深山鳴子百合 クサスギカズラ目/クサスギカズラ科/アマドコロ属 花期/4月下旬~5月上旬
学名/Polygonatum lasianthum Maxim.
自生種稀少保護
ミヤマナルコユリ 愛川町・八菅山いこいの森 2023/05/02
半日陰や明るい日陰となる林床に生える多年草。近似種であるホウチャクソウ(宝鐸草)やナルコユリ(鳴子百合)と似たような環境を好む。名前に反して分布は深山幽谷には限らず、身近な丘陵地の雑木林にも生えうる。神奈川県内では川崎・横浜方面、厚木市以北に自生あり。湘南・鎌倉・三浦半島にはほぼ皆無なのでかなり希少な野草という認識でいたが、県北部の分布域では次から次と見つけられる普通種だった。栽培はされていない。
やや湿った林縁に生えたミヤマナルコユリ 愛川町・鳶尾山道 2023/03/31
乾燥気味な林床に生えたミヤマナルコユリ 愛川町・八菅山いこいの森・八菅神社 2023/04/05
乾燥気味な林床に生えたミヤマナルコユリ 愛川町・八菅山いこいの森・八菅神社 2023/04/05
薄暗い林縁に生えたミヤマナルコユリとホウチャクソウ 愛川町・鳶尾山道 2023/05/02
ミヤマナルコユリ 愛川町・八菅山いこいの森 2023/05/02
葉が幅広で丸っこい印象を受けるので、全体的な姿はアマドコロ(甘野老)に酷似する。葉の裏側は同様に少し白っぽい。本種は葉の縁(ふち)が軽く波打つ違いあり。
ミヤマナルコユリの葉 愛川町・鳶尾山道 2023/03/31
ミヤマナルコユリの葉 愛川町・八菅山いこいの森 2023/04/05
ミヤマナルコユリの葉 愛川町・八菅山いこいの森 2023/05/02
ミヤマナルコユリの白っぽい葉裏 愛川町・鳶尾山道 2023/03/31
ミヤマナルコユリの花
時期的には、ホウチャクソウとアマドコロが咲き終わった頃、ナルコユリより前に開花する。花が茎の真下に垂れて咲くアマドコロやナルコユリとは明確に違い、本種は花柄(かへい)が葉が付く方向に横に伸びてから垂れて咲く。従って、花は茎の真下ではなく葉の真下で咲く。花柄は葉裏に接しているだけで、合着はしていない。
ミヤマナルコユリの蕾 愛川町・八菅山いこいの森 2023/04/05
ミヤマナルコユリ 愛川町・八菅山いこいの森 2023/05/02
ミヤマナルコユリ 愛川町・八菅山いこいの森 2023/05/02
ミヤマナルコユリの特徴 愛川町・八菅山いこいの森 2023/05/02
時期的に虫食い被害に遭いやすく、きれいな花を見つけるのには少し苦労するかもしれない。
川崎市多摩区・生田緑地、横浜市戸塚区・舞岡公園?
横須賀市・馬堀自然教育園
愛川町・八菅山いこいの森(はすげさん-、多い)、厚木市・鳶尾山(とびおさん、麓に多い)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)