サフラン

Saffron、洎夫藍 クサスギカズラ目/アヤメ科/クロッカス属 花期/10月末~11月中旬
学名/Crocus sativus L.

薬用外来種改良種

サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

#サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

ギリシアまたはイランを原産とするのではないか考えられている多年草(宿根草)。球根植物。野生のものは発見されていない、長きにわたって人為的に選抜・栽培されてきた農作物(のうさくぶつ)。原種はクロッカス・カートライティアヌス(学名/Crocus cartwrightianus)が有力視されているがよくわからない。ギリシアの地中海に浮かぶクレタ島で発見された紀元前1500年頃のものとみられる壁画にサフランの雌蕊を採取する図が既に描かれており、とてつもなく古くから、鎮静作用などのある薬用植物として、香辛料(スパイス)として、着色料として、大事にされてきたようである。日本では明治19年(1886)に神奈川県大磯町の添田辰五郎がはじめて栽培を行ったとされ、大磯町が「サフラン発祥の地」を名乗ることがある。現在はその添田から球根を譲り受けた大分県竹田市(たけた-)がサフランの生産量日本一を誇っている。採れる量が少ないため”世界一高価な香辛料”といわれる。日本人にはあまり馴染みはないかもしれないが、本物のサフランライスの着色に使われているといわれれば名前くらいは聞いたことがあるのではないか。現在では花の観賞用に(秋植えの)球根がホームセンターの園芸コーナーでも市販されている。平たくいえば秋咲きのクロッカスといった感じの植物。クロッカスを花サフランと呼ぶのに対し、本種は薬用サフランと呼び分けられることがある。見た目や名前が似ている植物は他にも多々あり、猛毒のイヌサフラン(犬さふらん)は食べると死ぬので要注意。ソフランは柔軟剤の商品名。

サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/11/11

#サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/11/11

サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

#サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

#サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

球根は9月頃に土に植えないことをお薦めする。球根は、芽が出る方を(芽がまっすぐ育つように)真上にして土に植えずに風通しの良い日陰に放置しておくと、10月にホワイトアスパラガスのような芽が伸びている。芽は中心の大きな一本ないし二本を残し、その他はすべて掻き取ってしまうこと。この”芽掻き”の作業をやらないと、芽が出た数だけ分球してしまうため、翌年には子球(しきゅう)が数はたくさん採れるがどれも小さくて開花させるには何年もかかるようなものばかり、となってしまうので注意が必要。球根を大きく育てたいのであれば芽掻きをやる。芽掻きを済ませたら土に植えれば葉が出て花が咲く。または植えずに更に放置しておくと先に花が咲いて葉が伸びる。雌蕊を収穫するのであれば土に植えない方が汚れてしまわないので良い。花が終わったら(余計な芽が出ているようなら再度芽掻きを行って)土に植えて、日当たりの良い場所で球根を大きく育てる。葉は初夏に枯れる。葉がすべてぱりぱりに枯れたところで球根を掘り上げて、風通しの良い日陰でまた秋まで保存する。枯れ葉は切り取る。植えっぱなしにしておくと高温多湿で球根が腐ってしまうこともあるので注意。

サフランの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

#サフランの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

サフランの花

花色にバリエーションはなく紫のみ。観賞期間は短く、花は三日くらいで萎(しお)れてしまう。

サフランの咲き始め 茅ヶ崎市浜之郷 2021/11/04

#サフランの咲き始め 茅ヶ崎市浜之郷 2021/11/04

サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/11/04

#サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/11/04

サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/11/04

#サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2021/11/04

サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

#サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/24

香辛料などとして用いられるのは、三裂した真っ赤な雌蕊(の柱頭(ちゅうとう))である。柱頭が異様に長いのは品種改良されてきた成果と思われる。花が開きかけの、花粉が付着していない雌蕊が上等。着色料としては、(赤色ではなく)黄色く染めるのに用いられる。

サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/25

#サフラン 茅ヶ崎市浜之郷 2023/11/25


#大磯町立図書館、#JR大磯駅、#大磯町役場

#大船フラワーセンター(旧花き販売所向かい広場の植桝、名札あり)

参考資料

『朝日百科 世界の植物 9』 朝日新聞社発行(1978初版、1980第2版)

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イヌサフラン

サフランモドキ