アメリカタカサブロウ

あめりか高三郎 キク目/キク科/タカサブロウ属 花期/7月中旬~10月 結実期/7月下旬~11月
学名/Eclipta alba (L.) Hassk.

外来種駆除

アメリカタカサブロウ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/18

アメリカタカサブロウ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/18

ふつう田んぼ周辺や水流の弱い水路などの水辺に生える湿性植物で、熱帯アメリカ原産という一年草。群生しやすい。かつてタカサブロウと呼ばれていたものの中から、昭和56年(1981)に”発見”された帰化植物。現在タカサブロウは、在来種であるモトタカサブロウ(元高三郎)と外来種であるアメリカタサブロウに呼び分けられている。単にタカサブウロウといった場合は、この両方を区別なく呼んでいるか、あるいは在来種モトタカサブロウを指している。モトタカサブロウと見分けられる決定的な違いは”種子(のように見える痩果(そうか))に翼(よく)があるかないか”の一点だけで、他はそっくり。湘南・鎌倉・三浦半島に生えているほとんどは帰化雑草たる本種の方で、モトタカサブロウは滅多にお目にかかれない希少種となっている。何かに混入した種子を人が運んでいるのだろうか、田んぼから離れた水気のない畑の周辺にも生えていることがある。が、市街地や道端では見かけない。人名を思わせる奇妙な名前の由来は不明。

田んぼに生えるアメリカタカサブロウ、上はイネ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

田んぼに生えるアメリカタカサブロウ、上はイネ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

田んぼに茂るアメリカタカサブロウ、左上はイネ 茅ヶ崎市西久保 2018/08/13

田んぼに茂るアメリカタカサブロウ、左上はイネ 茅ヶ崎市西久保 2018/08/13

夏になって水が枯れた水路に群生したアメリカタカサブロウ 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

夏になって水が枯れた水路に群生したアメリカタカサブロウ 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

葉は細長め、鋸歯はやや大きく粗め。表裏共に毛はあるが密というほどではなく、特に表面はあまりざらつかない。モトタカサブロウの葉は、気持ち短め、幅広め、鋸歯はしっかりあるがあまり目立たず、表裏共に毛が多くよくざらつく。という違いがあるのだが、ある程度見慣れていないと葉だけで見分けるのはちょっと難しいかもしれない。

アメリカタカサブロウの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/08/13

アメリカタカサブロウの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/08/13

アメリカタカサブロウの葉 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの葉 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの葉 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

アメリカタカサブロウの葉 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

特に夏の終わり(九月)以降、水気が不足しているだろう(田んぼから離れた)畑でも見かける機会がにわかに増える。

アメリカタカサブロウの花

きれいな白色が特徴。花がかわいらしいだけに(田んぼ周辺などの容赦ない場所を除いて)駆除を免れている傾向が感じられないでもない。花だけ見るとありがちなキク科のものだが、水辺に紛らわしい類似のものは(モトタカサブロウを除いて)特になし。

アメリカタカサブロウ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

花柄(かへい)が長い印象。ただし9月に入るとにわかに柄(え)が短い花が多産されるため、柄の長さはタカサブロウかアメリカタカサブロウかを見分ける判断材料にはならない。花の大きさも参考にならず、花期終わりの花は小さくなる。株全体の大きさもしかり。田んぼ周辺のものは特に、刈られた抜かれたのあとに再生した株は小振り。

アメリカタカサブロウ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/18

アメリカタカサブロウ 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/18

アメリカタカサブロウ 茅ヶ崎市西久保 2018/08/13

アメリカタカサブロウ 茅ヶ崎市西久保 2018/08/13

アメリカタカサブロウ 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

アメリカタカサブロウ 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

アメリカタカサブロウ 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

アメリカタカサブロウ 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

田んぼ周辺に生えているものはイネ刈り前の除草作業で滅失するので、観察は九月中旬までに。

アメリカタカサブロウの実

緑色から黒っぽく熟す。

アメリカタカサブロウの若い実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/18

アメリカタカサブロウの若い実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/18

アメリカタカサブロウの若い実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの若い実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの熟した実 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

アメリカタカサブロウの熟した実 鎌倉市・円覚寺 2019/09/01

アメリカタカサブロウの完熟した実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの完熟した実 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの種子 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの種子 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

種子(のように見える痩果(そうか))の左右に翼(よく、張り出した部分)があるのがタカサブロウ、なければアメリカタカサブロウ。種子は小さく翼の有無は肉眼では確認しづらいので、写真を拡大するかルーペで覗く。大雑把に申せば、肩の部分が丸みを帯びてヒマワリ(向日葵)のタネのような形状だったらタカサブロウ、肩が角張っていて細身だったらアメリカタカサブロウとみてよいだろう。ときにどちらとも言い難い種子も混じっている。

アメリカタカサブロウの翼のない種子 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの翼のない種子 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/13

アメリカタカサブロウの翼のない(肩が角張る)種子 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/18

アメリカタカサブロウの翼のない(肩が角張る)種子 茅ヶ崎市・湘南タゲリ米の里 2018/07/18


横浜市緑区・四季の森公園(「タカサブロウ」がしょうぶ園周辺にあると植物マップに掲載されるが本種の誤認ではないか)

円覚寺(大方丈西側の通路沿い水路)、湘南タゲリ米の里

建長寺回春院

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タカサブロウ(モトタカサブロウ)