ボタンボウフウ

牡丹防風　セリ目／セリ科／カワラボウフウ属　花期／7月～9月上旬

食用薬用自生種保護

岩崖上に生えた小型なボタンボウフウ　藤沢市・江の島・西浦　2019/07/25

海に面した岩崖（がんがい）上の草地との境目などに生える常緑の多年草。名前は、葉がボタン（牡丹）に似て、防風という生薬が採れる中国原産の植物に類似するものの意。サイズ感は個体差大きく中型から大型なものまであり、草丈はよく見かけるのは人の膝（ひざ）下くらいのもので、海風に晒されない場所に生えて大型化したものは腰程度まで成長する。海辺に生える類似した姿のものにハマウド（浜独活）とアシタバ（明日葉）があるが、ボタンボウフウは葉の形状がまったく異なるので見分けは一目瞭然。湘南・鎌倉・三浦半島では岩場ある三浦半島と江の島に自生あるも、数は多からず。採取や葉の摘み取りはしてはいけない。江の島では岩屋に通じる参道沿いにもこっそり生えていたりするけれども、おそらく刈払われてしまうのだろう花も咲かないような小さな（若い）株ばかりなので観光客の目には留まらないか。海水浴場などの砂浜周辺には生えていない。

岩崖上に生えたボタンボウフウ（白色矢印）　藤沢市・江の島・稚児ヶ淵　2019/07/25

岩崖上に生えたボタンボウフウ　藤沢市・江の島・稚児ヶ淵　2019/07/25

岩崖上に生えた小型なボタンボウフウ　藤沢市・江の島・西浦　2019/07/25

岩崖に生えた小型なボタンボウフウ　藤沢市・江の島・西浦　2019/07/25

岩崖上の草地に生えたボタンボウフウ　三浦市・黒崎の鼻　2017/08/04

葉は二回三出複葉（切れ込みが入る小葉3枚×3セット）で、なんとなくかわいらしい形状のもの。ボタンの葉にはちょっと似ていないか。光沢はなく、粉を吹いたような少し白っぽいような青っぽいような緑色。見た目からは柔らかそうに思えるが意外にもぱりぱり硬めで、強烈な直射日光や海風が直撃しても耐えられる仕様となっている。若い葉は食用になるらしい。沖縄での呼称の長命草（ちょうめいそう）として資生堂などが健康食品やサプリメントとして売り出してもいる。根も薬用になる。