大葉の蜻蛉草 クサスギカズラ目/ラン科/ツレサギソウ属 花期/6月中旬~7月中旬
学名/Platanthera minor (Miq.) Rchb.f.
自生種稀少保護
オオバノトンボソウ(小花の間が詰まり気味) 大和市・泉の森 2019/07/08
丘陵地などの直射日光が当たらない林床に生える多年草。野生ランの一種。別名ノヤマトンボ(野山蜻蛉)。茎を一本直立させて、大きな個体では草丈が人の膝(ひざ、高さ50cm)くらいと、なかなか背高になる。が、色的に周囲の緑に紛れてしまうためちょっと見つけづらいかもしれない。神奈川県内では広く自生が確認されているも希少種で、遭遇するのはかなり希。
オオバノトンボソウ 東京都八王子市・長池公園 2024/06/22
オオバノトンボソウ 藤沢市・新林公園 2022/07/11
オオバノトンボソウ(小花の間が詰まり気味) 大和市・泉の森 2019/07/08
地面すれすれの位置にある葉二枚前後は大きい。茎には稜(りょう、出っ張り)があり、揚げ菓子のチュロスみたいな形状をしている。
オオバノトンボソウの葉 大和市・泉の森 2019/07/08
オオバノトンボソウの葉 東京都八王子市・長池公園 2024/06/22
オオバノトンボソウの葉 東京都八王子市・長池公園 2024/06/22
オオバが付かないトンボソウは、単に葉が大きい小さいというだけでなく個体自体も草丈30cmしかないだいぶ小振りなもので、開花時期はもっと遅いため、混同してしまう虞(おそれ)はない。神奈川県内では丹沢と箱根に分布。
オオバノトンボソウの花
花序は細くて長い。やや薄い緑色。クモ(蜘蛛)の糸が張られてしまって見苦しいこと多々あり。また近頃の地球温暖化で高温多湿が過ぎるせいなのか、花は一部が黒ずみ腐っていることがある。
オオバノトンボソウの開花直前の蕾 大和市・泉の森 2024/06/22
オオバノトンボソウ 東京都八王子市・長池公園 2024/06/22
オオバノトンボソウ 東京都八王子市・長池公園 2024/06/22
オオバノトンボソウ(小花の間が詰まり気味) 大和市・泉の森 2019/07/08
真上から見たオオバノトンボソウ(小花の間が詰まり気味) 大和市・泉の森 2019/07/08
花の形状や色が違う、茎の稜の感じが違う、などちょっとでも違和感を持ったら、もしかしたらオオヤマサギソウ(大山鷺草、オオヤマザキソウと誤って呼ばれることが多い)など同属の近似種である可能性。紛らわしいものいろいろあり。但し、湘南・鎌倉・三浦半島で見られるのはオオバノトンボソウのみのはず。
東京都八王子市・長池公園(令和6年(2024)つくいけの道に6株程度)
馬堀自然教育園、武山
藤沢市・新林公園
大和市・泉の森(6月下旬、ササが刈られなくなった、個体数の減少著しいせいか二重の保護柵が設置されてしまい目にできる機会は失われた、希に柵外に生え出ることあり)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)