高三郎 キク目/キク科/タカサブロウ属 花期/7月中旬~10月 結実期/7月下旬~11月
学名/Eclipta thermalis Bunge
自生種稀少保護
#タカサブロウ(モトタカサブロウ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
田んぼなどの湿地に生える一年草。弥生時代(紀元前4世紀頃~紀元後3世紀頃)にはすでに日本へ入って来ていただろう史前帰化植物と考えられている(あまりにも古い時代の移入種なので在来種の扱いを受けるのが普通)。昭和56年(1981)タカサブロウとされてきた植物はじつは本種とアメリカタカサブロウ(あめりか高三郎)の二種あったことが気づかれ、本種はアメリカタカサブロウに対してモトタカサブロウ(元高三郎)と呼び分けたらどうかと提唱されている。単にタカサブロウといった場合は、両者を区別なく総称する場合、モトタカサブロウを指す場合、の二通りがあって紛らわしい。湘南・鎌倉・三浦半島では、戦後(1945-)に移入してきたと考えられているアメリカタカサブロウにほぼ完全に置き換わっており、その辺の田んぼに大量に生えているのは基本的には全部アメリカタカサブロウの方。タカサブロウ(モトタカサブロウ)を見かけるのは希である。三浦半島の容易に人が立ち入れない谷戸田(やとだ)のようなちょっとした秘境に細々と残っている程度か。と思いきや海辺の乾燥しない湿った砂浜にひょっこり生えていたりすることも。アメリカタカサブロウに生息地を奪われただけで、本種自体は虚弱体質でも何でもなく、旺盛によく茂り、アメリカタカサブロウ同等に大型化し(高さ幅共に60cm程度まで)、種子も大量に作る。男性名を思わせる奇妙な名前の由来は不明。
横須賀市産#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の若い株 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/31
横須賀市産#タカサブロウ(モトタカサブロウ、中央の2鉢) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
葉は、やや短め、幅広め。鋸歯はしっかりあるも、外向きに尖らないのであまり目立たない。葉裏は細かな脈まで強めに浮き上がる傾向。表裏共に(白く細かい)毛が多く、よくざらつく。アメリカタカサブロウの葉は、細くて長く、鋸歯は大きく粗めで、毛は表裏共に生えてはいるが密というほどではないので、特に表側はざらつかない。但し、見慣れてしまうと一目瞭然ではあるのだけれど、初めのうちは葉の形状だけで両者に違いを感じるのはちょっと難しいかもしれない。実が出来ていればその形状で見分ける方が確実。
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/26
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)とアメリカタカサブロウの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2021/09/07
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)とアメリカタカサブロウの葉の鋸歯 茅ヶ崎市浜之郷 2021/09/07
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)とアメリカタカサブロウの葉裏 茅ヶ崎市浜之郷 2021/09/07
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の茎 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
タカサブロウ(モトタカサブロウ)の花
アメリカタカサブロウと大差ないか。
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/26
#タカサブロウ(モトタカサブロウ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/26
#タカサブロウ(モトタカサブロウ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/23
#タカサブロウ(モトタカサブロウ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
#タカサブロウ(モトタカサブロウ) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の総苞 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/22
タカサブロウ(モトタカサブロウ)の実
キク科なので、種子に見える粒それぞれが痩果(そうか)である。若いうちは緑色で、黒色に熟す。ふっくら丸みのある(「翼(よく)がある」と表現される)、ヒマワリ(向日葵)のタネのような形状をしている。アメリカタカサブロウはふっくら感がなく痩せ気味の、肩が鋭利に角張った、スーツ姿の吉川晃司みたいな形状。肉眼で見分けられる。
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の若い実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/31
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の若い実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/08/26
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)の熟してきた実 茅ヶ崎市浜之郷 2021/09/08
#タカサブロウ(モトタカサブロウ)とアメリカタカサブロウの痩果の比較
モトタカサブロウとアメリカタカサブロウの痩果の違い
くりはま花の国、横須賀市野比、天神島臨海自然教育園、黒崎の鼻、葉山町・殿ヶ谷、二宮町・せせらぎ公園?
新年があけました、早速に楽しくて気になる情報源を感謝します。
こちらでアメリカタカサブロウとモトタカサブロウを知りました。
呼び分けた事由
湘南・鎌倉・三浦半島では、戦後(1945-)に移入してきたと考えられているなど
興味深いです。
植物を知りたいケド専門的な事が分からない私にとって
分かりやすい説明文もありがたいです。
タカサブロウ、、(笑)
ネーミングが面白くて どうして高三郎なのか考えて想像して
空いた時間が楽しいです。