イヌキクイモ

犬菊芋 キク目/キク科/ヒマワリ属 花期/8月下旬~9月
学名/Helianthus strumosus L. var. willdenowianus Thell.

キクイモとして=外来生物法「要注外来生物」(廃止)

食用外来種改良種駆除

イヌキクイモ 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

イヌキクイモ 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

北米原産の大型な多年草。農地や河川周辺に帰化雑草として生えてくる普通種。夏の終わりから秋のはじめ、オオブタクサ(大豚草)などが生えてしまっている川の土手でぼうぼうに生い茂った雑草にまみれて花がちょっと小さめなヒマワリ(向日葵)のようなものが咲いていて”何だアレ”と感じたら、おそらく本種。(人に採取されやすかったのか)決まって人の手が届かない荒れた場所に生えている。全体的な姿はヒマワリ同様で、茎は一本直立して、草丈は2mを超え、ときに3mくらいになるものも。枝分かれ多い。ちょっとひょろっとしていることもあって台風などの暴風にはよく負け、倒れたり折れたりして荒れる。周辺の雑草もろとも刈払われることも多い。

川べりに生えたイヌキクイモ 寒川町大曲・小出川 2020/09/15

川べりに生えたイヌキクイモ 寒川町大曲・小出川 2020/09/15

水田近くの草藪に生えたイヌキクイモ 寒川町田端 2020/09/15

水田近くの草藪に生えたイヌキクイモ 寒川町田端 2020/09/15

水田近くの草藪に生えたイヌキクイモ 寒川町田端 2020/09/15

水田近くの草藪に生えたイヌキクイモ 寒川町田端 2020/09/15

草藪に生えたイヌキクイモ 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

草藪に生えたイヌキクイモ 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

台風で倒れたらしい、よく見る感じのイヌキクイモ 逗子市・池子の森自然公園 2019/09/14

台風で倒れたらしい、よく見る感じのイヌキクイモ 逗子市・池子の森自然公園 2019/09/14

はたして、イヌキクイモの正体は野生化したキクイモだ、ともいわれる。実際、地上部だけを見ても両者を区別できない。ただし、地下にできるイモ(芋、塊茎(かいけい)という)の形状が異なる、という違いあり。花期も違うとかどうとか。結局のところ両者は同種なのか、変種とかなのか、栽培ものと野生化したもので違う性質が表れたちょっとした型の違いなのか、外来種で雑種も生まれやすいヒマワリ属のものとあって、判然としていない。※本サイトでは両者は同種ではないかとの疑いを持っており、イモを掘らねば違いがわからない以上一般には両者を分けて論ずる価値はなかろうとも感じているが、帰化雑草として生えているキクイモらしきものは(特段の事情がない限り)いずれもイヌキクイモとしてあえて別頁を設けて掲載しておく。なお共通する性質はキクイモの頁に記してあるので参照されたい。

川べりの草藪に生えたイヌキクイモ 茅ヶ崎市萩園・小出川

川べりの草藪に生えたイヌキクイモ 茅ヶ崎市萩園・小出川

イヌキクイモ 藤沢市・新林公園 2016/09/27

イヌキクイモ 藤沢市・新林公園 2016/09/27

学名は Helianthus strumosus が当てられているが、strumosusは、塊茎はできない、茎の下部はほとんど無毛、葉はほとんどすべて対生で、やや細めで、葉裏は無毛、等のその特徴とイヌキクイモの特徴が一致しておらず、不適当とされる。結局のところ、キクイモと同じtuberosus系の学名が当てられることに今後なってゆくかもしれない。

葉は、茎の下部で対生、茎上部で互生する。環境差や成長具合の違いなどによって、もしかしたらほぼほぼ対生のものもあるかもしれない。

イヌキクイモの葉 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

イヌキクイモの葉 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

イヌキクイモの葉 茅ヶ崎市萩園・小出川 2018/09/24

イヌキクイモの葉 茅ヶ崎市萩園・小出川 2018/09/24

茎はしっかり直立できておらず、地面に倒れ伏している状態のものが多い。途中からにわかに頭を持ち上げ、葉を付け花を咲かせている。

イヌキクイモの粗毛が生えた茎上部 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

イヌキクイモの粗毛が生えた茎上部 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

キクイモモドキ(菊芋擬)なる紛らわしい名前の近似種もあり。ただしキクイモモドキはキクイモやイヌキクイモとは属が違って、葉は最上部を除いて対生、葉の基部が切形(せっけい)気味、筒状花(とうじょうか)部分が円錐形にこんもり盛り上がる、そもそも草丈は1.5m程度までとやや小さめ、といった違いが多々あるので区別はできよう。神奈川県内に帰化はほとんどないようであるが。

イヌキクイモの花

キクイモより花弁(のように見える舌状花)が少ないという。15枚以下。

イヌキクイモ 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

イヌキクイモ 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

イヌキクイモ 茅ヶ崎市萩園・小出川 2018/09/24

イヌキクイモ 茅ヶ崎市萩園・小出川 2018/09/24

イヌキクイモ 茅ヶ崎市萩園・小出川 2018/09/24

イヌキクイモ 茅ヶ崎市萩園・小出川 2018/09/24

イヌキクイモ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/12

イヌキクイモ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/12

イヌキクイモの総苞片 茅ヶ崎市柳島 2016/09/12

イヌキクイモの総苞片 茅ヶ崎市柳島 2016/09/12

イヌキクイモの総苞片 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

イヌキクイモの総苞片 平塚市・馬入水辺の楽校 2016/09/29

イヌキクイモの芋

地下を根っこのような根茎(こんけい)が走り、その先端にイモ状の塊茎ができる。キクイモの塊茎はぼっこぼっこに膨らんだ豊かなものであれど、イヌキクイモのはぼこぼこ膨らまずそっけない形状のもの。キクイモ同様に食べることができるという。

イヌキクイモの芋 茅ヶ崎市柳島・しおさいの森 2016/10/27

イヌキクイモの芋 茅ヶ崎市柳島・しおさいの森 2016/10/27

イヌキクイモの芋 茅ヶ崎市柳島・しおさいの森 2016/10/27

イヌキクイモの芋 茅ヶ崎市柳島・しおさいの森 2016/10/27

なお茎の根元を両手で持って力づくで引っこ抜くと、イモが一つも付いていないことあり。そもそもイモができない種であった可能性も否定はできないが、単に千切れてしまったものかと思われる。周辺を軽く掘ってみてもイモが発見できなかったが、長く伸びていた根茎が千切れたか。(広範囲に掘らないとイモは見つけられない可能性。)

引っこ抜いても芋が付いてこなかったイヌキクイモ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

引っこ抜いても芋が付いてこなかったイヌキクイモ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

芋が付いてこなかったもの(左)と芋が一つ付いてきたイヌキクイモ(右) 茅ヶ崎市柳島・しおさいの森 2016/10/27

芋が付いてこなかったもの(左)と芋が一つ付いてきたイヌキクイモ(右) 茅ヶ崎市柳島・しおさいの森 2016/10/27

イヌキクイモ型塊茎を人為的に栽培すれば、大きく成長してキクイモ型塊茎が収穫できるのではないか、とも思うが、そうならないとの話あり。であるならば、イヌキクイモの姿が自然でキクイモは優良な選抜品種、という可能性が見い出せるか。


新林公園(9月末~10月上旬、近くでは見れない)、茅ヶ崎市柳島・しおさいの森(駆除されている)、馬入水辺の楽校(多くはない、荒れ地で絡み合って生えているため引っこ抜けない)、茅ヶ崎市萩園・小出川(萩園橋右岸土手、かなり背高、9月20日頃)

滑川(犬懸橋付近、近くで見れない)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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