犬砥草、犬木賊 トクサ目/トクサ科/トクサ属 花期/5月~7月
学名/Equisetum ramosissimum Desf. subsp. ramosissimum
自生種
イヌドクサの胞子嚢穂 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
シダ植物で、どこにでも生える常緑の多年草。トクサの仲間で、同様に茎に縦の条(すじ)がたくさん入っておりざらざらする。が、トクサのようには用途がない雑草でしかないため、植物の世界で”人の役に立たない”ことを意味するイヌが名前に冠されている。湘南・鎌倉・三浦半島で、さほど頻繁に目にするものではないながら普通種。川の近くに生えると聞くが、市街地の植え込みなどにも繁茂しているただの雑草。地下茎で増えるため、生えている場所では大群生しやすい。イヌドクサが茂ると荒れ地感が出るため、夏前後に恒例の草むしりで引っこ抜かれるか。
イヌドクサの群生 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
イヌドクサの群生 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
イヌドクサの群生 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
イヌドクサ 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
全体的な雰囲気は、トクサよりもスギナ(杉菜)やイヌスギナ(犬杉菜)に似ている。ただし、より大型に思える。草丈は人の膝(ひざ)下から腰程度。枝をほとんど出さない(中途半端に短い枝を若干出しかける)型と、長い枝をたくさん出す型の二派あり。枝をほどんど出さないものはバランス悪くて不格好。イヌドクサを象徴する姿ではある。枝をよく出すものはイヌスギナと紛らわしいが、イヌドクサは茎を触るとトクサのようなざらざら感があり、茎の断面は中空(ちゅうくう、中身が空っぽ)。イヌスギナの茎は縦にざらざらはせず、茎断面にはルオーテ(車輪形パスタ)のような紋様がある。
イヌドクサの枝をよく出しているもの 茅ヶ崎市・中央公園 2019/07/26
イヌドクサの茎と枝 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
イヌドクサの茎の切断面は中空 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
イヌドクサの茎を節で引っこ抜いた断面と枝 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
近似種にミズドクサ(水砥草)という紛らわしいのがいるが、水辺に生えて抽水性。短いながら、枝を規則的によく出す。県内自生なし。僅かながら植栽ないし逸出がないでもないらしい。
イヌドクサの花(胞子嚢穂)
トクサ同様、茎のてっぺんにツクシ(土筆)のような姿の胞子嚢穂(ほうしのうすうい)を付けて胞子を飛ばす。シダなので花は咲かない。梅雨(つゆ)の前後を含めたやや長い期間、胞子嚢穂をぽつりぽつりと見ることができるだろう。
イヌドクサの胞子嚢穂 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23
イヌドクサの胞子嚢穂 茅ヶ崎市・屋内温水プール 2019/06/23