金雀枝、金雀児 マメ目/マメ科/エニシダ属 花期/4月中旬~5月中旬
学名/Cytisus scoparius (L.) Link
有毒薬用外来種改良種駆除稀少
生態系被害防止外来種リスト「総合対策外来種」
#エニシダ 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
園芸栽培されるヨーロッパ原産の半常緑低木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。ゴールデンウィークに見頃を迎える黄色いマメ科の花あらば本種あたりだろう。もちろん胞子を飛ばすシダ植物にあらず。オランダ語のヘニスタ(Genista)の名で日本へ入ってきたが訛ってエニスダ、更に転じてエニシダになったのだとか。昔は湘南エリアでよく栽培されていたと聞いたことがあるけれど、今では滅多に見かけない。枝が頑丈なためか、ヨーロッパではエニシダの枝で箒(ほうき)が作られたらしい。従って、魔女がまたがって空を飛ぶ箒もまたエニシダで出来ているという。神奈川県内では行政が砂防などを目的とした緑化に安易に使用したことから丹沢の自然豊かな稜線にこの外来種が繁茂しているという事態を招いており、顰蹙(ひんしゅく)を買っている。
#エニシダ 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
#エニシダ 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
#エニシダ 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
#エニシダ 茅ヶ崎市・柳島しおさい公園 2019/05/10
#エニシダ 茅ヶ崎市・柳島しおさい公園 2019/05/10
葉は互生で、三出複葉。小花は長さ1cm程度。葉柄(ようへい)は長さ1cm余り。葉裏と葉柄は少毛で、全体的にも濃い緑色をしている。冬は葉をほぼ落とすだろう半常緑(半落葉)。花がないとちょっと紛らわしいウンナンオウバイ(雲南黄梅)は葉が対生。
#エニシダの葉 茅ヶ崎市・柳島しおさい公園 2019/05/10
#エニシダの稜ある茎 茅ヶ崎市・柳島しおさい公園 2019/05/10
なお近年、ホームセンターの園芸コーナー等でエニシダの名前で市販されているほとんどは、近似種のヒメエニシダ(姫金雀枝)である。エニシダは葉腋(ようえき)に花が咲くのに対し、ヒメエニシダは枝先端の(葉がない)本年枝に花を集中的に(穂状に)付ける、という違いあり。
葉と花が混じるように咲く#エニシダ 茅ヶ崎市・中央公園 2021/04/20
参考)葉と花が完全に分離して咲く#ヒメエニシダ 茅ヶ崎市・中央公園 2021/04/20
全体的により大型ながら紛らわしいものにレダマ(連玉)あり。エニシダは枝に稜(りょう)があり、葉は三出複葉。レダマの枝は稜がないので丸っこくてつるつるしており、葉は単葉。
エニシダの花
蝶形花(ちょうけいか)と呼ばれるマメ科らしい姿の花。枝にまんべんなく付く。小花は成人男性の親指の関節一つ分くらいはあるまずまず大きな花で、見栄え良好。縦横の長さ1.5~2cm、奥行き2cm程度。花色は明るめでしっかりと濃い黄色。遠くから眺めてもよく目立つ黄色である。品種にもよるようながら、基本的には芳香なし。見頃は四月末から五月初旬。
#エニシダ 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
#エニシダ 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
#エニシダ 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
#エニシダ 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
#エニシダ 茅ヶ崎市・柳島しおさい公園 2019/05/10
#エニシダ(ホオベニエニシダ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/04/27
エニシダの実
マメ科の植物なので豆ができる。
#エニシダの若い実 鎌倉市・龍宝寺 2019/05/05
#英勝寺、#龍宝寺(参道石段下庫裏側)、#茅ヶ崎館
茅ヶ崎市・#中央公園(外周南東=日陰で花付き不良、外周南側にヒメエニシダ=5月上旬)、#JR茅ヶ崎駅(相模線への分岐周辺の線路内に見える黄花はおそらく本種)、#柳島しおさい公園(少年蹴球場北側、滅失)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)