ウツボグサ

靫草 シソ目/シソ科/ウツボグサ属 花期/6月~7月上旬 結実期/6月末~7月
学名/Prunella vulgaris L. subsp. asiatica (Nakai) H.Hara

薬用自生種稀少保護

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

日当たりの良い草地などに生える多年草。靫(うつぼ、ゆき、ゆぎ)は”海のギャング”と呼ばれる魚のウツボ(鱓)ではなく、武者が弓矢を携帯するために用いる筒形の収納具のこと。花序の見た目が、籠に弓矢がたくさん入っている状態に見立てられた。『神奈川県植物誌2018』は’県内ではほぼ全域に分布’と記載しているが、少ない。湘南・鎌倉・三浦半島にもある(あった)ことは間違いないが、実際に見かけることはまずなかろう。『神奈川県植物誌2018』発刊に係る調査で標本が採取されたのは一地点に限られている。個人ブログ等に報告が上がることもほぼない。

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサの茎中部の葉 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサの茎中部の葉 大井町赤田 2023/06/10

よく似たものに外来のセイヨウウツボグサ(西洋靫草)なるものあり。ハーブ(独特な芳香ある食草や薬草全般の総称)として栽培され、野外に逸出することがあるらしい。ウツボグサとは亜種の関係に位置付けられており、セイヨウウツボグサの方が基亜種(学名を付ける際に元になった方)である。両者はよく似ているが、セイヨウウツボグサの方が小型(花序も小さく短い)という。また同じく外来種のタイリンウツボグサ(大輪靫草)、別名オバナウツボグサ(大花靫草)が園芸栽培されることがある。学名からプルネラ、ときに誤用からセイヨウウツボグサとも。民家の庭などにあり、花付きが優れ、花色もピンクだ何だと見栄え良ければこちらである疑い。

ウツボグサの花

この手の直立型花序を作るシソ科の仲間はいろいろあるが、本種はだいぶ大きい。見頃は6月下旬。

ウツボグサの開花直前の蕾 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサの開花直前の蕾 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

ウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

真上から見たウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

真上から見たウツボグサ 大井町赤田 2023/06/10

茶色くかさかさに枯れた真夏の花穂(かすい)が夏枯草(かこそう)と呼ばれ漢方薬(生薬)に用いられる。


東京都八王子市・長池公園、横浜市南区・#こども植物園、横浜市戸塚区・舞岡公園(#小谷戸の里)、横浜市泉区・#天王森泉公園

浄智寺

相模原市緑区青根・道志川・鮑子取水口(あびこ-)、大井町赤田、湯河原町あじさいの郷、#箱根湿生花園(②ススキ草原区)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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