ヤポンノキ

やぽんの木 モチノキ目/モチノキ科/モチノキ属 花期/5月上旬~中旬 結実期/11月~1月
学名/Ilex vomitoria Aiton

外来種改良種稀少

枝垂れヤポンノキの実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

枝垂れ#ヤポンノキの実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

アメリカ合衆国南部などを原産とする常緑の低木または小高木で、雌雄異株(しゆういしゅ)。枝垂れる品種もある。ヤポン(Yaupon)というちょっと奇妙な名前は、アメリカ先住民(インディアン、ネイティブ・アメリカン)の言語に由来するもの。カフェインを含むため先住民がハーブティーとして儀式で飲用し、(原因は定かでないが)嘔吐することがあったらしい。学名の種小名(しゅしょうめい、種名)は嘔吐(Vomiting)を意味している。直訳して牧野富太郎博士風に品位を欠く和名を付けてみるならゲロハキモチ(げろ吐き黐)とかゲボツゲ(げぼ黄楊)といった感じになろうか。英名からヤポンホーリー(Yaupon holly)、単にヤポンとも。ホーリーは同様に赤い実を付けるセイヨウヒイラギ(西洋柊)のこと。生垣として、あるいはトピアリー(刈り込んで動物の形などに仕立てた木)にして、園芸栽培されることがある。葉の見た感じは同属のイヌツゲ(犬黄楊)によく似ていて(ヤポンノキの方がちょっと大きめ)、雌株にできる赤い実は同属のクロガネモチ(黒鉄黐)を連想させるだろう(ヤポンノキの実の方が明らかに小さい)。平たくいえば”赤い実がなるイヌツゲ”といった感じの樹木である。仮に庭木として植えられていても、赤い実でも付いていない限りはイヌツゲと勘違いしてこれと気づかないか。現状、知名度は低いを通り越して完全に無名。ホームセンターなどで売られているのも見かけない。但し、神奈川県に本種に執着する人がいるようで、令和2年(2020)に神奈川県農業技術センター(平塚市上吉沢)が新品種’八剱枝垂れ(やつるぎしだれ)’を発表するなど、育成に熱心。神奈川県立の公園や植物園に人知れず植栽されていることがある。新しい樹種として今後広く出回る可能性はあるかもしれない。見た目悪くなく、刈り込みに強い。セイヨウツゲ(西洋ツゲ、西洋黄楊)という呼称で販売されることも。

枝垂れヤポンノキ 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れ#ヤポンノキ 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

イヌツゲ園のイヌツゲとヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

イヌツゲ園の#イヌツゲと#ヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

枝垂れヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/03/07

枝垂れ#ヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/03/07

枝垂れヤポンノキの樹名板 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

枝垂れ#ヤポンノキの樹名板 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

ヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/03/07

#ヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/03/07

ヤポンノキ(雄株)の玉仕立て 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

#ヤポンノキ(雄株)の玉仕立て 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

開花し始めた枝垂れヤポンノキの雌株 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

開花し始めた枝垂れ#ヤポンノキの雌株 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

開花中の枝垂れヤポンノキの雌株 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

開花中の枝垂れ#ヤポンノキの雌株 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

ヤポンノキのよく刈り込まれた植え込み 相模原市南区・相模原公園 2022/05/05

#ヤポンノキのよく刈り込まれた植え込み 相模原市南区・相模原公園 2022/05/05

イヌツゲ(左奥)とヤポンノキ(右) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

#イヌツゲ(左奥)と#ヤポンノキ(右) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

イヌツゲ園のイヌツゲと赤い実が付いた枝垂れヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター

イヌツゲ園の#イヌツゲと赤い実が付いた枝垂れ#ヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター

赤い実が付いた枝垂れヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

赤い実が付いた枝垂れ#ヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

赤い実が付いた枝垂れヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

赤い実が付いた枝垂れ#ヤポンノキ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

葉は互生でイヌツゲに似るが少し大きい。イヌツゲより鋸歯(きょし)はやや大きめで丸みを帯びているが、微妙な差異でしかないか。

枝垂れヤポンノキの葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れ#ヤポンノキの葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れヤポンノキの葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れ#ヤポンノキの葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れヤポンノキの葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れ#ヤポンノキの葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れヤポンノキの葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れ#ヤポンノキの葉 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

葉身は基部側が最も幅広になる披針形(ひしんけい)になる傾向。であればイヌツゲと見分けられるのだが、披針形でない楕円形のものもある。

枝垂れヤポンノキの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

枝垂れ#ヤポンノキの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

枝垂れヤポンノキの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

枝垂れ#ヤポンノキの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

ヤポンノキ(左)とイヌツゲ(右)の葉の比較 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/03/07

#ヤポンノキ(左)と#イヌツゲ(右)の葉の比較 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/03/07

ヤポンノキの花

同じモチノキ属のモチノキ(黐の木)シナヒイラギ(支那柊)などに似たやや地味な花を咲かせる。

枝垂れヤポンノキの(雌株の)雌花 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れ#ヤポンノキの(雌株の)雌花 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れヤポンノキの(雌株の)雌花 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

枝垂れ#ヤポンノキの(雌株の)雌花 平塚市・花菜ガーデン 2022/04/30

ヤポンノキの(雄株の)雄花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

#ヤポンノキの(雄株の)雄花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

ヤポンノキの(雄株の)雄花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

#ヤポンノキの(雄株の)雄花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/02

ヤポンノキの実

小さめの赤い実がなる。枝を剪定されている植え込みなどでは花や実の付きはだいぶ悪くなる。

枝垂れヤポンノキの実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

枝垂れ#ヤポンノキの実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

枝垂れヤポンノキの実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

枝垂れ#ヤポンノキの実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

枝垂れヤポンノキの実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08

枝垂れ#ヤポンノキの実 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/08


#大船フラワーセンター(イヌツゲ園に3株、同園に枝垂れ1株=雌株)、#花菜ガーデン(チャペックの家と庭に枝垂れ1株=雌株)

相模原市南区・#相模原公園(モクセイゲート北側の通路沿いに生垣見本)

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