀市山中町 2025/12/15
参考資料
『日本のラン ハンドブック ①低地・低山編』 遊川和久解説 中山博史・鷹野正次・松岡裕史・山下弘写真 文一総合出版発行(2015)
マヤラン
シュンラン
アキザキナギラン
駿河蘭についての解説は間違えています。駿河蘭は建蘭とか雄蘭とも言いますが建蘭、雄蘭には色々なタイプの班入り品種があり日本愛蘭連合会と言う恵蘭の趣味者の団体で数種の品種名で登録されています。この建蘭駿河蘭は中国福建省から数百年前の江戸時代に中国から駿河地方に入った蘭で日本に自生はしておりません。環境省の絶滅危惧植物にスルガランが入れられていますがこの建蘭は中国原産の蘭ですから日本の絶滅危惧植物に設定されているのは間違えています。環境省の方がこの記述を見たら絶滅危惧植物から外してほしいです。