東京達磨蛙 両生類/無尾目/アカガエル科/トノサマガエル属 産卵期/5月~6月
学名/Pelophylax porosus porosus (Cope, 1868)
在来種稀少保護
環境省レッドリスト2018「準絶滅危惧(NT)」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧II類」
トノサマガエル=環境省レッドリスト2018「準絶滅危惧(NT)」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧I類」
トウキョウダルマガエル 藤沢市大庭 2018/09/12
いわゆるトノサマガエル(殿様蛙)。中型のカエル(蛙)で田んぼ周辺に生息。普段は畦の上でひなたぼっこをしており、人の気配を感じるとすぐ一蹴りして田んぼの水の中にちゃぽんと飛び込み姿を隠す(ウシガエル(牛蛙)、ツチガエル(土蛙)も同様)。びっくりして逃げるとき、「キャッ」と、女子みたいな声を発することがある。褐色と緑色のツートンカラーで、一般的には気色悪がられるデザイン。左右両頬の鳴嚢(めいのう、鳴き袋)を膨らませて「ケケケケッ」と鳴く。名前の由来は、大きめの丸っこい体に短めの足という体形が達磨に見立てられたためらしい。
トウキョウダルマガエル 寒川町一之宮 2022/07/12
トウキョウダルマガエル 寒川町一之宮 2022/07/12
トウキョウダルマガエル 寒川町一之宮 2022/07/12
水路に落ちてしまったトウキョウダルマガエル 藤沢市大庭 2018/10/02
トノサマガエルは関西に分布し、関東で見られるものはトウキョウダルマガエルとされる。神奈川県内にトノサマガエルはいないと断言する資料が多いが、山北町と箱根町仙石原にはいるとかいないとか、いても人為的に持ち込まれたものではないかともいい、よくわからない。とりあえずは、県内で見られるものはすべてトウキョウダルマガエルということにしておく。トウキョウダルマガエルの名が一般に認知されるようになったのはインターネット普及(平成10年(1998)のWindows98発売を契機)より後で、それ以前はトノサマガエルと呼ばれていた。
両者は酷似するが、トウキョウダルマガエルは斑紋がきれいな黒丸で独立することが多く、トノサマガエルの斑紋は縦長で複数が結合したような模様となる。
トウキョウダルマガエルの緑色なし個体 藤沢市大庭 2018/10/16
昭和時代(-1989)まではどこの田んぼでも大量に見られたが、その後ゲンゴロウ(源五郎、県内絶滅)やタガメ(田鼈、県内絶滅)などと共に急速に数を減らした。産卵・オタマジャクシの時期を直撃する田んぼの中干しが原因だとか、強力な農薬や除草剤の影響とか、外来種であるアメリカザリガニ(亜米利加蜊蛄)やウシガエルに捕食されたためとかいう。水田そのものも減っているが、水田があってもトウキョウダルマガエルはなかなか見つけられなくなっている。
産卵は生息場所である水田で。水中に粒々の卵塊を産む。田植えの時期に重なり周辺に雑草もよく茂ってくるため、卵の観察はできない。
藤沢市大庭、寒川町一之宮
湘南タゲリ米の里(少数いるらしいが見たことはない、通年設置されているビオトープ水田はトウキョウダルマガエル用という=実際はウシガエル用に)、茅ヶ崎市・浜之郷小学校南側の田んぼ(昭和時代は多数いたが絶滅か)