キンポウゲ目/キンポウゲ科/キンポウゲ属 花期/(1月下旬~)3月下旬~5月
学名/Ranunculus spp.
有毒外来種改良種
#ラナンキュラス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09
園芸栽培される、地中海周辺などを原産とする多年草。ラナンキュラスといったらキンポウゲ属に分類される(ふつうは日本在来種を除いて、なんだか得体の知れない外国産の)植物の総称であるが、その中でも主にラナンキュラス・アシアティクス(Ranunculus asiaticus)を元に作出された園芸品種群を指すことが多い。ラナンキュラス・アシアティクスは和名ハナキンポウゲ(花金鳳花)。但し園芸の分野では単にラナンキュラスと呼ばれる。日本ではアクセント(強勢)は”キュ”に置かれることが多いようだが、英語読みではアクセント(強勢)は”ナ”。略してラナン。秋植えの球根植物であるが、からからに乾燥している球根を生き返らせる”復活の儀式”を経てから植えないといけないという特殊性からか、ホームセンターの園芸コーナーで球根が売られることはあまりなかろう。一般的には早春から売り出される花付きの鉢植えで入手することになる(定番品種で1鉢400円以上、希少な新品種は3,000円など)。植えてある球根の大きさが花苗の良し悪しに直結し、安い鉢物は見るからに草姿(そうし)が貧弱なので、ある程度のお値段(定番品種で600円~1,000円)がするものを購入したい。茎ががっちり太くて葉がもしゃもしゃ茂っている良株を選ぶ。寒い時期から出回っているものは霜に当てないように、また花がデリケートで風雨で傷みやすいため、軒下や玄関内に退避させることができるよう地植えではなく鉢植えで栽培すると良い。また耐暑性が低く高温多湿が大の苦手なため、夏の前(6月上旬)に地上部が枯れたら球根を掘り上げ乾燥させて冷暗所で保管する、梅雨の長雨に当てない、などの管理も必要。それでも夏越しに失敗して、結局一年草として終わった、なんていう事態も多発する。以上の通り、植えっぱなし放ったらかしで大丈夫という植物ではなく半ば美術品のように扱わなくてはならないせいで、鎌倉の寺境内や公園の花壇などで栽培されていることはまずなかろう。ほぼ同時期に咲く似たような姿のアネモネの方がまだ見かける機会があるか。
#ラナンキュラス(’マシェ ホワイト’、背後はクロッカス) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/02/28
#ラナンキュラス(’マシェ ホワイト’)の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2021/02/28
近年は「ラナンキュラス・ラックス」シリーズが徐々に出回るようになってきている。新しく異種間交配された園芸品種で、草丈は人の膝(ひざ)以上に高くなり(のちのちはコンパクトな矮性(わいせい)品種も登場するかもしれない)、耐寒性がラナンキュラスにしては高いため地植えにでき(宿根する)、花が比較的多くスプレー咲きしてくれる、という品種。花弁がシルクのような質感で光に当たるとつやつや輝くことから、ワックスがかったラナンキュラスということでラックスと命名された。流通量がまだ少なく(入荷時期も限られており主に1月下旬~2月上旬)、値段は結構高め(1鉢1,500円程度から)。初めて見た人は”植物としてはあり得ない花弁の光沢”にびっくりしてしまうはず。大学芋ばりに、つーやつやのてっかてか。
ラナンキュラスの花
初めて見た人は”お花紙”で作られた造花(ペーパーフラワー)と勘違いしてしまうに違いない、見事な八重咲きの品種が主。バラ(薔薇)のよう。規格外の大きなもので、花径は15cm近くにも達する。市販されているよく見かけるものは8cm程度。花色は赤・ピンク・オレンジ・黄色などの暖色系および白色。生産者がハウス栽培したものが初春から店頭に並び始めるが、本来は春遅めに咲く花である。
#ラナンキュラス(’マシェ ホワイト’)の開き始めた蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2021/02/28
#ラナンキュラス(’マシェ ホワイト’) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/02/28
#ラナンキュラス(’マシェ ホワイト’) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/02/28
#ラナンキュラス(’マシェ ホワイト’、花径8cm) 茅ヶ崎市浜之郷 2021/02/28
#ラナンキュラス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09
#ラナンキュラス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/04/09
茎が長く伸びる品種は切花としても販売されている。五分咲きくらいの花を集めてブーケを作るとかわいい。
#大船フラワーセンター(3月上旬にラナンキュラス展、のちその残り物が園内に植栽されることも)、#花菜ガーデン(チャペックの家と庭にラックス)