夏海老根 クサスギカズラ目/ラン科/エビネ属 花期/8月~9月中旬
学名/Calanthe puberula Lindl.
稀少
環境省レッドリスト「絶滅危惧II類(VU)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IB類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IA類」
#ナツエビネ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/09/13
冷涼な山地の沢すじにあるやや湿った落葉樹林に生える常緑の多年草。名前の通り、夏に咲くエビネの仲間である。神奈川県内では西丹沢などのごく限られた場所でごく少数が発見されているのみで、湘南・鎌倉・三浦半島に自生はない。少数ながら園芸栽培用に「花の大和」から葉付きの株が(秋から初冬に)市販されている(1株900円)。また盗掘品がオークションサイト等に流れている。ナツエビネの特性として乾燥と真夏の高温が大嫌いなため、神奈川県南部の平野部(市街地)で栽培することは難しい。ようやく蕾を付けたとしても、花開く前に腐って黒ずみ、ぼとぼと落ちてしまう高温障害が多発しやすい。また病気にも罹(かか)りがち。従って、植物園などでもまず見かけない。真夏に、いかに涼しく、かつ腐らせることなく(空気も)湿った状態を維持できるか、が栽培の決め手となる。人間が”暑い”と感じる夏(およびその前後)の強い日差しには絶対に当ててはいけない。水はけの良い土を用いれば、根は多少の過湿には耐えてくれるはず。土は湿っているが空気は乾燥しているという場合は、葉に霧吹きする。
#ナツエビネ(植え付け後) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/01/13
夏の#ナツエビネ(傷んでいる葉は去年の古葉) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
初秋にもう一花咲かせた#ナツエビネ(同一株) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/10/18
初秋にもう一花咲かせた#ナツエビネ(同一株) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/10/18
#ナツエビネの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2021/01/13
#ナツエビネの葉柄 茅ヶ崎市浜之郷 2021/01/13
水をやったらたちまち腐った#ナツエビネ 茅ヶ崎市浜之郷 2022/08/03
リュウキュウエビネ(琉球海老根)などの夏咲きするエビネの仲間が誤ってナツエビネと呼ばれることがあるので注意。
ナツエビネの花
花茎(かけい)をほぼ直立させて上部で花をいくつか咲かせる。花色はやや淡いピンク色。気温が高いと色が薄くなり、白っぽくなる。
#ナツエビネの生え出てきた蕾(既に一部は黒ずみ腐っている) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/21
#ナツエビネの一部が高温障害で腐り黒ずんだ蕾(白い部分は咲く) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
#ナツエビネ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/09/13
#ナツエビネ 茅ヶ崎市浜之郷 2021/09/13
#ナツエビネの初秋の花(色形が異なるが同一個体) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/10/18
#ナツエビネの初秋の花(色形が異なるが同一個体) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/10/18
栃木県塩谷町(しおやまち)船生(ふにゅう)7956・#大島家(山林に栽培由来の群生地、1万株)、東京都調布市・#野草園(8月下旬、近くでは見れない)、東京都八王子市・高尾山(山頂付近、7月末~8月初旬)
#天園休憩所?(鉢植え、7月末~8月中旬)、#藤沢えびね・やまゆり園(8月上旬~中旬、8月上旬で閉園する)
#光則寺(なし、リュウキュウエビネか)
大和市・#泉の森(8月下旬早め)、#箱根湿生花園(令和5年(2023)ハンノキ~ザゼンソウ間のミズバショウ側の2地点にまとめて多い、8月上旬やや遅め)
こんにちは。この自生をどこかで見たいと思っていますが、なかなか叶いません。高尾山系でも聞きません。