エビネ

海老根 クサスギカズラ目/ラン科/エビネ属 花期/4月~5月上旬
学名/Calanthe discolor Lindl.

自生種改良種稀少保護

環境省レッドリスト2018「準絶滅危惧(NT)」
神奈川県レッドリスト2020「準絶滅危惧」
神奈川県レッドリスト2006「絶絶滅危惧II類」

エビネ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/21

#エビネ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/21

半日陰、または明るい日陰の林床に生える常緑の多年草。約二百四十種あるという日本に自生するラン(蘭)のうちの一種である。別名エビネラン(海老根蘭)。エビネという名は、地表近くの地下に横に並べて作られてゆく小さな球根状の偽鱗茎(ぎりんけい、バルブ)がエビ(の腹)に見立てられたのだそうな。どう見たらエビに見えるのかはちょっとよくわからない。なおエビネといった場合は、日本に広く自生しているエビネという一種(愛好家がジエビネ(地海老根)と呼び分けているもの。ホンエビネ(本海老根)という呼称はない)を指す狭義の場合と、エビネの近似種およびそれらと交配されるなどした園芸種を総称していう広義の場合、がある。ランの仲間は異様に高い人気を誇り、ブームは下火になったとはいえ今なお熱烈な愛好家を惹き付けてやまない。ゆえに、栽培目的や販売目的の盗掘が絶えない状態が今なお続いている有様である。また住宅団地の開発等で自生地そのものが消滅する傾向も歯止めがかかっていない。従って湘南・鎌倉・三浦半島にも自生のエビネ(ジエビネ)はないわけではないものの、ハイキングコースを歩けばちょいちょい遭遇するというものでは最早まったくなく、人に見つかれば持ち去られ、自然保護団体が活動している場所であれば立入りが制限されるなどして人目に触れないように隠されてしまうだろう。いずれにせよ、一般の大多数の人からしてみれば絶滅したも同じ状態となってしまっている。自生のエビネ(ジエビネ)でないものならば、園芸種を中心にホームセンターの園芸コーナーなどで多数販売されており、特に珍しいものではない。植物園や鎌倉の寺境内でもよく栽培されているので、観光客が目にする機会は少なくない。

開花前のエビネ(ジエビネ) 藤沢市・新林公園 2024/04/16

開花前のエビネ(ジエビネ) 藤沢市 2024/04/16

キエビネ系のエビネなど 横浜市戸塚区・俣野園 2017/04/24

キエビネ系の#エビネなど 横浜市戸塚区・俣野園 2017/04/24

エビネの群生 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/21

#エビネの群生 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/21

葉は、花の蕾と同時に生え出て展開される。ササ(笹)の葉を思わせる形状。冬、傷みながらも葉は枯れることはなく、翌年の開花時期まで残存する。

エビネの冬葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

#エビネの冬葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

エビネの冬葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/20

#エビネの冬葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/20

サイハイラン(采配蘭)の葉と紛らわしいが、葉の生え際が黒っぽい色の葉鞘(ようしょう)で覆われていればサイハイラン、そのような鞘(さや)が見当たらなければエビネの葉と考えてよいだろうと思う。積もった落ち葉を掻き分けて確認するのみで、土を掘る必要は一切ない。(観察が終わったら落ち葉をかけて原状に戻すこと。)

エビネの冬葉の生え際、黒色の鞘に覆われていない 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/20

#エビネの冬葉の生え際、黒色の鞘に覆われていない 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/02/20

エビネ(ジエビネ)の夏葉 藤沢市・新林公園 2022/07/11

エビネ(ジエビネ)の夏葉 藤沢市 2022/07/11

エビネの花

ジエビネであっても変化が多く、形や色は多彩。黄色っぽい花は、西国に自生があるというキエビネ(黄海老根)と交配された園芸種。鎌倉が最も混雑するといわれているゴールデンウィーク(四月末から五月上旬)に花持ちよく咲くことから、観光客には馴染み深い花となっているはず。

エビネ(ジエビネ)の、葉に包まれた状態で伸長してきた蕾 藤沢市 2019/04/18

エビネ(ジエビネ)の、葉に包まれた状態で伸長してきた蕾 藤沢市 2019/04/18

エビネの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09

#エビネの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09

エビネ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09

#エビネ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09

エビネ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09

#エビネ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09

キエビネ系のエビネ 鎌倉市・円覚寺 2018/04/22

キエビネ系の#エビネ 鎌倉市・円覚寺 2018/04/22

キエビネ系のエビネ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/04/24

キエビネ系の#エビネ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/04/24

エビネ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/04/24

#エビネ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/04/24

エビネ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/04/24

#エビネ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/04/24


東京都町田市・#町田薬師池公園四季彩の杜町田えびね苑(4月下旬~5月上旬のみ開園)、横浜市戸塚区・#俣野園

#覚園寺(愛染堂前庭)、#安国論寺、#安養院(マキの木の下)、#光則寺、#大船フラワーセンター(もみじ山)、藤沢市・#遠藤まほろばの里 藤沢えびね・やまゆり園(300円)

馬堀自然教育園、大楠山、#衣笠山公園(エビネ園 ※滅失)、#荏柄天神社、高麗山公園

厚木市・七沢森林公園、秦野市・弘法山(以前はふつうに自生していたが盗掘により絶滅に近い状態)、秦野市・立野緑地

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